金プラチナ短期相場観
マーケットは金利敏感症
更新日:2014年5月17日(土)
今週13日にNYダウは史上最高値を更新し、同じ日にドイツDAXも今年最高値、次の日には英FTSEも年初来高値を更新しました。南アフリカなど新興国の一部の株価も今週高値更新となっています。同時に先進国の国債も買われ、米・英・独の10年債利回りは15日に今年最低水準まで下落しました。オーストラリアやカナダの10年債利回りも今週安値更新となったようです。株も国債も買われる状況となっています。
昨年、米10年債利回りは1.75%台から2.99%台まで70.7%も上昇し、今年は2.5%付近まで15.95%の下落となっています。米10年債が買われて利回りが大幅低下する流れに先進国の国債利回りも追随します。最近では、ドイツの景気減速感やユーロの追加緩和観測を背景にドイツの10年債利回りの低下が顕著となってきました。
日米欧の低インフレ、特にユーロ圏ではデフレも懸念される状況。これに加えて金融政策では、FRBの量的緩和こそ終了に近づきつつあるものの、利上げの見通しは徐々に先送りの気配すらある状況。日本は緩和政策真っ最中、ユーロ圏も緩和方向でいずれも政策金利引き上げ見通しは全くなしの状況。
さらに、FRBの緩和縮小に伴い米国債が売られ始めていた昨年の流れ(国債利回り上昇)から、イエレン体制発足以降のゼロ金利長期化観測の台頭に伴う米国債の買い戻しが進行。これらの要因によって、米国債利回りの低下が進行しているものと思われます。
米国債利回りの動向に大きく影響を受け、敏感に反応するドル円は、その感応度も高まりつつあるようにも見えます。
米10年債金利の低迷に伴い、上値を押さえられたドル円は低迷(円高)。結果的に円安政策停滞となっていることで日本株の低迷度合いも深刻な状況に。
隣国での安全不感症は大問題ですが、マーケットでは今、金利敏感症とも言える状況。こちらも少しやっかいな状態に。
NY市場、金相場は0.02%の小幅続落。米4月の住宅着工件数や建設許可件数が好結果となり、イエレンFRB議長も懸念する米住宅市場の回復傾向が示されたことで1,280ドル台へと急落する場面もあったものの、これも一時的で1,290ドル台へとすぐさま反発。1,280ドル台での底堅さとともに、上値も重い状態が継続。
週間ベースでは+5.8ドル(+0.45%)と小幅反発。
プラチナ相場も続落で0.26%の小幅安。南アフリカの鉱山ストが収束に向かわない限り、下値も限定的となる状態がもうしばらく継続しそうな状況。短期上昇トレンドは継続中で、当面の上値目標水準1,530ドル近辺を目指す展開。
週間では+36.2ドル(+2.53%)の大幅反発。
ドル円は0.03%安の3日続落。米住宅関連指標の上昇を強気材料に急騰も101円60銭台が上限、しかし下値も101円30銭台と限定的。円高圧力が高まるなか、今年安値水準となる100円90銭近辺まで下落の可能性が高まる状況。101円10銭台に位置する200日移動平均線との攻防が目先の焦点に。
週間ベースでは-0.27円(-0.27%)の小幅続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/16終値とチャート
- 2014年5月17日(土)時点の相場
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国内金 : 4,536 円 5/16(金) ▼37(0.81%) 国内プラチナ : 5,112 円 5/16(金) ▼36(0.70%) NY金 : 1,293.4 ドル 5/16(金) ▼0.2(0.02%) NYプラチナ : 1,466.1 ドル 5/16(金) ▼3.8(0.26%) ドル円 : 101.55 円 5/16(金) ▼0.03(0.03%)
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