金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

低下し続ける内閣支持率と黒田総裁会見への注目度と株と為替の相関性

更新日:2014年7月14日(月)

このところ安倍内閣の支持率が低下傾向にあります。60%台を維持していた1年前から10%程度低下し、今では50%前後に。集団的自衛権などの影響もあり、ここ最近の低下が目立ち、調査機関によっては40%台へと急落しているケースも目立ちます。
同様に、ここ最近の低下が目立つのが黒田日銀総裁会見への注目度。日銀への追加緩和期待も高まっていた今年4月からリアルタイムでの公開会見となり、注目を集めましたが、何かあれば追加緩和も、との1点張りで、物価目標に向けての進捗も適度に進み、追加緩和期待も徐々に低下。今週の日銀金融政策決定会合では無風通過が予想され、もはや追加緩和への期待はほぼ皆無。

政府と日銀への期待と注目度の低下に伴い、やはり同じように、ここ最近の急低下が目立つのが株価と為替の相関性。
日経平均とドル円の相関関係は、90日間の相関係数で見ると、やはり今年4月までは正相関の関係が強かったのに対し、5月以降の低下が目立ちます。
日本の政策を背景にした円安株高の流れが終わったことを象徴しています。

ドル円とNYダウの関係も同じように正の相関性が低下し、株価とドル円の関係性が崩れています。
同様に、逆相関関係が強かった金とドル円の関係も弱まっています。
ドル円と米10年債利回りとの関係は長期安定的に相関関係が強く、NYダウと米10年債利回りとの関係は、春頃まで強かった相関関係が崩れ、今では逆相関よりとなっています。
米10年債利回りの低迷によってドル円の上値が押さえられ、金利の先高感によって株価は下落、低金利継続観測が高まれば株価が上昇する、という現状を表しています。

ただし、NYダウと米10年債金利の関係は、今まで常に相関関係が強かった訳でもありませんが、金融緩和が株価上昇をサポートし、金融引き締め(利上げ・及びその観測)が株価の上値を押さえる傾向があり、前者の流れで上昇してきた株価が高値圏で小康状態に入りつつある背景には、後者への警戒感が高まっていることがあります。
結果的に株価と米10年債金利は逆相関傾向を強めています。

長期的には金利上昇は必至の状況で、これに伴い、株価は一時的に下落、ドル円は上昇トレンドへと向かう可能性は非常に高く、金もやや下落傾向を強めることになりそうですが、その過渡期にある現状では、株や為替、金の関係性が従来から変化し始めています。
不安定な時期に差し掛かっている、ということも言えそうです。

週明けの国内金価格は0.11%の小幅高で3営業日続伸。6月後半から3週間続いた4,600円近辺でのレンジ相場から、ゆっくりと上方向への流れが始まろうとしている状態。4ヶ月ぶりとなる年初来高値4,708円の更新+アルファで4,720円近辺の目標水準を目指す展開へ。4,600円のサポートラインを割れた場合には少し大きめの調整も。

プラチナはわずかに2円下げて4営業日ぶりの反落。レジスタンスラインとなる年初来高値圏での足踏み状態が継続、上方向へと動き出したなら、5,300円台半ばに向けて大幅上昇の可能性。5,190円台のサポートライン割れなら5,100円台前半までの下押しへ。
※参考:金プラチナ国内価格7/14とチャート

2014年7月14日(月)時点の相場
国内金4,659 円 7/14(月) ▲5(0.11%)
国内プラチナ5,244 円 7/14(月) ▼2(0.04%)
NY金1,337.4 ドル 7/11(金) ▼1.8(0.13%)
NYプラチナ1,513.8 ドル 7/11(金) ▼3.2(0.21%)
ドル円101.33 円 7/11(金) ▼0.01(0.01%)

7/11(金)のその他主要マーケット指標

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