金プラチナ短期相場観

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BRICS開発銀行始動へ

更新日:2014年7月15日(火)

BRICSという名称自体には一時の勢いが感じられなくなってはいるものの、BRICS首脳会議は存続しています。本日ブラジルで行われるBRICS首脳会議は、当初3月か4月だった開催予定を、サッカーファンという中国の習近平主席のために時期をずらしたとの噂もありましたが、結局日程的に間に合わず、W杯決勝の観戦はかなわなかったようです。しかし、ロシアのプーチン大統領は次回開催国の大統領として、しっかりメルケル首相とともに観戦していたようです。

今回のBRICS首脳会議では、途上国支援を目的とした独自の開発銀行と危機時に資金を融通し合う外貨準備基金の発足を正式に決定する、ということです。
欧米主導の世界経済への対抗とも見られますが、独自の基金設立などは決して悪い話ではなく、対立構造を生み出すものでなければ、やむを得ないことかと思えます。
むしろ多様化する世界経済においては、必然の流れのようにも見えます。
資本金は5ヶ国×100億ドルの500億ドルとのことですが、昨年発表された時には中国が410億ドル、ロシアとブラジル、インドが180億ドル、南アフリカは50億ドルの合計1,000億ドルと言われていたのに対して、ややトーンダウンした形です。参加国の平等化を図ったものかもしれませんが、南アフリカにとっては倍増です。

なお、正式名称に「BRICS」の文字を入れず「新開発銀行」とする理由は、5ヶ国に限定することなく、トルコやメキシコ、インドネシア、ナイジェリアなどの他の新興国の参加を想定しいるため、とされます。
BRICSのうちのブラジル、インド、南アフリカ、今後の参加想定国のうちのトルコ、インドネシアは昨年から今年序盤にかけて経常赤字とインフレ、そして通貨安に苦しむ脆弱な5ヶ国、フラジャイブ・ファイブと呼ばれた国々。これらの国々が協力し合うことは、世界経済にとってもプラス材料になるものと思われます。
それぞれ不安を抱える国々ではありますが、フラジャイル・ファイブも今年は通貨安ではなく、わずかながらも通貨高に転じています。
ただ、唯一今年も通貨安となっているのが南アフリカ。これを期に、労使環境改善を進め、経済復興へと向かってほしいものです。

NY金・日足チャート 2014/6/16 - 7/14週明け14日のNY市場は、NYダウが一時最高値更新するなど欧米株高の流れ。金相場は32.8ドル(2.3%)の大幅安。今年上期に上昇を続けた流れが終了し、年末にかけては下落するというゴールドマン・サックスからの予想が報じられた日の大幅下落で昨年12月19日、FOMCでテーパリング開始を決定した翌日に41.4ドル(3.35%)の急落となった時以来の下げ幅。10日に4ヶ月ぶりの高値水準となる1,346.8ドルまで上昇し、直近の目標水準1,350ドル台近辺に到達していたことで短期トレンドにも変化が。1,310ドル台のサポートラインを割れたことで目先1,280ドル辺りまで下落の可能性。上方向には1,340ドルがレジスタンス。

NYプラチナ・日足チャート 2014/6/16 - 7/14プラチナ相場も1.37%の大幅安。今年最高値圏での推移から、1,520ドルのレジスタンスラインを超えられず、逆に反落の流れとなって1,490ドル台のサポートライン割れ寸前の水準に。ここを割れると1,470ドル近辺までは下落余地拡大。

ドル円・日足チャート 2014/6/17 - 7/14ドル円は0.2%の反発。またも101円30銭のサポートラインを終値で割れることなく持ち堪えた格好。欧米株高や米長期金利上昇の流れに支えられて101円台半ばへ。101.30-102.20のレンジ推移はまだまだ継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/14終値とチャート

国内金価格は2.06%の大幅安で4営業日ぶりの反落。6月後半から3週間続いた4,600円近辺でのレンジ相場から、ゆっくりと上昇し始めるかと思われた矢先の急反落。上値目標水準消滅で流れは下方向へ。当面の下値目安は4,500円前後。

プラチナは0.84%の続落。年初来高値圏での足踏み状態が続き、5,240円台のレジスタンスラインを超えられなかったことで反落の流れに。5,190円台のサポートラインでは踏みとどまり、レンジ上抜けへの再チャレンジの可能性も残しつつも、下値警戒感が高まる状況。レンジ下抜けなら下値目標水準は5,130円付近。
※参考:金プラチナ国内価格7/15とチャート

2014年7月15日(火)時点の相場
国内金4,563 円 7/15(火) ▼96(2.06%)
国内プラチナ5,200 円 7/15(火) ▼44(0.84%)
NY金1,306.7 ドル 7/14(月) ▼30.7(2.30%)
NYプラチナ1,493.0 ドル 7/14(月) ▼20.8(1.37%)
ドル円101.53 円 7/14(月) ▲0.20(0.20%)

7/14(月)のその他主要マーケット指標

イエレン語録「米経済の回復、まだ」 7/16(水)

BRICS開発銀行始動へ 7/15(火)

低下し続ける内閣支持率と黒田総裁会見への注目度と株と為替の相関性 7/14(月)

高値警戒感が高まる欧米主要株と上昇期待高まる新興国株 7/12(土)

FRBによる低ボラティリティへの懸念が表面化した翌日のユーロ不安 7/11(金)


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