金プラチナ短期相場観

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テーパリング10月完了と低ボラティリティへの懸念が意味するもの

更新日:2014年7月10日(木)

6月開催分のFOMC議事録では、「経済が予想通り改善した場合」という条件つきながらも10月のFOMCで債券購入の縮小、テーパリングを完了させることで合意していることが明らかになりました。これで今月のFOMCでは現在の350億ドルから250億ドルへ、9月のFOMCで150億ドルへ、と予定どおりのペースで縮小が継続されることが明確になった訳で、唯一、最後に残った150億ドルを一度に縮小するのか、それとも50億ドル残すのかという一抹の疑問も解消されました。もっとも、10月に完全終了させなければ次のFOMCが12月となってしまうことも理由の一つと考えられます。
また、最近の金融市場の低ボラティリティへの懸念も示し、投資家の行き過ぎた安心感やリスクテイクへの警戒感、さらには経済や金融政策の不確実性を十分に織り込んでいない、というFRBの認識も明らかにされました。

自ら「金融政策の不確実性」と表現するところにややひっかかりを覚えます。もちろん、純粋に金融政策も臨機応変な対応が必要、ということでしょうけれど、3月にイエレンFRB議長が口を滑らせた「6ヶ月発言」が妙に気になってきます。
QE終了後の低金利継続期間、利上げまでの期間を6ヶ月としたのは、一般的なところで、最低でも、といったニュアンスもあったかとは思われますが、当時この発言でドル円も金も1%前後変動し、株価もそれなりのボラティリティとなっていましたが、この後火消し発言を繰り返し、「低金利の長期継続」という市場認識の醸成とともに低ボラティリティ化が進行した事実も見逃せません。

市場の利上げ予想時期は2015年7-9月期が優勢、7月としても今年10月のQE終了後9ヶ月、9月ならほぼ1年。今年10月の6ヶ月後なら2015年4月。
金融政策の不確実性を考慮すると、2015年4-6月期の利上げ開始の可能性にも警戒が必要となりそうです。

NY金・日足チャート 2014/6/11 - 7/99日のNY市場、金相場は0.59%の反発で4日ぶりの上昇。FOMC議事要旨発表を受けて早期利上げ懸念が後退すると1,330ドル台まで上昇。しかし6月末以降の抵抗線となっている1,330ドル超えは維持出来ず1,320ドル台半ばまで押し戻される展開。上方向にブレイクできれば1,350ドル近辺の目標水準を目指す流れ再開へ。ここまで3週間継続している1,310-1,330ドル台のレンジ相場状態が、今後まだしばらく継続するようなら下方ブレイク時の大幅下落の可能性も徐々に高まることに。

NYプラチナ・日足チャート 2014/6/11 - 7/9プラチナ相場は0.69%高の続伸で再び1,500ドル台へと水準を切り上げ。サポートラインも1,490ドル台に切り上げ、今年最高値水準でもある1,520ドルのレジスタンスラインへの再トライをうかがう状況に。高値更新なら1,500ドル台半ばも視野に、反落の場合には目先1,470ドル近辺までの下押し余地。

ドル円・日足チャート 2014/6/12 - 7/9ドル円は0.06%の小反発。10月のQE終了見通しを受けて101円80銭台まで急騰したのも一瞬、200日移動平均(101.82)も抵抗線となった形で再び101円台半ばへと反落。101.30-102.20のレンジ相場脱出のきっかけとなる材料不足は当面継続か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/9終値とチャート

国内金価格は5日ぶりの反発で0.74%の上昇。6月後半から続く4,600円近辺の保ち合い状態上限となる4,630円台に達し、上方向への当面の目標最大値4,720円を目指す流れ再開の兆しも。サポートラインも4,600円に切り上げ。

プラチナは0.79%の続伸。3日前に更新したばかりの年初来高値をわずかに更新し、5,240円台のレジスタンスライン突破の兆し。ここをしっかりと超えてくると大幅上昇の可能性も高まり、5,300円台半ばを目指す可能性も。サポートラインも5,190円台に切り上げ、ここを割れると100円前後の下落局面も。
※参考:金プラチナ国内価格7/10とチャート

2014年7月10日(木)時点の相場
国内金4,635 円 7/10(木) ▲34(0.74%)
国内プラチナ5,245 円 7/10(木) ▲41(0.79%)
NY金1,324.3 ドル 7/9(水) ▲7.8(0.59%)
NYプラチナ1,506.9 ドル 7/9(水) ▲10.4(0.69%)
ドル円101.64 円 7/9(水) ▲0.07(0.06%)

7/9(水)のその他主要マーケット指標

FRBによる低ボラティリティへの懸念が表面化した翌日のユーロ不安 7/11(金)

テーパリング10月完了と低ボラティリティへの懸念が意味するもの 7/10(木)

イエレン・ダッシュボード2014年7月版 7/9(水)

主要各社の米利上げ予想時期 7/8(火)

去年の七夕と今年の七夕 7/7(月)


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