金プラチナ短期相場観
FOMCの翌日、株高の流れに金相場も追随、取り残されるドル円
更新日:2014年6月20日(金)
昨日早朝、FOMCの日にはNYダウが100ドル弱の上昇で最高値圏へと水準を切り上げ、それを受けた日経平均も245円(1.6%)の上昇、その翌日も株高の流れは続き、NYダウは小幅高ながらS&P500は5営業日続伸で過去最高値更新。やや遅れて金も昨日大幅上昇。FOMCでの当面の低金利維持への安心感から株が買われ、金も買われる展開に。今朝の日経平均も小幅上昇で前日比プラス圏を維持し、これで今年初の5週続伸もほぼ濃厚。
対象的に冴えないドル円は相変わらずの低迷が継続。金利の先高感後退により、ドル買い圧力は低下したまま、しかし円高圧力も決して高くないことによりレンジ相場が延々と継続中。この週末も2週続落をかけての攻防が続き、今月末にかけては5月末の101.79円を上回るかどうか、3ヶ月続落が回避できるかどうかの攻防が続きそうです。
円安・日本株高の流れが昨年で終わり、円高・日本株安の流れとなった今年、日経平均は先月で底をつけて反転し始めた可能性も高まるのに対し、ドル円は円高も限定的なら反転の兆しもない状況。
気がつけば日経平均とドル円の相関関係は大きく低下しています。90日間の相関係数は以前の0.8-0.9近辺で強い相関関係を示していましたが、今朝時点では0.5310。どちらかといえば正の相関関係はまだ見られる、という程度。相関係数の推移をみると、4月後半からこの数値はきれいに低下傾向となり、まだまだ低下しそうな勢いも感じられます。
日本株買いと円売りを進めてきた海外勢が減少したことで、新たな流れが始まりつつあるようです。
QE縮小が完全に終了し、利上げ時期が市場の主要テーマとなる頃まで、ドル円の反転はそう簡単には見込めそうにない様子です。
19日のNY市場、金相場は3.25%の大幅上昇。FOMCでの当面のゼロ金利継続やイラク情勢への警戒感などからNY時間に上昇の勢いを強め、4月14日以来の1,300ドル台を回復。3%超の上昇率は昨年9月19日以来。その日もFOMCの翌日、予想外のQE縮小見送りとなったことで4.72%の急上昇となりました。レジスタンスラインを超えたことで上昇余地は拡大。目先の目標水準は1,350ドル台近辺。買われ過ぎ状態もMAX圏となり、いったん調整の余地も。
プラチナ相場も金に連れて1.63%の大幅上昇で4日続伸。1,430-1,480ドル台のレンジ上限が視野に入る水準でいったん流れも止まりやすいところ。それでもトレンドは好転し、レンジブレイクと反落との攻防へ。
ドル円はほぼ横ばい推移。FOMC後の上値の重い状態が継続し、高値でも102円ちょうどまで、安値では101円70銭台までの小動き。目先のレンジ下限となる101円60銭台がサポートラインに。101円60銭まで上昇してきた200日移動平均線もサポートラインに。しかし、ここを抜けると100円台を試す可能性も大。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/19終値とチャート
国内金価格は2.68%の大幅上昇で3日続伸。4,500円のレジスタンスラインを上抜けていきなり上値目標4,550円超えも達成、次の目標水準は4,610円程度。しかし、既にこの水準にもほぼ到達し、過熱感もかなり高騰、押し目が入り易い状況。下方向には4,460円台にサポートライン。
週間ベースでも+144円(+3.23%)の大幅上昇となり、3週続伸。
プラチナも0.73%上昇で3日続伸。ゆるやかな上昇基調を描く90日移動平均線よりも上での推移が継続する中期上昇トレンドの流れにサポートされて、短期的な下落トレンドもほぼ収束。上方向の節目5,170円も目前ながら、今年高値水準となり、抵抗感も高まりやすいところ。
週間ベースでは+55円(+1.09%)の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格6/20とチャート
- 2014年6月20日(金)時点の相場
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国内金 : 4,605 円 6/20(金) ▲120(2.68%) 国内プラチナ : 5,121 円 6/20(金) ▲37(0.73%) NY金 : 1,314.1 ドル 6/19(木) ▲41.4(3.25%) NYプラチナ : 1,474.5 ドル 6/19(木) ▲23.7(1.63%) ドル円 : 101.94 円 6/19(木) ▲0.02(0.02%)
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