金プラチナ短期相場観

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ソロスチャートが示すドル高円安の流れ再開の可能性

更新日:2014年9月2日(火)

今朝、日銀から発表された8月のマネタリーベースは月中平残で242.3兆円。前月の243.1兆円からはやや減少していますが、月末残高では7月の243.2兆円から8月は243.5兆円とわずかに上昇。月中平残で見た場合の前年同月比でも、昨年8月以降12ヶ月連続で40%超の増加ペースが続いています。一方、米FRBのマネタリーベースはピーク時の前年同月比39%増から徐々に鈍化、8月時点では19.92%増と遂に20%割れ。資産買い入れペースの縮小状況が確実に反映されています。

この結果、日米のマネタリーベース比率で表されるソロスチャートは、8月には若干低下したものの、急激な上昇ペースを維持しています。今後も日銀の増加ペースは維持されるのに対し、FRBの増加ペースは10月まででいったんストップする見込み。ソロスチャートの右肩上がりの状況は当面続くことになります。
しかし、このソロスチャートと連動性が高いとされるドル円相場は、2013年末までは連動して推移していたにもかかわらず、2014年には横ばい状態が続き、8月時点ではソロスチャートとは大きく乖離しています。

過去にも乖離幅が拡大したことがありました。2012年にはソロスチャートが上昇傾向を示し始めたのに対し、ドル円相場は円高・低迷状態が続き、ソロスチャートが49.06まで上昇した2012年10月のドル円相場(の月間平均)は78.99円。このチャート上で見た場合のドル円換算では約13円ほど円高方向へとずれた状態。
その後、2013年1月にはソロスチャートが48.12、ドル円は89.20円とチャート上では交差し、ほぼ同等水準に。
ソロスチャートがトレンドを先行し、ドル円相場はやや遅れて追随するような動きとなっています。

2014年7月時点でのソロスチャートは60.94、ドル円は101.75円。ドル円基準の乖離幅は約14円ほどに拡大しました。この8月にはその差約10円に縮小。
今後数ヶ月で、ドル円相場がソロスチャートに追随する可能性は高まります。
当面、ソロスチャートが急降下することは考えられないことから、ドル円相場が年末にかけて110円前後を目指したとしても、何ら不思議ではなさそうです。

ドル円・日足チャート 2014/8/5 - 9/1レイバーデーの1日はNY市場休場で取引は閑散。ドル円は欧州時間までにゆるやかな上昇傾向となり0.26%続伸。終値ベース104円30銭台は1月22日以来。103.70-104.10円の小幅レンジを上抜けてきたことでドル高方向への流れが加速する可能性。当面の目標水準は年初につけた今年高値105円44銭。ここをすんなり超えるようなら105円台後半、70銭辺りまで一気に上値を伸ばす可能性も。サポートラインは103円70銭。

2日の国内金価格は0.17%の小幅高で3営業日続伸。時間外のNY金が1,287ドル付近で前週末水準を維持するなか、ゆるやかに進行する円安に後押しされ、方向感は徐々に上方向へ。今週末にかけてはドル円もNY金も変動率が高まることも予想され、そうなった場合には国内金価格は上下に振回される可能性も。基本的には短期上昇トレンドが始まろうかという状況で、4,680円近辺までの上値余地。下方向に振られて4,570円を下抜けた場合には流れが反転する可能性も。

プラチナも0.18%の小幅高となり3日続伸。現時点では夏場の下落トレンドからは脱し切れてはいないものの、5,100円の軽めのレジスタンスをわずかに超えたことで反発余地は5,150円程度まで拡大。もし、5,060円台のサポートラインを維持できないようなら5,100円までの下値リスクが再浮上。
※参考:金プラチナ国内価格9/2とチャート

2014年9月2日(火)時点の相場
国内金4,621 円 9/2(火) ▲8(0.17%)
国内プラチナ5,102 円 9/2(火) ▲9(0.18%)
NY金1,287.4 ドル 9/1(月) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ1,424.7 ドル 9/1(月) +-0.0(0.00%)
ドル円104.34 円 9/1(月) ▲0.27(0.26%)

9/1(月)のその他主要マーケット指標

製造業PMI・景況指数が示す米ドル全面高地合い 9/3(水)

ソロスチャートが示すドル高円安の流れ再開の可能性 9/2(火)

相関係数が示す季節の変わり目の相場の変わり目 9/1(月)

2014年8月の月間騰落率が示す今年の流れ 8/30(土)

雇用統計で注目され始める「ペントアップ賃金デフレ」の動向 8/29(金)


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