金プラチナ短期相場観

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今年最低水準となった雇用統計、8月分の数値は間違いか?

更新日:2014年9月6日(土)

ドル高の流れが急速に進み過ぎるのをけん制するかのような結果となった今回の雇用統計。非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは今年1月の+14.4万人を下回り、今年最低水準となるネガティブ・サプライズ。これで、米国の利上げ時期前倒し観測はやや後退した可能性もありますが、市場の反応は瞬間的なものにとどまり、極端に流れが変わるような展開とはなっていません。米株は小幅高、主要通貨に対するドル売りの流れも限定的、金の反発もわずかな範囲にとどまっています。

NFP前月比20万人超が続いていた状態から、10万人台前半へと急激に鈍化したものの、6カ月平均では+22.62万人、3カ月平均でも+20.7万人と+20万人超を維持しており、今回の数値が一時的なものである可能性も捨て切れません。
そして、米国の経済指標は、決してウソはつきませんが間違いはよくあることです。
今年、ここまでの上方修正回数は合計10回、下方修正は2回。(※過去2ヶ月分を修正する場合があり、特定月を2度修正する場合も)圧倒的に上方修正されるケースが多くなっています。ちなみに昨年の8月分も発表時の+16.9万人は最終的に+20.2万人へと上方修正されています。
今回の速報値も、次月以降、上方修正される可能性は極めて高そうです。

ただし、上方修正されたとしても、労働市場の回復状況は極めて良好、とも言い切れません。
失業率は6.1%へと前月から0.1ポイント低下していますが、労働参加率も62.8%へと前月から0.1ポイント低下していることが影響しています。
長期失業者の割合は、前月の32.9%から31.2%へと大きく改善。広義の失業率(U6失業率)も12.0%へと前月比-0.2ポイントの改善。しかし、いずれもリセッション前の平均的水準を100%とした場合の回復率は53.8%と61.9%。労働市場はまだまだ回復途上と見ることも可能です。
さらに、平均時給は24.53ドルとなり、前月比0.25%の上昇ですが、前年同月比では+2.08%にとどまり、依然+2%近辺での推移が続き、ペントアップ賃金デフレの状態も続きます。

NY金・週足チャート 2014/4/21 - 9/55日のNY市場、金相場は0.06%の小反発。米雇用統計の予想外の下振れを受けて1,260ドル台前半から1,270ドル台半ばまで急騰、この流れは一瞬で終わり、ウクライナ政府と親ロシア派の停戦合意報道もあり1,260ドル台後半へと収束。日本時間朝には6月17日以来、2カ月半ぶりの安値水準となる1,258ドルまで下げる場面もあり、8月後半以降の下値目標水準1,250ドル近辺にほぼ到達した形。雇用統計が上振れていた場合には目標水準をオーバーランする可能性もあったものの、結果的にほぼ無風通過、目先は1,290ドル台を上限とするレンジ形成へと推移する可能性も。
週間ベースでは-20.1ドル(-1.56%)の反落。

NYプラチナ・週足チャート 2014/4/21 - 9/5プラチナ相場も0.19%の小幅反発。雇用統計への反応はそれほどなく、1,410ドル近辺での小動きに終始。安値では4日連続での1,400ドル台となる1,403ドルをつけ、目標水準到達後の典型的な動きともいえる小康状態。下方向へのエネルギーをほぼ吐き出し、ニュートラル状態から新たな展開を模索することに。
週間では-13.7ドル(-0.96%)と小幅反落。

ドル円・週足チャート 2014/4/21 - 9/5ドル円は0.2%の反落。朝方に105円70銭台までのドル高が進み、高値更新後は調整局面へ。雇用統計下振れにより105円20銭台から104円70銭割れまで急落、しかし、前日と前々日の安値水準でもある104円70銭台のサポートラインでしっかりサポートされるとなんとか105円台を回復。目先、この104円70銭台のサポートラインを維持する限りドル高方向への流れ継続、ターゲットは106円。過熱感も依然強く、調整が進んだ場合、サポートライン割れなら103円台半ばまでの調整余地。
週間ベースでは+0.98円(+0.94%)となり、4週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/5終値とチャート

2014年9月6日(土)時点の相場
国内金4,571 円 9/5(金) ▼14(0.31%)
国内プラチナ5,091 円 9/5(金) ▲6(0.12%)
NY金1,267.3 ドル 9/5(金) ▲0.8(0.06%)
NYプラチナ1,411.0 ドル 9/5(金) ▲2.7(0.19%)
ドル円105.06 円 9/5(金) ▼0.21(0.20%)

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