金プラチナ短期相場観
金融政策正常化に向けた転換点を迎え、市場の反応も正常化へ
更新日:2014年10月29日(水)
いよいよ今回のFOMCでQE3の終了が決定し、FRBによる非伝統的政策が終了し、金融政策の正常化へ向けての転換点を迎えることになります。日本時間明日早朝に発表される声明文では、「相当な期間(considerable time)」ゼロ金利継続の一文が削除されるのか、どう変わるのかが次の焦点となります。イエレン議長会見がない今回は現状維持とし、次回12月のFOMCで変更されるとの見方に賛同します。
その際には、これまでのイエレン議長の発言どおり、ゼロ金利解除の時期は経済指標次第、データ次第といった内容に変化するのではないかと思われます。
それを裏付けるように、ひとまず当面の緩和策(ゼロ金利)継続見込みを織り込んで米株は上昇し、欧州株も上昇、金利も上昇して節目の日を迎えます。
それに対してドル円は、量的緩和終了を織り込んでドル高傾向を強め、金はQE終了のマイナス材料とゼロ金利継続のプラス材料とで揉み合い傾向に。
そのなかで、ドル円や金の場合には経済指標への反応が顕著に表れています。
米9月の耐久財受注が市場予想の前月比+0.5%に対して-1.3%と落ち込んだことを受けてドル円は108円10銭台から107円70銭まで40銭ほど急落。この時、金は1,220ドル台半ばから1,230ドル台半ばへと10ドルほど急騰。
その後発表された8月のケース・シラー米住宅価格指数も約2年ぶりの低い伸びにとどまったことで水準を維持。
さらにその後、コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数10月分が予想を大きく上回る94.5となり、2007年10月以来の高水準となったことでドル円は108円10銭台まで反発し、金は1,230ドル割れへと反落。
半年以上続いた異常な低ボラティリティ状態から脱したドル円は、金とともに、経済指標に素直に反応するようになりました。
FRBの金融政策よりも一足先に、データ次第で動く、正常化へと転換しているようです。
28日のNY市場、金相場はわずかに0.1ドルの上昇。1,220ドル割れまでの調整余地に対して1,222ドルまでの下押し後は1,230ドル手前での小動き。米耐久財受注下振れに反応しての急騰も1,235ドルまでと上値も限定的。方向感もほぼニュートラル状態での揉み合い傾向が継続。目先の下値余地は1,210ドル台、上値は1,250ドル台の抵抗線がやや遠くに見える状況。このラインを超えることが出来たなら1,280ドル近辺まで上値余地拡大の可能性も。
プラチナ相場は0.94%の大幅続伸。上方向への流れをやや強め、レンジ下限1,250ドルの重要な節目を維持して反発。1,310ドル前後の上値目標再トライへの可能性が再拡大。ただし、目先の抵抗線となるレンジ上限1,280ドルとの中間点に位置し、レンジ相場の様相も。
ドル円相場は0.31%の反発。ドル安方向への調整局面をほぼ終了し、再びドル高方向へのトレンドに戻ろうか、という分岐点に。大きく見れば105円90銭台から109円80銭までのレンジを、目先は107円80銭から108円30銭までのレンジを形成し、目先の上限超えなら110円トライへ、下限割れなら106円台前半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/28終値とチャート
29日の国内金価格は5日ぶりの反発となる0.53%高。4,550円近辺のサポート水準に下支えされて持ち直し、改めて4,600円前後の上値目標再トライへ。しっかりとこの水準に到達出来た場合には4,600円台半ばへとさらに上値を伸ばす可能性も。4,540円台に切り上げたサポートラインを割れるようなことがあれば再び4,500円割れを目指すリスクも残る状況。FOMC後となる明日朝には相場急変のリスクも。
プラチナ価格は1.12%の大幅上昇。三角保ち合いを小幅に下抜けたところからの急反発で逆に上抜け。上昇圧力をやや強める状況となり、上値を伸ばす可能性。目標水準は4,780円台辺り。ただし、可能性は低めながらも相場状況が急変し、サポートライン4,640円を割れた場合には、大幅下落で2番底へと向かう可能性が浮上することにも警戒。
※参考:金プラチナ国内価格10/29とチャート
- 2014年10月29日(水)時点の相場
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国内金 : 4,572 円 10/29(水) ▲24(0.53%) 国内プラチナ : 4,695 円 10/29(水) ▲52(1.12%) NY金 : 1,229.4 ドル 10/28(火) ▲0.1(0.01%) NYプラチナ : 1,266.3 ドル 10/28(火) ▲11.8(0.94%) ドル円 : 108.15 円 10/28(火) ▲0.34(0.31%)
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