金プラチナ短期相場観
歴史的安値圏から方向感が別れ始めた原油と金相場
更新日:2014年11月26日(水)
サウジアラビアとベズエラ、ロシア、メキシコが原油安対応のため4カ国協議を行いましたが、減産の合意には至らず。これを受けて原油価格は一段安に。NY原油相場は74.09ドルへと下落し、2010年9月以来4年2カ月ぶりとなる、歴史的安値水準に。年初来騰落率でも-24.72%に達し、米10年債利回りの下落率と並ぶ大幅下落となっています。
27日に開催されるOPEC総会でも減産が決まる可能性が後退し、さらなる下落圧力にさらされることになりそうです。
なお、原油と同様に軟調推移が続いていた金相場は、11月7日に4年7カ月ぶりとなる歴史的安値水準を記録した後は反発基調に転じており、年初来騰落率でも-0.43%の小幅下落水準へと回復。2013年には金が-28.26%の大幅下落、原油は+7.19%の上昇となっていたのが、逆転した状態です。
比較的、相関関係の強いNY金相場と原油相場の関係は、11月に入って明暗分かれる展開となっています。
また、ドル円相場は11月20日に7年3カ月ぶりとなる歴史的ドル高円安水準となる1ドル=118円90銭台を記録した後、高値圏での揉み合い状態が継続しています。
最近では麻生財務大臣の円安スピードへのけん制、黒田日銀総裁も円安メリット強調姿勢は変わらないもののデメリットも認める発言なども聞かれ、円安の勢いにも一服感も出始めているようです。また、米7-9月期GDP改定値が3.9%へと上方改定されたことによるドル買いの流れも限定的となり、118円台半ばでの売り圧力も高まる傾向にあります。そして日足チャートは高値揉み合いからの反落の可能性も示唆する団子天井を形成中。
歴史的ドル高円安水準からの調整局面がもう一段進むようなら、NY金金相場の歴史的安値圏からの反発基調が継続することになり、歴史的安値圏の更新がとまらない原油相場との方向感逆行の流れが、もうしばらくは継続することになります。
25日のNY金相場は0.12%の小反発。強弱入り交じる米経済指標に上下動も1,190-1,200ドルのレンジ内にほぼ収まる範囲。1,200ドルライン上抜けを何度も試しながらも全て一時的、レジスタンスラインの堅さを確認。下方向に1,190ドルを割れても一時的、終値ベースでの1,190ドル台は6日連続となり、上下どちらかへの動き出しをうかがう状況に。ドル高の調整が進めば上方ブレイクの可能性が高まり、1,230ドル近辺を目指す流れへ。ドル高の流れ再開なら下方ブレイクで1,160ドル台をメドに反落基調へ。
プラチナ相場は1.41%の大幅反発。やや乱暴な値動きながら、1,200ドルの大台付近での底堅さも見られ始め、サポートラインを1,200ドルに切り上げて1,250ドル付近を目指す反発基調再開へ。
ドル円相場は0.25%の反落。117円台後半から118円台前半での揉み合い状態が続き、ドル高円安方向への勢いも徐々に後退中。レンジ上抜けなら120円近辺の上値目標近辺へと再加速の可能性を残しつつ、レンジ状態継続とともに下抜けの場合の下落幅も1円から2円程度まで拡大傾向へ。中長期的にはドル高円安方向継続ながらも、短期的には調整局面が拡大する可能性が高まりつつある様子。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/25終値とチャート
26日の国内金価格はわずかに0.08%の反落。NY金と為替の膠着状態により上昇一服、買われ過ぎ状態継続からの反落リスクを抱えつつも、NY金の上昇基調再開なら上値トライ継続も。4,900円近辺が抵抗線候補。
プラチナ価格は0.14%高で3日続伸、9月25日以来2カ月ぶりの高値水準に。ゆるやかに安定した上昇トレンドが1カ月以上続き、目先は90日移動平均線や4,900円台半ば辺りで上値を抑えられやすくなる水準。
※参考:金プラチナ国内価格11/26とチャート
- 2014年11月26日(水)時点の相場
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国内金 : 4,858 円 11/26(水) ▼4(0.08%) 国内プラチナ : 4,916 円 11/26(水) ▲7(0.14%) NY金 : 1,197.1 ドル 11/25(火) ▲1.4(0.12%) NYプラチナ : 1,224.5 ドル 11/25(火) ▲17.0(1.41%) ドル円 : 117.97 円 11/25(火) ▼0.29(0.25%)
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