金プラチナ短期相場観
解散は買いvs寒波の影響
更新日:2014年11月21日(金)
衆院解散の日の朝、「解散は買い」のアノマリーに反して下落スタートの可能性高まる日経平均に連れて、為替もドル売り円買いの流れがやや強まる状況となっています。
今のところは単なる利食い、速すぎた上昇ピッチの反動による調整、短期的な売り仕掛けの範囲を超えてはいないものの、今後はやや大幅調整、もしくは株高円安の流れに変化が見られる可能性への警戒感も高まるところです。
日経平均も為替も7年ぶりの高値水準、ドル高円安水準に到達し、ある程度の達成感も見られ始め、今朝には麻生財務大臣の「円の下がり方はテンポが速過ぎる」などのけんせい発言も出始めています。
また、18日の安倍首相の記者会見以降、テレビ発言なども含め、解散自体への不透明感や不信感、アベノミクスへの期待剥落などにより、複数の世論調査で解散に理解できない人が60%超と、理解する人を大きく上回り、内閣支持率も40%台から30%台など最低水準となっているようです。
また、日本国内も既に冷え込む日々が続きますが、米国でも猛烈な寒波が襲来しているようです。11月としては異例の寒さで、ハワイを含む全米50州で最低気温で氷点下を記録したり、季節外れの大雪に見舞われる地域も出ているもよう。年末商戦を控えるこの時期の寒波は、GDPの7割を占める個人消費への影響も懸念されます。さらには、今年年初の寒波の影響による雇用統計の大幅下振れやマイナス成長などの再来も懸念されるところです。
「解散は買い」のアノマリーどおりにいかない可能性への警戒感に加え、北米大陸での寒波の影響への警戒感も高まります。
20日のNY金相場は0.25%の小幅続落。東京時間に1,170ドル台半ばまで下落した後は、ドル買いの流れ巻き戻しとともに反発基調へ。底値圏からの反発基調を維持し、上方向には1,200ドルがレジスタンス。下方向には1,150ドル台後半のサポートライン、1,170ドル台でも底堅さが見られ始め、徐々に水準を切り上げるような兆しも。1,200ドル超えなら、さらに大きく上値を伸ばす可能性。
プラチナ相場は0.53%の反発。1,190ドル台から1,220ドルのレンジを下抜けていたところから金に連れて反発し、レンジ内回帰。これまで何度も反発してきた1,180ドル近辺での底堅さを今回も示し、底値形成への可能性も感じさせるような動き。レンジ上限ブレイクなら1,250ドル近辺までの上値余地。しかし、下限割れなら底値を割れて1,160ドル近辺までの下落リスクも。
ドル円相場は0.21%の上昇で6日続伸。欧州時間に入って2007年8月9日以来の高値水準118円90銭台まで上昇したところで流れが反転。119円の大台寸前、キリの良い水準に到達したことで調整売りが加速した様子。しかしNY時間には好調を示す経済指標にも支えられ、117円70銭台までの調整で切り返し。今月の急騰地合いのなかでの調整局面では、114円、115円50銭、116円、117円とキリの良い水準に達した直後の調整で1円20銭から50銭程度の調整幅で切り返す流れを繰り返しています。今回は今朝時点で119円から1円60銭ほどの調整、さらに調整幅を拡大するようなら、流れが変わる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/20終値とチャート
21日の国内金価格は0.71%の大幅上昇。円安継続とNY金の反発基調による堅調推移が続き、やや買われ過ぎの状態へ。円安基調の巻き戻し拡大による下押し圧力とNY金の上値拡大への可能性との綱引きで乱高下となることも。長期スパンでは上方向には4,900円、下方向には4,700円が節目水準。
週間ベースでは+210円(+4.54%)の大幅上昇で3週続伸。
プラチナ価格は1.35%の大幅反発。マイペースで進んできたゆるやかな上昇トレンドのピッチを急激に上げ、上値目標4,830円近辺をクリアし、第2目標4,880円近辺まで一気に到達。ペースを乱したつけで反落の可能性も高まるところ、しかし金と同様にやや乱高下の可能性も。
週間ベースでは+137円(+2.88%)で3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格11/21とチャート
- 2014年11月21日(金)時点の相場
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国内金 : 4,836 円 11/21(金) ▲34(0.71%) 国内プラチナ : 4,886 円 11/21(金) ▲65(1.35%) NY金 : 1,190.9 ドル 11/20(木) ▼3.0(0.25%) NYプラチナ : 1,205.6 ドル 11/20(木) ▲6.3(0.53%) ドル円 : 118.21 円 11/20(木) ▲0.25(0.21%)
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