金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米経済拡大、イケイケ状態のマーケットへの警戒感はさらに拡大

更新日:2014年12月4日(木)

昨日発表された米ADP雇用の結果は、予想こそ下回ったものの月間20万人以上の増加がコンスタントに継続し、6カ月平均では+22.17万人、今年の年間平均でも+20.6万人と好調を示す状況。ISMの非製造業景況指数も59.3に上昇、リセッション後の高水準となった8月の59.6に迫る水準となる好調ぶり。
最近あまり注目されなくなった感もあるベージュブック(FRBが公表する地区連銀経済報告)でも、10月から11月にかけて米経済は引き続き拡大し、先行きについても楽観的な見方を示す状況。

好調の米経済を背景にNYダウなどの米株は過去最高値を更新し、ドル高も進行。経済状況は芳しくない日本では、総選挙での与党圧勝との情勢予想も伝えられ、円売り・日本株買いの流れも加速。結果的にドル円は120円近辺まで上昇し、日経平均も一時17,900円台まで上昇。それぞれ節目の大台突破も時間の問題に。
通常なら、マスコミ報道などで円安株高が大々的に言及され、120円も18,000円も単なる通過点に過ぎないとの予想が統一見解かのように、買えない専門家の方達が口を揃えだすと、そろそろクライマックスか、との警戒感が高まります。
しかし、ドル円も日経平均もテクニカル的には調整必至の状況を無視するかのようにイケイケ状態が続きます。官製相場ゆえのトレンド継続の可能性を意識しつつ、通常の高値警戒感以上に、反落リスクへの警戒感を意識しておく必要もありそうです。

気になるのは、ドル円と逆相関になりやすい金とプラチナの上昇基調が継続していること。もちろん、単に売られ過ぎからの反発の可能性も残ります。
特に、NYプラチナ相場は短期的には上昇基調を示すものの、長めのスパンでは一時的な揉み合い状態。長期チャートを見ると、夏場の急落局面から底打ちし、その後底値圏での揉み合い状態が続き、三角保ち合いを形成しつつある状態。再び大きく動き出す可能性も高まります。
近いうちに、ドル円相場が反落するならプラチナ相場は大幅反発へ、ドル高円安の流れがまだまだ続くなら、プラチナ相場は再び下落へ、という両極端の可能性も想定されそうです。

ドル円と金・プラチナ相場の方向性が同じ、という状態は過去を見ても、そう長くは続かないことへの警戒感も高まります。

NY金・日足チャート 2014/11/3 - 12/33日のNY市場、金相場は0.78%の反発。荒い値動きが続くなか、米ADP雇用が予想を下回ったことへの反応は限定的、ISM非製造業景況指数の好結果にもほとんど下押しなく、米経済指標の結果を無視するように、原油の反発傾向に連動するように上昇。1,200ドルの大台ライン付近が新たなサポートラインとなる可能性を高め、目先の上値目標1,230ドル付近を目指す。再び1,200ドルの大台割れの場合には1,180ドル割れ程度までの下落リスク。

NYプラチナ・日足チャート 2014/11/3 - 12/3プラチナ相場も0.82%の反発。短期的にはしっかりと下値を切り上げる上昇トレンドが継続し、1,260ドルの上値目標を目指す流れが継続。しかし、落ち着きのなさは金と同様、下値警戒リスクは金以上。1,210ドル台後半のサポートライン割れの場合には、その警戒感が急上昇する可能性、下値トライの目安は今年最安値、もしくは更新も。

ドル円・日足チャート 2014/11/4 - 12/3ドル円相場は0.49%の続伸。1カ月前にその可能性が浮上していた120円近辺の目標水準にほぼ到達。高値119円80銭台は2007年7月26日以来。120円の大台突破後の行き過ぎで121円台前半辺りまで上値を伸ばす可能性もあるものの、中期目標水準到達による、それなりの大幅調整への警戒感も高まる状況、というのが本来の見通し。しかし、総選挙動向を含め、テクニカルを無視した円安・株高の流れが進行する現状。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/3終値とチャート

4日の国内金価格は1.49%の大幅高で3日続伸。連日の今年最高値更新で昨年4月12日以来1年8ヶ月ぶりの高値水準となり、短期目標水準4,960円にいきなり到達。当面の行き過ぎの目安は5,000円の大台付近まで。サポートラインは4,700円台。

プラチナ価格も1.35%の大幅続伸。9月19日以来2カ月半ぶりの高値水準を回復し、目標水準上限の5,030円に到達。一服感は出やすいタイミングでサポートラインは4,840円、上方向へのレジスタンスとなりやすい水準は5,100円近辺。
※参考:金プラチナ国内価格12/4とチャート

2014年12月4日(木)時点の相場
国内金4,968 円 12/4(木) ▲73(1.49%)
国内プラチナ5,037 円 12/4(木) ▲67(1.35%)
NY金1,208.7 ドル 12/3(水) ▲9.3(0.78%)
NYプラチナ1,227.5 ドル 12/3(水) ▲10.0(0.82%)
ドル円119.79 円 12/3(水) ▲0.58(0.49%)

12/3(水)のその他主要マーケット指標

ECBのQE見送りでユーロ買い戻し、プラチナも買い戻し 12/5(金)

米経済拡大、イケイケ状態のマーケットへの警戒感はさらに拡大 12/4(木)

とまらない円安日本株買いの流れに警戒感高まるドル高懸念 12/3(水)

予想外のムーディーズ日本国債格下げをきっかけに金相場は反転 12/2(火)

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