金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

材料は違えど1年前と同じ展開で進む年初のマーケット

更新日:2015年1月19日(月)

年初から様々なリスク要因が重なり、不透明感の高まりとともにマーケットの流れはリスク回避傾向優勢の展開。ここまでは、1年前と同じような展開となっています。
2015年1月前半時点の年初来騰落率と、2014年の1月前半時点の年初来騰落率を比較すると、ユーロ安、金・プラチナは上昇、原油安、米株と米ドルはやや売り傾向、欧州株高、日本株安、そして債券高の利回り低下。
唯一、わずかに逆方向となっている英FTSEを除くと、方向性は完全一致。

1年前は、雇用統計などの米国経済指標が低調となったことを受けて米株やドルが売り先行となったものの、QE縮小開始月でもあったことから新興国不安が台頭、リスク回避傾向の高まりから金が買われました。
そして今年は昨年末から続く原油安、これに伴うルーブル安などによる資源国リスク懸念、ECBの量的緩和導入見込みに伴うユーロ安加速、この影響も受けたとみられるスイス中銀による突然のフラン上限撤廃による為替市場の混乱、やはりリスク回避ムードが高まることで金が大きく買われる展開。

原油安やユーロ安傾向、さらには債券高の利回り低下傾向の流れはまだ当面続く可能性は高そうですが、ドル売り・株売り・金買い傾向の流れについてはやや不透明感も漂います。
年末にかけて急上昇したドル円が再び長期レンジ相場を形成する可能性も十分想定され、長期上昇トレンドが続く米株への警戒感もより一層高まります。

また、1年前の主要リスク要因のひとつ、米国の金融政策転換に伴う新興国通貨安リスクについては、今年はまだそれほど懸念されていない状況。
今年はまだ米国発の材料が主要テーマとはなっていない状況とも言え、いずれ利上げ時期をめぐる思惑がマーケットを揺さぶる時期が訪れることになりそうです。
米国の利上げについてかなり織り込んできたはずの金相場の下落余地は、それほど大きくはない可能性もあり、むしろ新興国通貨安などの混乱が再び大きくクローズアップされるようなら、リスク回避による上昇要因となるかもしれません。

19日の国内金価格は2.48%の大幅続伸。NY金相場の高値圏維持とドル円の調整局面からの反発の兆しにサポートされ、5,080円付近のターゲット水準を大きく超え、2013年4月12日以来、1年9カ月ぶりの高値水準へ。その2日前、2013年4月10日につけた今世紀最高値5,255円も視野に。しかし、昨年末来での上昇率は既に5%を超え、買われ過ぎの過熱感も高まり、プラチナとの価格差逆転という通常では長くは続かないイレギュラー状態となっており、それなりの調整も見込まれるところ。

プラチナも1.9%の大幅続伸。金に連れ高となり、5,070円の上値目標をクリア、12月高値も超えて9月2日以来、4カ月半ぶりの高値水準へ。2014年高値5,246円も意識されるものの、まだやや力不足か。若干の調整局面も交えながら上昇トレンドを維持し、5,100円台前半辺りまでの上値余地も。
※参考:金プラチナ国内価格1/19とチャート

2015年1月19日(月)時点の相場
国内金5,164 円 1/19(月) ▲125(2.48%)
国内プラチナ5,102 円 1/19(月) ▲95(1.90%)
NY金1,276.9 ドル 1/16(金) ▲12.1(0.96%)
NYプラチナ1,269.4 ドル 1/16(金) ▲6.6(0.52%)
ドル円117.52 円 1/16(金) ▲1.37(1.18%)

1/16(金)のその他主要マーケット指標

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