金プラチナ短期相場観

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欧州金融緩和合戦を主導するECBは量的緩和へ

更新日:2015年1月20日(火)

超低空飛行を続けていたフランスのオランド大統領の支持率が、テロ事件への対応後に40%へと急上昇したそうです。1カ月前の19%からは倍増。これに気を良くした、からかどうかはわかりませんが、オランド大統領は「22日にECBは国債買い入れの実施を決定する」と発言。相当規模の流動性が供給され、欧州経済の成長を後押しするだろうとのフライング発言により、既にその可能性が高まっていた、今回のECB理事会での量的緩和導入決定の確率がさらに高まった様子です。

以前からドラギECB総裁も国債買い入れ実施には言及しており、1月か3月か、規模は?どの国の国債を?などの詳細が主要テーマとなっていました。
5,500億ユーロとも予想される規模を極端に上回るようなサプライズがなくとも、市場は好感し、ユーロ売りが進行する可能性は高そうです。

ECBの量的緩和導入によるユーロ安への警戒感も高まり、先週のスイス中銀に続き、デンマーク中銀も政策金利を-0.05%から-0.20%へと0.15%引き下げました。自国通貨クローネ高抑止策を先行発表するとともに、金融緩和によるユーロへのペッグ政策継続を表明。

なお、スイス中銀も際限なくスイスフラン高を容認した訳ではなく、ユーロ安スイスフラン高がとまらないようなら、量的緩和の導入もあり得るのではないか、とも考えられます。
ECBを中心に、ユーロ圏以外の欧州の中央銀行も含め、欧州界隈での金融緩和合戦が繰り広げられようとしています。

米国の金融政策転換によるマイナス材料を打ち消すほどではないにしても、欧州金融緩和合戦は金相場のサポート材料となりそうです。

ドル円・日足チャート 2014/12/18 - 1/19NY市場休場の19日、時間外の金は1,270ドル台後半でほぼ横ばい推移、プラチナはわずかに下げて1,260ドル台前半へ。
ドル円も前週末からほぼ変わらず。日本時間午前には中国株急落をきっかけとした日本株の下落とともに一時117円割れを試し、その後反転するとゆっくりと一本調子のドル高円安傾向となり、元の水準へ。今朝も上昇傾向が続き、118円台まで上昇する場面も。年初からの下落基調から完全に反転した訳ではなく、118円前後の水準は過去のサポート・レジスタンスラインやテクニカルな節目も集中する水準。ドラギECB総裁の会見までは現状水準近辺での揉み合い傾向が続く可能性も。上下の節目116円から119円80銭の間で方向感模索へ。

20日の国内金価格はわずかに3円の下落。先週の急騰でやや買われ過ぎとなった高値圏の水準を維持。反落への警戒感も高まるなか、ECBの量的緩和はNY金相場のサポート材料となり、ユーロ安ドル高傾向の進行はドル円のサポート材料にもなりやすく、金買いドル買いのレアパターンが再び生じる可能性も。ECBの発表内容が期待はずれでなければ。

プラチナは0.25%の反落。しかし短期上昇トレンドは継続中、5,130円辺りまでは上値を伸ばす可能性。高値圏での揉み合い状態を形成後、金が急騰するようなケースがあればこれに追随し、さらに上値を大きく伸ばす可能性も。サポートラインは4,980円。
※参考:金プラチナ国内価格1/20とチャート

2015年1月20日(火)時点の相場
国内金5,161 円 1/20(火) ▼3(0.06%)
国内プラチナ5,089 円 1/20(火) ▼13(0.25%)
NY金1,276.9 ドル 1/19(月) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ1,269.4 ドル 1/19(月) +-0.0(0.00%)
ドル円117.56 円 1/19(月) ▲0.04(0.03%)

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