金プラチナ短期相場観
米国の製造業景気指数は失速気味でもまだ好調、ロシアと中国は低調
更新日:2015年2月3日(火)
ISMが発表した米国の製造業景気指数1月分は53.5と昨年2月以来の低水準となり、構成指数の新規受注、価格、雇用いずれも低下し、予想外の失速状態を示す結果となりました。それでも好不況の分かれ目となる50を超える状態が2年以上続き、HSBCやマークイットが発表する各国の製造業景気指数と比較しても、その好調ぶりは際立ちます。
主要国のなかで1月の製造業景気指数が最も高かったのは英国の53.0。12月に54.5まで上昇していたインドもやや失速して52.9へと低下。これらの数値と比較しても米国の数値は高く、同じマークイットの発表値でも米国は53.9。やはりここ数ヶ月間のなかでは低調ながらも他の主要国を上回ります。
また、ユーロ圏も意外に底堅く、11月時点で50.1と節目割れ寸前まで低下したところから持ち直しています。
ユーロ圏を構成する主要国それぞれの数値を見ると、
ドイツが50.9(12月は51.2、11月49.5)と節目の50前後で持ち堪える状況が続くなか、スペイン54.7、オランダ54.1など好調維持組が牽引し、フランス49.2(9カ月連続50未満)、イタリア49.9(4カ月連続50未満)、ギリシャ48.3(5カ月連続50未満)など低迷継続組をなんとかカバーする形が続いています。
低調ぶりが鮮明となっているのがロシアで、2カ月連続での急落状態となっています。原油安、ルーブル安、経済制裁の影響が急速に拡大している様子。
そして、不透明感漂う中国も2カ月連続での50割れ。さらに、これまでHSBCの数値が47台まで低下した時でも決して50を割れることがなかった国家統計局の数値が2年4カ月ぶりに50を下回る49.8へと低下。想像以上に景気が悪化している可能性への警戒感も高まります。
なお、日本の数値は52.2で、最近は横ばい推移状態が継続中。ユーロ圏よりも景気は良く、米英、インドには及びません。スペインにも負けています。
2日のNY金相場は0.13%の小幅反落。先週末の急騰からの反落基調が続き、一時1,270ドル割れまで下落。米ISM製造業景況指数が予想を下回ると、株安ドル安が急速に進んだことを受けて急反発。しかし1,280ドル台では上値の重さを感じる状況。1,290ドル台が上値抵抗線となり、勢いはやや軟調。1,250ドルのサポートラインまでの間で保ち合い形成か。
プラチナ相場は0.78%の反落。反発局面での勢いの弱さが目立つ状況で、レジスタンスラインを1,240ドルに切り下げ、厚めのサポートライン1,210ドル台までの間で小幅レンジを形成。サポート力は強そうな1,210ドル台を割れた場合には再び1,200ドルの大台割れ必至か。レンジ上限超えなら1,260ドル台へ。
ドル円は0.09%の小幅反発。早朝オセアニア時間に116円台へと急落してのスタート後は徐々に買い戻しの流れも117円台後半が抵抗線状態。しかし、ISM製造業景況指数の下振れによる急落では117円台を維持。ゆるやかに上値を切り下げる流れのなかでも保ち合い状態継続。再度116円台への下落も十分に想定される状況。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/2終値とチャート
3日の国内金価格は0.41%の反落。ゆるやかな短期下落トレンド継続か、9-21日移動平均の間での推移が続くレンジ状態へと移行か。5,120円台のサポートラインで下げ止まるかどうかが分岐点。維持ならレンジへ、下抜けなら下落トレンド継続で目標水準は5,050円台辺り。5,170円の抵抗線を超えた場合には5,230円付近までの反発も。
プラチナは0.54%の反落。ズルズルと下げ止まらない状態となり今年安値を更新、12月26日以来1カ月ぶりの安値水準に。4,950円台は比較的サポートされやすい水準にはあるものの、軟調推移が続くようなら、水平状態の90日移動平均線4,880円台辺りが意識される。その下のサポートライン候補は4,850円。
※参考:金プラチナ国内価格2/3とチャート
- 2015年2月3日(火)時点の相場
-
国内金 : 5,147 円 2/3(火) ▼21(0.41%) 国内プラチナ : 4,956 円 2/3(火) ▼27(0.54%) NY金 : 1,276.9 ドル 2/2(月) ▼1.6(0.13%) NYプラチナ : 1,228.6 ドル 2/2(月) ▼9.6(0.78%) ドル円 : 117.58 円 2/2(月) ▲0.11(0.09%)
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