金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ドル高警戒感vs金利上昇警戒感

更新日:2015年3月20日(金)

FOMCでの景気見通し下方修正とFF金利予想大幅下方修正により醸成されたハト派ムードへの過剰反応を示したマーケットは、前日の流れの巻き戻し。
NYダウは227ドル上昇した翌日に117ドルの反落。米10年債利回りは2.05%から1.92%へと6%超の下落の翌日は1.96%へと2.5%の反発。
ドル円相場も1円20銭、1%超の円高に振れた翌日に60銭、0.5%超のドル高へ。
行き過ぎた流れから半値前後の反発、反落が見られるなか、ユーロドルでは2.5%のユーロ高ドル安の翌日に1.9%のドル高ユーロ安へと75%、4分の3戻し。
NY金相場は終値の時間が異なるため、単純比較は難しいものの、FOMC後の反応で上昇した水準を今朝時点でも維持。つまり、巻き戻しなしの状況。
ユーロは対ドルでやや過剰に反応し過ぎ、NY金相場は過剰反応ではなかった。そう見ることもできそうです。

FOMCの景気見通し下方修正の要因のひとつでもあるドル高警戒感によって、ドル円の反発度合いが制限されたようです。
円よりもユーロのほうが売られやすい現状では、ドル円でのドル高よりもユーロドルのドル高のほうが進行しやすく、その差が反発度合いの差に表れました。

今後も、このドル高警戒感がドル円の上値を押さえる働きをする可能性は高そうです。
その一方で、FF金利予想は下方修正されたとはいえ、利上げが既定路線であることはイエレン議長からも改めて宣言され、年末までには最低でも0.5%以上へと上昇する可能性が極めて高いことも示されました。
米国の政策金利、FF金利誘導目標が上昇することは、確実にドル買い材料となることも動かし難い事実。
最近では日本国内の円安警戒感も意識され、ドル高警戒感が増幅される可能性すらあるドル円相場は、ドル高警戒感と金利先高感とのせめぎあいにより、今後は昨年までのような大きなトレンドは発生し難くなるのではないか、と予想されます。

また、ドル高の流れが弱まるとすれば、逆相関関係が強い金相場にとってはプラス材料となります。しかし、金利先高感は、金利の発生しない金相場にとっては金利上昇警戒感となって大きなマイナス材料に。FF金利予想が下方修正されたといっても、利上げのスタート時期が若干後ずれする可能性があるだけ。利上げペースがゆるやかになるといっても、いずれは長期見通しの中央値3.75%付近まで米ドルの金利が上昇する可能性が高いことに違いはありません。
金相場にとっては、金利上昇警戒感が、ドル高警戒感によってどれだけ緩和されるのか、が今後の焦点の一つとなりそうです。

NY金・日足チャート 2015/2/18 - 3/1919日のNY市場、金相場は1.54%の大幅続伸。前日引け後の急騰水準を維持し、2カ月間続いた下落トレンドも収束方向へ。1,140ドル台が当面の底値となる可能性も。重要イベント通過後、終値ベースでは昨年安値1,142.6ドルを下回らなかった意味は意外と大きいかもしれない。目先は1,180ドルが軽めの抵抗水準に。

NYプラチナ・日足チャート 2015/2/18 - 3/19プラチナ相場は前日比+27ドル(2.47%)の大幅反発。今年最大の上げ幅となり、昨年12月1日の+30ドル(2.5%)に次ぐ上昇率。大底をつけたかどうかの判断はまだ難しいものの、いったんは反発局面を迎えた形。高値となった1,133ドル付近には、今年最高値と最安値の23.6%ライン(1,134.7ドル)が存在し、いきなり抵抗水準となって反落した格好。反発局面継続にはこの水準を超える必要。

ドル円・日足チャート 2015/2/18 - 3/19ドル円は0.56%の反発となり、前日下落分の半値戻し。FOMC後の急落時の安値119円30銭付近からの反発傾向が継続。予想以上のハト派色に過剰反応となった下落分を取り戻すように一時121円台も回復。しかし、流れがやや捻じ曲げられた感もあり、上値の重さも目立ち始めた様子。121円台半ばの抵抗線を超えた場合の上値トライのメドは122円台前半。120円のサポートラインを下回ると119円割れへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/19終値とチャート

20日の国内金価格は0.35%の小幅続伸。方向感はほぼニュートラル状態へ。4,810円から4,900円までが当面の主要レンジとなり、揉み合い状態がしばらく続く可能性も。4900円の大台が重要な節目となり、突破できば地合いは大きく改善。
週間ベースでは+30円(+0.62%)。3週間ぶりの反発。

プラチナは前日比変わらず。水平状態の90日移動平均線の下に、下向きの21日、9日移動平均線が順に並び、さらにその下に価格ラインが位置し、短期トレンドは下向き状態。まずは4,686円の9日移動平均線をクリアできるかどうか。
週間ベースでは-19円(-0.4%)の小幅続落。
※参考:金プラチナ国内価格3/20とチャート

2015年3月20日(金)時点の相場
国内金4,869 円 3/20(金) ▲17(0.35%)
国内プラチナ4,675 円 3/20(金) +-0(0.00%)
NY金1,169.0 ドル 3/19(木) ▲17.7(1.54%)
NYプラチナ1,119.6 ドル 3/19(木) ▲27.0(2.47%)
ドル円120.77 円 3/19(木) ▲0.67(0.56%)

3/19(木)のその他主要マーケット指標

南アランド建てプラチナ相場のサポートライン:13000ランド 3/21(土)

ドル高警戒感vs金利上昇警戒感 3/20(金)

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