金プラチナ短期相場観
金大国ビッグ3、米中ロで世界の3分の1を占める産出量と消費量
更新日:2015年3月17日(火)
2014年の国別金産出量では、ロシアが増産となり、米国をかわして中国、豪州に続く世界3位の金産出国となっています。
世界一の金産出国、中国は前年の430トンか450トンへとさらに増加し、独走状態が続きます。4位に後退した米国も200トン超を維持しており、中国とロシア、米国の3カ国合計では906トンに達し、世界全体の産出量2,860トンの約3分の1を占めます。
この3カ国は産出量が多いだけでなく、消費需要でも上位を占め、中国が2位、米国が3位、ロシアが7位につけ、3カ国合計シェアは33.1%。世界全体の金消費需要の3分の1を占めます。
さらに、中央銀行の金保有量でも上位に位置し、米国は独走状態の1位、近年増加傾向のロシアは6位、7位の中国は数値の信ぴょう性にやや疑問も残り、実際の保有量はもっと多いのではないかとの疑いも。
それでもこの3カ国の2014年末時点での保有量合計は10,396トン。世界全体の産出量の3.6年分、世界の中銀全体の年間買い越し量(2014年:477トン)の約22年分にも相当します。
この金大国ビッグ3に消費需要世界一のインドを加えたビッグ4が、世界の金市場に多大な影響を与える存在となっています。
中国と合わせて世界の金の現物を半分以上買い占めるインドでは、金の輸入規制緩和見送りとなったにも関わらず、2月の金輸入は前年同月比48%増となったようです。
5年ぶり安値水準となった金相場は、バブル期を終えようとしています。足元では米国の金融政策転換期を控え、若干の混乱時期を挟むことになる可能性もありますが、その後、金相場は安定期に向かうことになるのかもしれません。
そうなると、ビッグ4の動向が、金相場に与える影響度も増してくることになりそうです。
16日のNY市場、金相場は0.8ドルの小幅上昇で3営業日続伸。しかし、実質1,150ドル台前半での横ばい推移状態。1,150ドル台を中心とする小幅レンジで、欧州時間まで買われてNY時間にかけて売られる展開が連日繰り返される状況。FOMC後に動き出した場合、反発方向への目安は今年高値からの下落幅に対する23.6%戻しとなる1,180ドル台。下方向には昨年安値1,130ドル。その先は2010年4月安値1,110ドル。
プラチナ相場は7.3ドルの反落で安値更新。金に連れての下押し局面後の戻りが弱い状態が継続。1,100ドルの大台ライン付近に到達したことで、比較的サポートされる可能性も高まるところ。この水準でも下げ止まらない場合、次のメドは2009年7月安値1,080ドル台、同年5月安値1,070ドル台、同4月安値1,060ドル台と続く、1,000ドル台後半の水準が目安に。
ドル円は0.08%の小反落。121円台前半での小動き状態が継続。121円台後半へと水準を切り上げるようなら123円付近を目指す流れが再開する可能性。ドル安円高方向へは120円台半ばまでの下押しの可能性も。黒田総裁会見で多少動きが見られるかどうか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/16終値とチャート
17日の国内金価格はわずかに4円の反発。日本時間19日、木曜早朝のFOMC声明文とイエレン議長会見後に大きく動き出す可能性。下方向へは、当面の下落メドとなっていた4,820円、さらに4,800円、4,750円辺りまでが警戒水準に。上方向には4,900円の抵抗水準、超えると4,950円台を目指す流れへ。
プラチナは0.36%安となり5営業日続落。連日の安値更新もNYプラチナの下げに連れて下げ止まり感もやや後退。目安となる下値メドは4,640円、大台の4,600円辺り。さらにその下には、10月半ばの4,580円近辺、昨年安値4,513円が意識される水準に。上方向には4,750円近辺が目先の抵抗水準。
※参考:金プラチナ国内価格3/17とチャート
- 2015年3月17日(火)時点の相場
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国内金 : 4,843 円 3/17(火) ▲4(0.08%) 国内プラチナ : 4,650 円 3/17(火) ▼17(0.36%) NY金 : 1,153.2 ドル 3/16(月) ▲0.8(0.07%) NYプラチナ : 1,107.9 ドル 3/16(月) ▼7.3(0.65%) ドル円 : 121.33 円 3/16(月) ▼0.10(0.08%)
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