金プラチナ短期相場観
世界的株高進行も景況感は世界的に低調
更新日:2015年4月24日(金)
水曜日に日経平均が15年ぶりに終値ベースで2万円の大台に到達したのに続き、木曜日には米国株でもナスダックが15年ぶりに終値ベースでの史上最高値を更新。中国でも上海総合指数が7年ぶり高値を更新し、台湾でも15年ぶり高値だとか。世界的に株高が進行する状況に伴い、VIX指数は年初来安値を更新しています。一部の株高を支援しているかもしれない原油も上昇し、NY原油は年初来高値を更新しています。
その一方で、ECBの量的緩和に伴うユーロ安にも支援されて高騰が続いていたドイツDAXは、4月10日の過去最高値更新後は軟調推移となって2週間が経過しようとしています。NYダウに至っては3月2日以降、過去最高値を更新できない状態が2カ月弱。
この状況に同調するように、景況感の上昇傾向にも鈍化の兆しが見られ始めています。
昨日発表されたユーロ圏の製造業PMIの4月速報値は5カ月ぶりに鈍化し、3月の52.2から51.9へと低下。ドイツも前月の52.8から51.9へと低下したことが響いているようです。フランスも前月の48.8から48.4へと低下し、こちらは12カ月連続で節目の50割れとなり、ユーロ圏の景況感の足を引っ張る状態が継続中。
ユーロ圏では量的緩和の効果が薄れ始めてきたのかもしれません。
中国のHSBC製造業PMIも2カ月連続低下で1年ぶりの低水準となり、50割れ状態が続きますが、これが逆に追加緩和期待による株高へとつながったようです。
米国の製造業PMIも3月の55.7から4月は速報値で54.2へと低下。50台半ばは世界的に見れば高水準にはあるものの、米国としては1月以来の低水準へと後退。月初に発表されるISM製造業景況指数が半年ぶりに下げ止まるかどうかにも黄色信号。
日本の製造業PMIも3月の50.3から4月速報値は49.7へと低下し、昨年5月以来11カ月ぶりの50割れ。
景気はやや上向き傾向と言われ始めていただけに、ややサプライズ感も。それほど高くはなかった追加緩和期待が再び高まる可能性もありそうです。
23日のNY市場、金相場は0.62%の反発。米3月の新築住宅販売件数が予想を下回ったことをきっかけにドル売りが強まると、金も1,190ドル台へと10ドル程上昇。安値でも14日安値1,183.5ドルとほぼ一致する1,183.6ドルまでで反発して1,190ドル台のレンジ内に回帰した形となり、陽線と陰線が交互に出現するくじら幕が10日間継続するレンジ相場継続か。しかし、流れは下方向へと傾斜しつつあり、下値目標1,150ドル近辺を目指す流れが本格化するリスクも。
プラチナ相場も0.62%の反発。金と同様に陽線と陰線が交互に出現する状態も下げ幅に対して戻りが限定的となり、コンスタントに下値を切り下げる下落トレンド。少し前までのレンジ下限1,150ドル台まで戻すようなら、流れも変わる可能性。現状では1,110ドル割れを目指す流れが継続中。
ドル円相場は4日ぶりの反落で0.27%のドル安円高。反落のきっかけは新築住宅販売件数だったかもしれないけれど、120ドル前後が上値抵抗となったことで120ドル台への本格回復ならず。119ドル台の狭い範囲にレンジを縮小し、月末以降のボラティリティ拡大に向けての準備状態に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/23終値とチャート
24日の国内金価格は前日比わずかに2円高。NY金の下落圧力がやや緩和されたことに対して円安サポートも後退、4,910円のサポートラインが効いてレンジ下限での横ばい状態。90日と21日移動平均線の水平状態に対し、9日移動平均線だけが下降する短期下落トレンド。
週間ベースでも-2円(-0.04%)とわずかに下げて続落。
プラチナは0.3%の続落。円安サポート力が弱まったことで下落トレンドの勢いが収束せず。NYプラチナの軟調とドル円膠着のアンバランス状態が続くようなら、下値余地は拡大。NYプラチナが1,110ドル近辺まで下げた場合には4,600円の大台ラインが意識される可能性も。
週間ベースでは-93円(-1.95%)となり、2週続落。
※参考:金プラチナ国内価格4/24とチャート
- 2015年4月24日(金)時点の相場
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国内金 : 4,921 円 4/24(金) ▲2(0.04%) 国内プラチナ : 4,679 円 4/24(金) ▼14(0.30%) NY金 : 1,194.3 ドル 4/23(木) ▲7.4(0.62%) NYプラチナ : 1,136.7 ドル 4/23(木) ▲7.0(0.62%) ドル円 : 119.57 円 4/23(木) ▼0.33(0.27%)
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