金プラチナ短期相場観
人民元の信用度アップの為に明かされる?中国の金保有量の真相
更新日:2015年4月21日(火)
中央銀行など公共機関での金保有量では、現在世界7位の中国・人民銀行の金保有量の真相が明らかにされるのではないか?と報じられています。
ブルームバーグの記事によれば、現在1,054トンとされている中国の保有量の実態は、その3倍となる3,510トンに増えている可能性がある、としています。
元々、1,054トンという中国の数値は2009年以降変更されておらず、信ぴょう性には疑問がありましたが、ようやくその真相が明かされることになります。
3,510トンという数値が本当なら、中国の金保有量はドイツやIMF、伊・仏・ロシアを抜いて米国の8,134トンに次ぐ世界第2位へと浮上します。
中国では、人民元の信用度を高め、国際通貨としての存在感を確立しようとアジアインフラ投資銀行(AIIB)構想を推し進めており、既に57カ国の創設メンバーが決定し、米国や日本が参加していない現状もとやかく報道されています。
今年見直しが行われるIMFのSDRと呼ばれる通貨バスケット(現在は米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの4通貨)に人民元が加えられるのではないか、とも言われており、実質、世界の主要通貨入りを目指す人民元の信頼性を高めるために、中国としては金の保有量が既存主要通貨発行国並、それ以上であることを公表しようといるのではないかと思われます。
米国中心の世界経済や金融システムに割って入ろうとする中国の実態が、徐々に明らかにされていくに連れて、今後益々中国経済の世界経済への影響度が高まり、世界のマーケットへの影響度も高まっていくことになりそうです。
20日のNY市場は、中国人民銀行の預金準備率引き下げなどを好感した株高・ドル高の流れが進行。これに伴い、金相場はほぼ一方的に下落し、前週末比0.78%の反落。この日も1,209ドルの高値から1,190ドルの安値まで、レンジ上限から下限までの下落となり、レンジ幅目一杯の上下動が1週間以上継続中。レンジ下限付近に位置する現状からは、再び1,200ドル台へと反発する可能性が極めて高いことにはなるが・・・。下方向に動き出した場合には1,160ドル付近までの下落余地、上方ブレイクなら1,230ドル台へと急騰の可能性も。
プラチナ相場は4日ぶりの反落で1.6%の大幅安。堅調気味に見えた状態でも1,170ドル台の抵抗水準に上値を押さえられ続けたことで流れが変わった可能性。1,150ドルの下限を小幅ながらも下抜けたことにより、売り傾向が強まる状況へ。保ち合い状態のなかでの行き過ぎでなければ下値目標水準は1,110ドル近辺まで。
ドル円相場は7日ぶりの反発となる0.21%の上昇で119円台を回復。118円90銭のサポートラインは相当堅かった様子で、一時的には何度も下抜けながらもしっかりとこの水準に戻し、今朝も119円台前半での堅調推移。結局6日続落で短期的な円高クライマックスを迎えた形となったことで、今後ゆっくりと円安方向へと流れが変わる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/20終値とチャート
21日の国内金価格は0.49%の反落。NY金の値動きに合わせて上下動する状態に。方向感はわずかに下方向で4,900円近辺までの下げ余地。NY金が下方向へと動き出した場合には追随する動きとなり、第2目標水準として4,850円近辺も。逆に上方向に動き出した場合には5,000円台再トライの可能性も残る。
プラチナは1.52%の大幅反落。前日の大幅上昇により上方向への流れが加速したかに見えたのはダマシに終わり、今度は下方向へと大きく切り返す荒い値動きで流れも下方向へと引き戻されつつある様子も。当面の下値余地は4,700円。
※参考:金プラチナ国内価格4/21とチャート
- 2015年4月21日(火)時点の相場
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国内金 : 4,917 円 4/21(火) ▼24(0.49%) 国内プラチナ : 4,737 円 4/21(火) ▼73(1.52%) NY金 : 1,193.7 ドル 4/20(月) ▼9.4(0.78%) NYプラチナ : 1,148.8 ドル 4/20(月) ▼18.7(1.60%) ドル円 : 119.15 円 4/20(月) ▲0.26(0.21%)
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