金プラチナ短期相場観
米景気回復の足かせ、ドル高継続か反落か
更新日:2015年4月25日(土)
3月の耐久財受注が発表され、変動の大きい輸送関連を除く受注額では事前予想の前月比+3%を大きく下回る-0.2%に。さらに2月分も-1.3%へと下方修正され、6カ月連続のマイナス。これで3月分までの主要経済指標がほぼ出揃い、雇用統計の大幅鈍化、小売売上高も低調、住宅着工件数も新築住宅販売件数の伸びも鈍化、製造業景況指数も低調。4月分の数値も出始め、NY連銀製造業景気指数、マークイットの製造業PMIも減速。
米国の景気回復基調の鈍化が鮮明となっています。寒波の影響などが完全に払拭されるはずの4月以降の数字は上向き始めることも予想されますが、もうひとつ大きな足かせ、ドル高の動向も気になるところです。
米ドルの総合的な強弱度合いを示す、ドルインデックスの推移を見ると、3月16日にピークとなる100超えとなって以降は高値揉み合い状態が続いています。4月に入ると13日に一時100にタッチしただけで、高値更新の兆しは小康状態となり、若干水準を切り下げる傾向に。
また、中期トレンドを示す50日移動平均線を昨年7月に上抜けてドル高の流れが加速して以来、9カ月ぶりに50日移動平均線を割り込もうとしています。終値でこのラインを下回ったことで、ドル安方向へと加速するのか、再び反発してドル高基調が続くのか、分岐点にさしかかっています。
ドル高の流れが一方的に進んできたことによる悪影響が見られた最近の経済指標も、現在のドル高一服状態継続か、もしくはもう一段のドル高緩和傾向へと向かえば、回復傾向へのサポート材料となるものと思われます。ドル高の緩和により、経済指標が上向けば、FRBにとっては利上げに向けた確信材料となり、市場にとっては再びドル高材料。この対立関係がどの水準で折り合うかが、今後の注目点となりそうです。
24日のNY市場、金相場は1.62%の大幅反落。週末のポジション調整にFOMCへの警戒感、株高の流れ、既に軟調推移となっていたこと、それなりの下落幅が見込まれる兆しが見られていたことに加え、前日安値と14日安値1,180ドル台前半を下抜けたことによるストップロス絡みの急落で1,170ドル台へ。3月19日以来5週間ぶりの安値水準まで下落したことにより4月の月間値幅は50ドルを超え、変動率は4.26%に拡大。「月間変動率4%未満なら翌月のNY金相場は大幅下落」のアノマリーを回避したことで、5月の大幅下落の確率は若干低下したことに。ただし、当面の下値目標水準1,150ドル近辺まで、もう一段の下落余地。
週間ベースでは-28.1ドル(-2.34%)で続落。
プラチナ相場も1.35%の大幅反落。金に先行して大幅下落への兆候が出始めていたのは2週間前、4月前半のサポートライン1,150ドルを一時的に大きく割り込んだ13日。この時の下値メド1,120ドル近辺に現時点でようやく到達。いったん反発の動きをはさんだことで流れが変わるかとも思われたものの上値も重く、再び1,150ドルを割れたのが1週間後の20日。この時は終値でも1,150ドルを回復できなかったことで本格的な急落フェーズの兆しとなり、下値目標水準は1,110ドル近辺へと拡大。そしてその週末に3月31日以来となる1,110ドル台まで下落。終値では1,120ドル台に戻しており、若干の下げ余地を残す。金の下落に連れ安となれば、1,110ドル割れ水準へ、さらには今年最安値1,100ドル割れへの警戒感も高まる状況。
週間ベースでは-46.1ドル(-3.95%)の続落。
ドル円相場は0.54%の続落。119円台前半から半ばでの揉み合い状態から、米3月の耐久財受注の輸送用機器を除く数値が低調となったことをきっかけにドル売りが進行。10年債金利の低下とともに119円割れへ。しかし、118円90銭は4月に何度も下抜けトライに失敗してきた強めのサポートライン。月末イベントを経てボラティリティ急拡大なら、サポートライン割れの可能性も。その場合の下値メドは116円台後半。円安ドル高方向へと120円の上限超えなら、今年高値トライも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/24終値とチャート
- 2015年4月25日(土)時点の相場
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国内金 : 4,921 円 4/24(金) ▲2(0.04%) 国内プラチナ : 4,679 円 4/24(金) ▼14(0.30%) NY金 : 1,175.0 ドル 4/24(金) ▼19.3(1.62%) NYプラチナ : 1,121.4 ドル 4/24(金) ▼15.3(1.35%) ドル円 : 118.92 円 4/24(金) ▼0.65(0.54%)
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