金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

安定したドルに底堅さを増す金、弱さが消えないプラチナ

更新日:2015年6月19日(金)

イエレンFRB議長が「おおむね安定したように見える」と言ったドルは、ドルインデックスで見ると、5月1日の95付近から16日の100.72まで急騰したのがピークで現在は94辺り。高値からは6-7%下落。5月末にはこの水準に達し、6月は93から97台までのレンジで揉み合い状態となっています。
FOMC前後の乱高下を経て、とりあえず落ち着き始めているドル円相場は、5月半ばからの急騰で6月5日に125円80銭台の高値をつけて反落、現在は急騰幅の50%戻しラインとなる122円半ばから38.2%戻しの123円台前半辺りまでの水準で揉み合う展開となっています。

5月前半に1232ドルまで上昇していたNY金相場は、5月後半のドル円急騰に伴う下落で6月5日の1162ドルまで下落して反発、現在は50%戻しラインの1197ドルから61.8%戻しとなる1205ドルまでの間での推移となりつつあります。

5月1日から6月18日までの騰落率推移を見ると、この1カ月半の上昇率では、ドル円もNY金も+2.3%と全く同一となっています。変動率ではドル円の5.4%に対してNY金は5.1%。
今年の日々の平均変動率ではドル円の0.8%に対してNY金は1.45%。通常、平均的に金の変動率がドル円を大きく上回ります。
この1カ月半に限っての逆転現象は、ドル円の行き過ぎた上昇か、もしくはNY金の底堅さを示していることになります。

なお、NYプラチナ相場のこの1カ月半の騰落率は-4.2%と大きく出遅れ。変動率も9.4%と突出しています。
今年の日々の平均変動率でも1.71%と金をやや上回りますが、この1カ月半に限っては倍近くの変動率に拡大しています。

「おおむね安定」に向かいつつあるドルに対して、底堅さが見え始める金、6年ぶり安値圏での推移が続き、弱さが消えないプラチナは、かなり行き過ぎの状態となっています。

NY金・日足チャート 2015/5/19 - 6/1818日のNY金相場は2.14%の大幅反発。FOMCの結果を受けたドル売りの流れが欧州時間にかけて再加速したことを受けて上値を伸ばす展開。レンジ上限となっていた1190ドルラインを一気に突き抜けると、5月22日以来4週間ぶりとなる1200ドルの大台乗せ。2%超の大幅反発となるのも5月13日以来5週間ぶり。6月前半のレンジ相場からの急上昇で流れも上向きへ、目先の上値メドは1220ドル近辺。

NYプラチナ・日足チャート 2015/5/19 - 6/18プラチナ相場は6日ぶりの反発で0.94%の上昇。金に連れ高となって一時1096ドルまで上昇も、この水準を維持できないのがプラチナ相場の現状を象徴。1090-1100ドルの重要サポートラインが早速レジスタンス化してしまった形で反落すると、FOMC直後の反発水準1080ドル近辺まで押し戻される展開に。結果的には南アランド建てプラチナ価格が13,200ランドを割り込んだことでいったん反発した形となったものの、1060ドル近辺までの下値余地を抱える状態は継続。

ドル円・日足チャート 2015/5/20 - 6/18ドル円は0.38%の反落。5日続いた123円半ば水準からコンスタントに下値を切り下げる展開となり、6月10日安値と同水準となる122.40銭台まで下落すると、新規失業保険申請件数の減少や6月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数の上昇なども支援材料となって123円付近まで反発。6月安値122円40銭台のサポートラインでダブルボトムを形成し、反発への可能性を残す状態。123円台半ばの抵抗線を超えると124円台半ばまでの上昇も。しかし、円高加速で122円半ばを割れるとやや大幅調整の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/18終値とチャート

19日の国内金価格は39円、0.77%の続伸。円安サポートに代わり、NY金の反発にサポートされて6月3日以来、半月ぶりの高値水準へ。5020円から5040円までの小幅レンジも上抜け、半月間のゆるやかな下落トレンドを脱出。6月高値5101円にやや抵抗感はあるものの、ここを抜けると5130円台辺りが目標水準に。
週間ベースでは+54円(1.07%)、3週間ぶりの反発。

プラチナは0.11%の小反落。NYプラチナのサポートを得られない状況では反発基調も続かず。現在の水準は3月安値4576円、4月安値4596円、6月安値4599円でトリプルボトムを形成し、今年の底値水準としてサポートラインとなる可能性もあるものの、もし耐え切れない場合には今年安値更新へと大幅下落の可能性も。
週間ベースでは-110円(2.33%)の大幅安となり、4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/19とチャート

2015年6月19日(金)時点の相場
国内金5,084 円 6/19(金) ▲39(0.77%)
国内プラチナ4,609 円 6/19(金) ▼5(0.11%)
NY金1,202.0 ドル 6/18(木) ▲25.2(2.14%)
NYプラチナ1,082.8 ドル 6/18(木) ▲10.1(0.94%)
ドル円122.96 円 6/18(木) ▼0.47(0.38%)

6/18(木)のその他主要マーケット指標

歴史的高値水準と歴史的安値水準 6/20(土)

安定したドルに底堅さを増す金、弱さが消えないプラチナ 6/19(金)

6月FOMC後も年内利上げに向けての不透明感継続 6/18(木)

米住宅着工件数の長期推移 6/17(水)

6月のNY連銀製造業景気指数はまた悪化、第2四半期も低下傾向継続 6/16(火)


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