金プラチナ短期相場観

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米住宅着工件数の長期推移

更新日:2015年6月17日(水)

米住宅着工件数の長期推移 2015年5月米商務省発表の米5月住宅着工件数は、年率換算で103.6万件となり、予想の109万件を下回り、4月の116.5万件からも低下し、前月比-11.07%となりました。前月から大幅減となったのだから、あまり良くはないのだろう、との見方もできそうですが、そうでもなさそうです。

上下動の激しいこの指標の長期推移を、着工件数の6カ月平均と、前月比増減率の12カ月平均を合わせて見ると、最近の米住宅市場の傾向が少しは見えてきそうです。
住宅着工件数の前月、4月の116.5万件という数値は2007年11月以来、7年5カ月ぶりの高水準となっていました。5月にはその反動減が予想され、実際にはそれ以上の反動減となった、という状況です。
この着工件数については、チャートを見ると一目瞭然ですが、リセッション前の2000年代半ばまでの水準には大きく及びません。
2004-2005年頃には200万件以上に達していたのに対し、最近では、昨年9月にようやく6カ月平均で100万件に到達。ようやくピーク時の半分程度まで回復したところです。ケースシラー住宅価格指数がピーク時に及ばないものの回復傾向にあるのと同じような推移となっています。

それでも2009年から2011年までの底値圏、60万件程度の水準を脱した2012年以降は、現在に至るまで着実に上昇傾向が続いており、回復基調が進行中であることを示します。2009年以降のゼロ金利政策による住宅ローン金利の低下、QEシリーズ政策による景気刺激策の効果が表れている状態と言えそうです。

また、前月比増減率の推移を見ると、2000年代半ばまでの水準を完全に取り戻し、当時は12カ月平均でも0%を下回るケースも多々見られたのに対し、2012年から2014年半ばまでは0%を下回ったことは1回もなく、ほぼ+2%前後の高水準となっていました。

12カ月平均の足下での若干の鈍化傾向が気になるところですが、先行指数となる建設許可件数は+11.8%の127.5万件となり、2007年8月以来の高水準。昨年7月以降、100万件超の好調を維持している状況にあります。
住宅市場の回復傾向もそこそこ順調に進んでいる今のうちに、早めに利上げスタートしておきたい、とFRBが考える根拠の一つとなり得る状況のようです。

NY金・日足チャート 2015/5/15 - 6/1616日のNY金相場は0.41%の反落。FOMC待ちの様子見による小動きのなか、ややタカ派寄り声明文を警戒する向きが若干優勢の模様。1170ドル台半ばから1190ドルまでの小幅レンジでの推移が続き、ブレイク目前の様相。下方向には1150ドル近辺、上方向なら1210ドル近辺までは即日変動の可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2015/5/15 - 6/16プラチナ相場は0.81%安となり、4日続落。1090ドルのサポートライン割れによる下値目標1060ドルを目指す流れが継続。ギリシャのデフォルト懸念による欧州景気への影響がディーゼル車の触媒需要減少懸念にもつながり、プラチナ安の背景の一つとなっており、軟調推移から反転しきれない状況。1110ドル台が当面のレジスタンスライン。南アランド安がやや小康状態となってきたことで、南アランド建てプラチナ価格が16日時点で13,356ランドまで下落。最近のサポートライン13,000ランド台前半に達しており、そろそろ下げ止まりの可能性も。

ドル円・日足チャート 2015/5/18 - 6/16ドル円は3日連続で前日比0.1%未満の小動きとなり、4日連続同一水準。午前中の黒田日銀総裁の釈明発言に123円80銭まで上昇も瞬間的。今更釈明されても2円下げた水準を元に戻すことは不可能、であることを見越した意図的な発言だったか。FOMCでのFF金利見通しドットチャートで2015年末予想中央値が0.5%以上であった場合、年内1回以上の利上げが確実視されることになるものの、0.75%未満なら125円50銭台の高値更新は難しいのでは?いったん材料出尽くしで122円台半ば割れで120円台半ばまでの調整局面入りとなる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/16終値とチャート

17日の国内金価格は前日比-15円の小幅反落。5020円から5040円までの小幅レンジでの横ばい推移状態が継続もやや下押し圧力優勢の状況は変わらず。FOMCを経て極端な流れとならない限り、いったん5000円の大台割れ、4980円台辺りまでの調整余地継続見込み。レジスタンスは5060円台。

プラチナは0.84%安となって5日続落。4月安値4596円とほぼ同水準、下げ止まらないNYプラチナに足を引っ張られる状態が継続。今年安値4576円が意識されると同時に、この辺りがサポート水準となる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格6/17とチャート

2015年6月17日(水)時点の相場
国内金5,024 円 6/17(水) ▼15(0.30%)
国内プラチナ4,599 円 6/17(水) ▼39(0.84%)
NY金1,180.9 ドル 6/16(火) ▼4.9(0.41%)
NYプラチナ1,079.8 ドル 6/16(火) ▼8.8(0.81%)
ドル円123.36 円 6/16(火) ▼0.05(0.04%)

6/16(火)のその他主要マーケット指標

6月FOMC後も年内利上げに向けての不透明感継続 6/18(木)

米住宅着工件数の長期推移 6/17(水)

6月のNY連銀製造業景気指数はまた悪化、第2四半期も低下傾向継続 6/16(火)

国内金価格が5000円台を維持できるかどうかは為替次第 6/15(月)

ミシガン大学消費者信頼感指数と政策金利の長期推移 6/13(土)


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