金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

6月FOMC後も年内利上げに向けての不透明感継続

更新日:2015年6月18日(木)

米FOMCでの政策金利予想ドットチャート 2015年6月連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策を現状維持。声明文では、経済状況としては「冬場に鈍化」した状況から「緩やかに拡大」へと上方修正。労働市場では「労働資源の活用不足がいくらか減少」し、家計支出の「伸びはゆるやか」で、住宅部門は「やや改善」、長期的なインフレ期待の指標は「引き続き安定」など、緩やかな改善傾向を示す見方に。

スタッフ予想によるPCEインフレとコアPCEインフレは前回から変わらず、それぞれ0.6-0.8%、1.3-1.4%となったものの、GDP見通しの中央値は2015年末が2.3-2.7%から1.8-2.0%へと大幅下方修正、失業率は5.0-5.2%から5.2-5.3%に上方修正。
さらに、FF金利見通しでも2015年末中央値こそ0.625%と前回から変わらなかったものの、平均値では0.772%から0.566%へと低下し、2016-2017年は中央値でも平均値でも引き下げ、とややハト派イメージの強い内容に。

また、イエレン議長の会見では、「この一年でドルは著しく上昇」し、「ドル高は経済見通しに影響する一要因」とけん制しながらも「ドルはおおむね安定したように見える」とし、「年内の利上げの可能性はあるが、確固たる保証なし」だから「利上げのタイミングを過大評価すべきでない」し、「最初の利上げに注目し過ぎ」と、利上げ後のペースを重視するFRBと、スタート時期に注目する市場とのギャップを懸念。

そのFRB内部では、利上げスタート時期を軽視しているせいか、見方に大きなギャップがあります。
2016年に先送りすべきと考える人が2名、年内に1回だけ利上げすべき(できるだろう)と考える人が5名、年内に2回の利上げを見込む人が5名、1回か2回のどちらかだろうと迷う人が5名。2015年も残り6カ月となった現状にもかかわらず、見解は分かれます。
9月か12月か、そのヒントがこのドットチャートに示されるだろうと見ていた市場の期待を裏切るドット配置となりました。

不透明感継続となった市場は、再び主要経済指標の結果に一喜一憂する日々が続くことになりそうです。
9月のFOMCでは、浮動層5名が鍵を握ることになりますが、その動向が反映されたドットチャートが公開されるタイミングでは、既に答えが出ていることになります。

NY金・日足チャート 2015/5/18 - 6/1717日のNY金相場は0.35%の小幅続落。FOMC前にタカ派寄りの内容を織り込む形でドル買いが急速に進行した割には金の下げ幅は限定的。その結果、FOMCでの経済見通しや金利見通しがハト派寄りとなったことによる反発も限定的に。1170ドル台前半まで下げた後、FOMC直後に1180ドル台後半まで上昇、今朝時点では1180ドル半ば前後に落ち着き始めた様子。1170ドル台半ばから1190ドルまでの小幅レンジ推移継続へ。

NYプラチナ・日足チャート 2015/5/18 - 6/17プラチナ相場は0.66%安で5日続落、6年ぶり安値水準での軟調推移が継続。金に連れ安となった場面では一時1170ドル割れ目前まで下落し、FOMC後には1080ドル台半ばまで反発。今朝時点では再び1080ドル割れをうかがう水準に。1100-1090ドルの重要サポートライン下抜けに伴い、下押し圧力優勢の状況が継続、短期的には1060ドル近辺まで、もう一段の下落も見込まれる状況。しかし、南アランド建てプラチナ価格は13,200ランドを割り込みつつあり、いつ反発してもおかしくない水準に到達。

ドル円・日足チャート 2015/5/19 - 6/17ドル円は終値ベースでは5日連続同一水準。FOMC前の楽観見通しがやや過ぎた感もあり、124円40銭台まで1円超のドル高円安となったところでハシゴを外された形。長い上ヒゲを残しつつも123円台前半での底堅さも見られる状況。しかし、円安材料が見込めない日銀金融政策決定会合や、ギリシャのデフォルトリスクも懸念されるユーロ圏財務相会合など、円高材料となりかねないイベントが続くこともあり、目先は122円台半ばのサポートラインまでのレンジ推移が有力か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/17終値とチャート

18日の国内金価格は前日比+21円の反発。5020円から5040円までの小幅レンジをわずかに上抜けようかという動きとなり、緩やかな下落トレンド脱出の可能性も。このまま5060円台のレジスタンスを突破するようなら、トレンド転換へ。ただし円安一服感が高まる状況のなかでは大きなトレンド発生は見込めず、下方リスクもまだ残る状況。

プラチナは6日ぶりの反発で0.33%の上昇。4月安値と同水準となった4590円台後半が当面のサポートラインとなって、いったんは下落トレンドに区切りをつける可能性も。しかし、NYプラチナの下げ止まりが確認できていないこと、円安圧力後退により、下値警戒感も払拭し切れず。
※参考:金プラチナ国内価格6/18とチャート

2015年6月18日(木)時点の相場
国内金5,045 円 6/18(木) ▲21(0.42%)
国内プラチナ4,614 円 6/18(木) ▲15(0.33%)
NY金1,176.8 ドル 6/17(水) ▼4.1(0.35%)
NYプラチナ1,072.7 ドル 6/17(水) ▼7.1(0.66%)
ドル円123.43 円 6/17(水) ▲0.07(0.05%)

6/17(水)のその他主要マーケット指標

安定したドルに底堅さを増す金、弱さが消えないプラチナ 6/19(金)

6月FOMC後も年内利上げに向けての不透明感継続 6/18(木)

米住宅着工件数の長期推移 6/17(水)

6月のNY連銀製造業景気指数はまた悪化、第2四半期も低下傾向継続 6/16(火)

国内金価格が5000円台を維持できるかどうかは為替次第 6/15(月)


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