金プラチナ短期相場観

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中国の製造業PMI低下は想定の範囲内、米国のPMI鈍化も想定内?

更新日:2015年9月1日(火)

NY・フィラデルフィア・シカゴPMIの推移 2015年8月今朝発表された中国の製造業PMIは、国家統計局発表値でも節目の50割れとなり、財新発表値では速報値から上方修正も47.3と2009年来の低水準。10日ほど前の財新速報値の大幅下振れが、世界同時株安の流れ加速へのトリガとなったこともあり、今朝も警戒感は高まっていたようですが、市場予想の範囲内となったことで一安心・・・ともいかず、相変わらず上海株の下げはきつく、4%前後の下落となっています。
日本株の連れ安傾向も相変わらずで一時450円超、前日比2.4%の下落となり、これに伴い為替もリスク回避の円高進行でドル円は120円台半ばへ。中国株への連動状態からなかなか抜け出せない状況が続きます。結果的には、またしてもPMIがきっかけに。

月末月初に発表されるPMIのなかでは、中国製造業PMIが最も警戒される指標となるなか、米国でも各地区の製造業PMIが発表され、こちらもなかなかの低調ぶりを示しています。
8月分の製造業景況感の指数としては、既に発表されているNY連銀、フィラデルフィア連銀に続く主要地区のひとつ、シカゴのPMIが昨日発表され、予想をわずかに下回る54.4となっています。50割れから50前後で低迷した今年前半からはやや持ち直しつつあるものの、昨年の60近辺での推移からは一段切り下がった状態です。(※チャート上は50を0に換算して表示)
8月分が想定以上に悪化し、6年ぶりの低水準となったNY連銀の指数と、小幅反発したフィラデルフィア連銀の指数と、3地区の平均値を合わせてチャート化してみると、2013年から2014年にかけてはゆるやかに上昇傾向と好調を示し、2015年には2013年の水準を下回る低調ぶりを示しています。

主要3地区以外でも、ミルウォーキーの購買部協会景気指数も予想の50に対して47.67と下振れ、ダラス連銀の製造業活動指数は予想を大幅に下回る-15.8となり、5月以来の最低水準へと鈍化しました。
本日発表される全米のISM製造業景況指数も50台前半そこそこでの低調な状態継続が予想されます。

中国ほど悪化はしていないものの、今年に入っての米国の景況感鈍化状態も続いています。
それでも利上げへの思惑はそれほど鈍化していない状況のようです。

NY金・日足チャート 2015/7/31 - 8/3131日のNY金相場は0.13%の小幅反落。9月利上げを意識しての小幅ドル高の流れに伴い、やや軟調推移も米8月のシカゴPMI他、各地区のPMIが軒並み低調となったことなどもあり、サポートライン1120ドル手前ではしっかりと反発。しかし上値も1130ドル台半ばまでと限定的。上昇傾向の21日移動平均線に下値をサポートされ、ゆるやかに下落する90日移動平均線に上値を押さえられる三角保ち合い傾向でレンジ縮小中。
月間ベースでは+37.6ドル(3.43%)となり、3カ月ぶりの反発。

NYプラチナ・日足チャート 2015/7/31 - 8/31プラチナ相場は4日ぶりの反落で1.1%の大幅安。一時995ドルまで下げて1010ドル台へと反発するやや荒い値動きとなり、1000ドルの大台での足場が固まり切らないなかでも長めの下ヒゲを残す反発力も示唆。1020ドル台半ばをしっかり超えるようなら1050ドル台辺りまで水準を切り上げる可能性も。
月間では+25.5ドル(2.59%)となり、1月以来、7カ月ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2015/7/31 - 8/31ドル円は0.1%の小幅ドル安円高となり、5日ぶりの反落。121円台前半での小康状態が続き、下値は複数の節目が集中する120円台後半でしっかりとサポートされた状態。しかし、株高ドル高方向への反発基調は失速し、戻り売り圧力が高まる状況へ。121円台半ばが上値抵抗水準となり、いったん調整方向優勢か。
月間ベースでは-2.69円(2.17%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/31終値とチャート

1日の国内金価格は0.21%の小幅高となって3日続伸。反発基調の失速は想定どおり。NY金の小動きと円安基調の小幅巻き戻し状態とのバランス均衡状態に入り、しばらくは動き難い状態継続か。NY金が上方向に振れるようなら少しづつ上値トライ進行の流れへ。

プラチナは0.57%安となって4日ぶりの反落。急反発が続いたなかでは適度に必要な調整局面。4250円から4300円までの水準は8月半ばの揉み合い形成水準でもあり抵抗帯となりやすく、その手前、4230円が目先の抵抗水準に。NYプラチナが1000ドルの足場固めを終えて上値を伸ばす展開となれば、国内価格も上値トライ再開へ。4240円台到達なら加速の可能性が高まり、7月半ばの高値水準4400円台も視野に。
※参考:金プラチナ国内価格9/1とチャート

2015年9月1日(火)時点の相場
国内金4,734 円 9/1(火) ▲10(0.21%)
国内プラチナ4,206 円 9/1(火) ▼24(0.57%)
NY金1,132.5 ドル 8/31(月) ▼1.5(0.13%)
NYプラチナ1,010.5 ドル 8/31(月) ▼11.2(1.10%)
ドル円121.22 円 8/31(月) ▼0.13(0.10%)

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