金プラチナ短期相場観
大荒れの1週間を経て反転し始めたリスク資産とプラチナ、金も?
更新日:2015年8月28日(金)
中国リスクへの警戒感の高まりとともに大荒れとなったこの1週間の金融市場。
NYダウの今年の前日比騰落率は絶対値で0.69%、平均121ドルの上下動。平均の3倍以上となる2%超の値動きとなったのは今年ここまで合計5日のみ。358ドル、2.06%下落した8月20日以降にその全ての日が集中しています。21日と24日には500ドル超、3%超の下落となり、26日には平均の5倍となる600ドル超、3.95%の反発。27日も2.27%の続伸となりました。
週間ベースの高値と安値の差、変動幅で見ると、NYダウの今年の平均は474.56ドル、2.68%となっています。平均の2倍以上の値動きとなったのは今年3回。うち1回は2月の5.32%、残り2回は先週8月17日からの週の1108.85ドル、6.35%と今週木曜日までの1296.36ドル、7.88%。週間変動率が6%を超えたのは2012年以降でもこの直近2週間のみ。
日欧の株価も含め、ここ数日間の大荒れ状態を経て、反発基調へと向かい始めた様子です。
9月利上げ先送り観測が優勢となるなかで、米4-6月期GDP改定値が大きく上方修正されたこともあり、リスクオンへの反転を促した形です。
米国の景気回復基調を追い風に安値トライが続いていたNY原油も10%超もの大幅反発となっています。
これに追随するように、NYプラチナ相場も安値圏ながらも反発基調へと転じるような動きとなっています。中国株の反発に伴う中国不安の緩和とも相まって、需要増への期待感の高まりも追い風となっていそうです。
さらに、これに追随するようにNY金相場にも底堅さが見え始め、ここまで4日続落ながらも今朝には反発傾向の兆しも見え隠れ。リスク資産に追随しそうな、異例の展開も。
2年前の米量的緩和縮小開始前には、金融引締めフェーズが間近に迫る、との思惑から大きく売られた金は、その次には利上げフェーズ開始時期はいつか?という市場テーマに弱含む状態が続きました。そして、利上げ先送り、前倒し観測の繰り返しを経ながら利上げへの織り込みが進み、利上げペースはかなりスローペースになるということも刷り込まれていきました。
最近では、金融政策正常化のためにとりあえず1回は利上げしておいきたいが、それをいつ行うか、というトーンに弱まりつつある状況に、金の売り圧力もかなり後退しつつある状態なのかもしれません。
ただ単に、この1週間ほどの市場の大混乱末期の乱高下状態に過ぎない、可能性も今のところは否定できませんが。
27日のNY金相場は0.18%の小幅安で4日続落。上海株+日米欧の株価反発の流れを受けての下押し圧力に加え、米4-6月期GDP改定値の大幅上方修正にも関わらず下げ幅は限定的に。9月利上げ観測後退ムード優勢の状況に変化が見られないこと、米景気回復に伴う需要増を見込んだ原油やプラチナの反発などにもサポートされた様子。安値は1110ドル台後半までで反発し、重要水準1110ドルを維持する状況。リスク回避後退で耐える時期到来となるなかでは意外と底堅い!?
プラチナ相場は2日続伸となり、2.63%の大幅高。970ドルの下値メド到達で下押し圧力消化済の状態となっていたこともあり、中・欧・米株の大幅反発と予想外の米GDP大幅上方改訂を好感し、素直に買われた形。9-21日移動平均線をまとめてゴールデンクロスし、上値トライへの流れ示唆も、目先は1030ドル台と970ドル台が上下の節目となり、前回短命に終わった1000ドルの大台回復状態を維持できるかどうか。
ドル円は連日の0.9%高となり3日続伸。8月12日高値125円20銭台から24日急落の底値116円10銭台までの半値戻し(120.73)を超え、同水準にあった200日移動平均線とダブルトップのネックラインも合わせて突破、反発傾向が続く展開。次の目安は61.8%戻しとなる121円80銭。しかし、そこまで到達したとしても24日の急落直前の水準122円06銭にも届かない。3日以上かけても1日の急落分を取り戻せない状態でもあり、戻り売りへの警戒感も高まる水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/27終値とチャート
28日の国内金価格は0.88%の大幅高で5日ぶりの反発。前日とは逆に円安サポートを受けて今年安値圏からの脱出を試みる展開へ。21日の4900円から27日の4653円までの急落幅に対する23.6%戻し4711円にもまだ届かない状況。反発基調と言える目安としては38.2%戻しとなる4747円、4750円近辺を早めに回復したいところ。円安方向への反発余地がまだ十分に残され、NY金の弱さはそれほどでもない、という現状が変わらないうちに。
週間ベースでは-206円(4.2%)の大幅安で4週間ぶりの反落。
プラチナの反発は金に先行し、2.52%の大幅続伸。急速に下げ過ぎた分だけ大幅反発となり、21日の4383円から今年安値となった26日の4026円までの下げ幅に対して、半値戻しの4205円も目前。反発基調一段落ともなりやすい水準ながら、円安基調とNYプラチナの堅調推移の兆しにサポートされて地合い好転間近。上値の目安は61.8%戻し4247円、8月半ばの揉み合い形成水準4250-60円辺りも。
週間ベースでは-186円(4.24%)、3週間ぶりの大幅反落。
※参考:金プラチナ国内価格8/28とチャート
- 2015年8月28日(金)時点の相場
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国内金 : 4,694 円 8/28(金) ▲41(0.88%) 国内プラチナ : 4,197 円 8/28(金) ▲103(2.52%) NY金 : 1,122.6 ドル 8/27(木) ▼2.0(0.18%) NYプラチナ : 1,006.0 ドル 8/27(木) ▲25.8(2.63%) ドル円 : 121.01 円 8/27(木) ▲1.12(0.93%)
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