金プラチナ短期相場観
50年に一度、100年に1回、想定外・・・
更新日:2015年9月12日(土)
鬼怒川の堤防決壊のニュースはあまりにもショッキングでした。鬼怒川の横に、まるで巨大なアマゾン川が突然出現したかのような映像には、事態の深刻さと自然災害の恐ろしさを改めてまざまざと見せつけられました。被害に遭われた方々、関係者の方々には、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復旧が進むことをお祈り申し上げます。
50年に一度の大雨、100年に1回起きるかどうかの災害、想定外の集中豪雨、過去に経験したことのないような・・・、そんなフレーズを耳にする機会が最近めっきり増えたように感じます。時代が変わって気候も変わり、もう既に以前のような常識は通用しない時代となってきたようです。通常時のリスク管理、いざという時の為に最悪の事態を想定しておくこと、そしてそれに備えておくことの重要性を改めて痛感させられます。
金融市場の混乱も落ち着きを見せ始めてきたとは言え、今回の世界同時株安はこの先、訪れるであろう数十年に一度の危機のサインだ、と危機感を煽るような見方も一部では存在するようです。
確かに今年前半までは過去最高値や数十年ぶり高値を更新し続けた株価は、この夏をさかいに反落すると、過去最大の下げ幅や、下落率を記録したり、反発局面では数十年ぶりの上げ幅となるなどの乱高下ぶり。それ以前から、商品市場や為替市場でも過去最安値、数年ぶり、数十年ぶり安値更新などが続出しています。
そんな混乱の根源とも言える、米国の利上げが現実となるかどうか、最初の関門が次週、訪れることになります。
利上げでアク抜け、見送りなら不透明感継続で市場の混乱も継続、利上げ事態が大失敗・・・様々な見方が乱立するなかでのFOMCの動向には、否が応でも注目が集まります。
今回のFOMCでの利上げ実現の可能性はかなり低めとなってはいるものの、決してゼロではありません。もし、今回利上げが行われたからといって、金融市場が数十年ぶりの大混乱に陥るとは、とても想定できませんが、時代も変わって金融市場の常識も変わりつつある時代です。
こんな時こそ、最悪のケースを想定して備えておくことの重要性が問われることになりそうです。
11日のNY金相場は0.54%の反落。FOMCを控えての警戒感も高まるなか、戻り売り優勢の流れとなり、一時8月11日以来1カ月ぶりの安値水準となる1097ドルまで下落。下値メド1100ドル割れ水準に完全到達したことで短期的な下落局面は一服。下値警戒感が継続するなかで、あらためて続落か反発かの節目を形成する形で1100ドルから1110ドルの小幅レンジでの保ち合い状態へ。下落基調再開で1100ドル割れなら1080ドル前後の今年安値圏へ。切り返して1110ドル超えなら1130ドル台あたりまでの上昇余地。
週間ベースでは-18.1ドル(1.61%)で3週続落。
プラチナ相場は1.66%の大幅下落。1000ドルの大台ラインが抵抗線となるどころか距離を拡大し、8月後半の安値水準980ドル付近を突き抜けて8月7日以来、5週間ぶりの安値水準に。下値トライへの流れが加速する形で一時960ドルを割り込み、下値メド950ドル前後に早々の急接近。しかし、まだワンタッチ程度。次週改めて一段安へと向かう可能性も十分に想定され、場合によっては今年最安値(945.4ドル)更新トライも。
週間ベースでは-27.5ドル(2.77%)で3週続落。
ドル円は5日ぶりの反落でわずか5銭ほどのドル安円高とほぼ変わらずの水準。朝方につけた121円手前の高値からは株安の流れに連れての軟調推移。それでも安値は120円30銭台までで切り返し、120円半ばでの揉み合い状態へ。1年ぶり低水準へと急落した米9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値に急落で反応する場面もあったものの下げ幅も限定的に。流れはドル高円安方向へと傾きつつある状態ながら、120円70銭台の200日移動平均線上抜けトライに3日連続失敗し、3日連続上ヒゲを残す形となって上値も重い状況に。
週間では+1.57円(1.32%)となって4週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/11終値とチャート
- 2015年9月12日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,628 円 9/11(金) ▲40(0.87%) 国内プラチナ : 4,107 円 9/11(金) ▲45(1.11%) NY金 : 1,103.3 ドル 9/11(金) ▼6.0(0.54%) NYプラチナ : 964.9 ドル 9/11(金) ▼16.3(1.66%) ドル円 : 120.57 円 9/11(金) ▼0.05(0.04%)
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