金プラチナ短期相場観

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世界同時株乱高下のなか米求人件数は4カ月連続過去最大水準

更新日:2015年9月10日(木)

米求人件数の推移2015年7月米労働省が発表した7月JOLTS求人件数は575.3万件となり、市場予想の530万件を大きく上回りました。統計開始の2000年12月以降で長らく最大水準となっていた2001年1月の527.3万件を今年4月分で上抜けると、4カ月連続での530万件超。5月の535.7万件と比較しても39.6万件もの大幅増。年間平均でも528.4万件となり、昨年までの過去最大値2014年の457.9万件を大きく上回る水準となり、今年の求人状況は歴史的な活況状態に。

イエレン・ダッシュボード2015年9月版での回復傾向も過去最大レベルに。
イエレン・ダッシュボード2015年9月版

※指標:リセッション前の数値(回復目安):最低値:前回→最新値と回復率
1)NFP(3カ月平均):+16.2万人:-82.6:+25.0↓+22.1 回復率106%
2)失業率:5%:10%:5.3%→5.1% 回復率98%
3)労働参加率:66.1%:62.6%:62.6%→62.6% 回復率0%
4)長期失業者の割合:19.1%:45.3%:26.9%↓27.7% 回復率67.2%
5)U6失業率:8.8%:17.2%:10.4%↑10.3% 回復率82.1%
6)求人率:3%:1.6%:3.6%↑3.9% 回復率164.3%
7)退職率:2.1%:1.3%:1.9%→1.9% 回復率75%
8)解雇率:1.4%:2.0%:1.3%↑1.1% 回復率:150%
9)採用率:3.8%:2.8%:3.7%↓3.5% 回復率70%

回復率100%超はNFP、求人率、解雇率の3指標のみという状態1年以上継続。
回復率100%未達の6指標中、前月から改善したのは失業率、U6失業率の2指標。悪化したのは長期失業者の割合と採用率の2指標。
失業率は100%回復まであと0.1ポイントに迫る98%。

イエレン・ダッシュボードの回復率平均の推移 2015年9月全9指標の回復率の平均値の推移を見ると、過去最高水準となっていた7月の87.4%を上回る90.3%へと大幅上昇。求人率と解雇率の改善が牽引した形。

世界同時株乱高下状態が続いていますが、米国の労働市場も強弱含みながらも着実な改善傾向が続いています。

NY金・日足チャート 2015/8/10 - 9/99日のNY金相場は1.69%の大幅安で5営業日続落となり、1カ月ぶりの安値水準へ。昼間の日経平均の爆上げと円安基調に対してはほぼ無反応だったものの、夕方以降の株高一服後もドル高円安進行に耐え切れず売り加速。米求人件数が過去最大となったことや、インドの金輸入削減に向けての国内供給促進計画の承認などのマイナス材料も売り要因に。米株の大幅反落やドル円の反落に流れにも買い戻しは限定的に。1120-40レンジ維持に失敗すると、先週末時点で高まっていた1100ドル割れ水準までの下落の可能性が現実化。目標水準1090ドル台寸前となる1100.1ドルまで下落したことで短期的な下落圧力が一気に表面化した形。売り優勢地合いのなかでの一服感も。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/10 - 9/9プラチナ相場は2.16%の大幅反落。連動性がやや高まっていた株価反落の流れに金の下落が加わったことで下げ幅拡大、三角保ち合いの直近下限990ドルを割り込んだことで短期トレンドは下方向へ向かい始めた可能性。下値メドとしては960ドル割れ水準から最大で今年安値945ドル付近を目指す可能性。

ドル円・日足チャート 2015/8/11 - 9/9ドル円は0.58%のドル高円安で3日続伸。日経平均の21年ぶりの大幅高に連れて円安進行で120円台後半へと水準を切り上げ、過去最大となった米7月の求人件数発表直後に121円20銭の高値をつけたのがピーク。欧米株に日経平均先物の反落に連れて反落基調へ。終値時点では120円40銭台を維持し、レンジ上抜け状態。今朝時点ではやや軟調な状態ながら、再度120円40銭台へと切り返すことができれば円高優勢の流れから円安再開へと転換し、上値目標122円前後を目指す展開へ。ただし119円割れの場合には円高加速で117円割れも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/9終値とチャート

10日の国内金価格は1.33%の大幅反落。NY金の底堅さが続かなかったこともあり、下落トレンド中の戻り局面上限付近からさらに上抜ける余力はなかった様子。3日前につけた今年安値をわずかに1円更新し、この水準が行き過ぎではなかったことに。やや乱高下気味となり、上下にブレやすい状況ながらも下方向優勢の流れは変わらず、当面の下値目安は4500円近辺から最大では4480円台辺りまで。4660円まで反発すると4700円台へと向かう可能性も。

プラチナも2.92%の大幅反落。この夏11回めの2%超の大幅変動は8回めの下落となり、再び今年最安値圏へ。乱高下状態での保ち合いレンジは4190円から4050円。上抜けなら4300円近辺を目指す流れへ、下抜けなら今年安値を大幅更新となる3950円まで。
※参考:金プラチナ国内価格9/10とチャート

2015年9月10日(木)時点の相場
国内金4,588 円 9/10(木) ▼62(1.33%)
国内プラチナ4,062 円 9/10(木) ▼122(2.92%)
NY金1,102.0 ドル 9/9(水) ▼19.0(1.69%)
NYプラチナ981.2 ドル 9/9(水) ▼21.7(2.16%)
ドル円120.49 円 9/9(水) ▲0.68(0.57%)

9/9(水)のその他主要マーケット指標

金の底堅さはインド並、新興国通貨と金プラチナの年間騰落率比較 9/11(金)

世界同時株乱高下のなか米求人件数は4カ月連続過去最大水準 9/10(木)

低迷期のなかでも上昇傾向を示す労働市場情勢指数(LMCI) 9/9(水)

中国の外貨準備は過去最大の減少、金準備は3カ月連続増加 9/8(火)

国内金価格は昨年後半安値圏へ、プラチナは3年ぶり安値更新も 9/7(月)


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