金プラチナ短期相場観
低迷期のなかでも上昇傾向を示す労働市場情勢指数(LMCI)
更新日:2015年9月9日(水)
1カ月前の7月分では低迷状態を示していた労働市場情勢指数(LMCI)の8月分では、米国の労働市場が低迷期にあることには変わりないものの、順調な回復基調が続いていることを示す結果となりました。
今年1月からの推移は以下のとおり。(括弧内は前回からの修正幅)
1月:4.0(+0.4)
2月:1.6(+0.2)
3月:-1.0(+0.2)
4月:-0.8(+0.3)
5月:1.3(+0.3)
6月:1.6(+0.2)
7月:1.8(+0.7)
8月:2.1
過去分全般に渡り、0.1-0.2ポイント程度の上下双方向への修正が加わり、2014年11月以降全て上方修正、とりわけ2015年分はやや大幅な修正。
結果、今年3月の-1.0を底値として5カ月連続上昇し、今年1月以来、7カ月ぶりの水準となりました。
今年の年間平均でも、先月時点の0.9から1.3へと上昇しています。
しかし、過去の年間平均、2010年の6.2、2011年5.9、2012年3.8、2013年4.0、2014年5.4と比較すると大きく見劣りし、-10.1と大きく落ち込んだ2009年以来の低水準であることには変わりません。
雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の年間平均でも2014年がピークとなっているのと似たような状況にあり、先日の雇用統計でもNFPの過去2ヶ月分が大幅上方修正され、失業率も好結果となったことなども反映されているような状況です。
株価の反発が続くようなら、労働市場の情勢としては、9月利上げをサポートする材料にもなりうる状況かもしれません。
4日時点で18.86%まで低下していたCMEフェドウォッチの9月利上げ確率も、8日には23.57%へと反発しています。
8日のNY金相場は前週末比-0.04%とほぼ変わらず。日本株と為替が大幅下落後に大幅反発とめまぐるしく変動する横で静観の構え。上海株が上昇していたにも関わらず年初来上昇分を打ち消すほどに売り込まれた日中の日経平均は明らかに売られ過ぎ状態にあったことは、金の値動きも示していた様子。その金は1120ドル割れ水準では底堅く、欧米株の大幅上昇やドル円の大幅反発にも動じない状態に。1100ドル割れ水準までの下落の可能性を残しながら、1120-1140ドルのレンジでの保ち合い状態継続へ。
プラチナ相場は1.06%の大幅反発。株安の流れでは980ドルまで売られ、株価反発の流れに追随するように1000ドルの大台回復。株価連動状態が続き、下値を切り上げ、上値も切り下がる三角保ち合いを形成中。ブレイクポイントは、上方向には1020ドル半ばで超えると1050ドル台へ、下方向には990ドルで割り込むと今年安値圏940ドル台を目指す流れとなる可能性も。
ドル円は0.45%の続伸。日本株連動で119円割れ後に120円20銭台までの急反発。3日連続で118円80銭前後の安値をつけて切り返す流れとなり、円高優勢の流れもやや緩和。118円割れリスクを残しながら、119円から120円台前半までのレンジへ移行中。短期的には三角保ち合いを上抜けた形となり、円安方向へと切り返す可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/8終値とチャート
9日の国内金価格は0.82%の続伸。為替が円安方向へと切り返し始め、NY金は底堅さを見せる状態となり、下落トレンド中の戻り局面上限付近に到達した状況。7月後半から8月前半にかけて揉み合いを形成した、8月までの底値水準に達したことで抵抗感も強まるところ。この水準以上を維持する状態が続くなら、9月7日の4589円は行き過ぎだったことになり、大幅下落の可能性は大きく後退。完全に流れが変わる目安は水平状態の21日移動平均線4730円台超え。
プラチナは2.42%の大幅続伸。今年の平均騰落率0.82%に対して、2%超の大幅変動となったは11日。そのうち10日は7月以降に集中し、今年底値圏での大幅変動状態を示唆。なお、10日のうち7日は下落、2%超の上昇はこの夏3回め。4010円程度までの一段安リスクはほぼ解消し、4210円台の節目突破で4300円台を目指す流れへとつなげるかどうか。
※参考:金プラチナ国内価格9/9とチャート
- 2015年9月9日(水)時点の相場
-
国内金 : 4,650 円 9/9(水) ▲38(0.82%) 国内プラチナ : 4,184 円 9/9(水) ▲99(2.42%) NY金 : 1,121.0 ドル 9/8(火) ▼0.4(0.04%) NYプラチナ : 1,002.9 ドル 9/8(火) ▲10.5(1.06%) ドル円 : 119.81 円 9/8(火) ▲0.54(0.45%)
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