金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

過去の利上げと金相場

更新日:2015年9月15日(火)

過去の利上げと金相場の推移 2015年9月米国の利上げはドル買い材料、金利のつかない金には売り材料と言われて久しい今日この頃。ようやく実際に米国の政策金利引き上げが行われるのではないか、という時期が迫ってきました。

ここで実際に過去の米政策金利引き上げフェーズで金価格はどのように推移していたのか、をチェックしておきます。

1994年1月 FF金利:3.00% 金価格:387ドル
 ↓13カ月
1995年2月 FF金利:6.00% 金価格:376.7ドル
合計 FF金利:3%引き上げ/金価格:-10.3ドル(-2.66%)

1997年2月 FF金利:5.25% 金価格:346.5ドル
 ↓1カ月
1997年3月 FF金利:5.50% 金価格:352.1ドル
合計 FF金利:0.25%引き上げ/金価格:+5.6ドル(+1.62%)

1999年5月 FF金利:4.75% 金価格:276.7ドル
 ↓10カ月
2000年3月 FF金利:6.00% 金価格:286.6ドル
合計 FF金利:1.25%引き上げ/金価格:+9.9ドル(+3.58%)

2004年5月 FF金利:1.00% 金価格:383.9ドル
 ↓25カ月
2006年6月 FF金利:5.25% 金価格:597ドル
合計 FF金利:4.25%引き上げ/金価格:+213.1ドル(+55.51%)

過去4度の利上げフェーズで金相場が下落したのは1回のみ。「利上げなら金売り」は当てはまりません。
というよりも、これまで基本的に米国の政策金利の動向と金価格の動向には関連性はほとんどなかったと言えそうです。

2008年12月に0.25%まで利下げし、実質ゼロ金利状態となった後に金相場が高値のピークを迎え、その後高値揉み合い状態から反落し、下落基調を強めました。と同時に、徐々に米国の利上げも意識されるようになり、「金利のつかない金」がやたら一人歩きした感も。

過去の歴史上、そんな理由で金が売られたことはないことをこのチャートが示しています。
ただし、米ドルに金利がつかない状態も過去に例がなく、高低差はあれど金利がつくのが当たり前の時代には、「金利のつかない金」を特別視することもなかった様子です。
ところが、米ドルの金利がゼロとなって始めて金利のありがたみを痛感したように、いずれ金利が上昇し始めるとの期待からドルが買われ始め、「金利のつかない金」が敬遠され始めました。

長すぎたゼロ金利時代に、思惑からのドル買い金売りが随分と進行してきたこともあり、これから訪れることになる利上げフェーズでも、過去の歴史と同様に、金相場は上昇することになる可能性は十分にありそうです。

NY金・日足チャート 2015/8/13 - 9/1414日のNY金相場は0.4%の反発。FOMCへの警戒感が意識されるなかでの小康状態。特に材料がなかっとこともあり、1100ドルから1110ドルの小幅保ち合いレンジ内に収まる上下7.2ドルの値幅は今年の平均値幅16.9ドルの半分以下で、7月14日以来2カ月ぶりの小動き。小売売上高などの米国の経済指標発表が続く本日以降は、その結果次第ではFOMC前に金相場も動き始める可能性も。レンジブレイクで上下20ドル程度の変動は見込まれる状態。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/13 - 9/14NYプラチナ相場は0.98%の大幅続落。中国景気減速懸念が燻ぶる状況を背景に、軟調推移となった欧米株に連れての下落基調が進行。欧州株や金の持ち直し局面にも追随できず、8月5日以来の安値水準へ。990ドルの節目を割り込んだことによる急落局面が続き、下値メド950ドル前後の水準に到達。FOMC前でも今年最安値945.4ドル付近までもう一段安への余地も。

ドル円・日足チャート 2015/8/14 - 9/14ドル円は0.28%の続落。日中は日本株安の流れに連れて円高基調、夜間は米株安の流れに連れて一段安となり、一時120円割れ。しかし、この水準では底堅さも見られ、今朝にかけては120円台前半から半ばにかけて反発。120円台での揉み合い状態はFOMCまで続きそうな状況に。抵抗感が強まりつつある120円台後半を超えることができれば122円台トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/14終値とチャート

15日の国内金価格はわずかに2円安と前日からほぼ変わらず。今年安値圏での三角持ち合い先端付近での膠着状態に。NY金のレンジブレイクに連動する可能性が高まり、4630円台まで反発できれば4720円付近を目指す流れへ、4588円の今年安値更新なら4510円付近を目指しての一段安の流れが加速。

プラチナ価格は1.34%の大幅続落となり、当面の下値メド3980円台にいきなり完全到達。いったんは下げ止まりの可能性が高まる状況ながら、NYプラチナに今年最安値までの下げ余地も警戒されることから、国内プラチナ価格も若干の一段安リスクも。目先の警戒水準としては3900円台前半、レジスタンスラインは4110円。
※参考:金プラチナ国内価格9/15とチャート

2015年9月15日(火)時点の相場
国内金4,596 円 9/15(火) ▼2(0.04%)
国内プラチナ3,986 円 9/15(火) ▼54(1.34%)
NY金1,107.7 ドル 9/14(月) ▲4.4(0.40%)
NYプラチナ955.4 ドル 9/14(月) ▼9.5(0.98%)
ドル円120.23 円 9/14(月) ▼0.34(0.28%)

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