金プラチナ短期相場観
金とプラチナの逆鞘状態がピークを過ぎる時、同時急反発局面へ
更新日:2015年10月10日(土)
金よりも希少価値の高いプラチナの価格は金よりも高くて当然という最もらしい理由で説明されることが多いですが、相場価格としてはそれだけで両者の関係性が成り立つ訳ではないので、時折り金とプラチナ価格は逆転することがあります。いわゆる逆鞘状態です。
今年1月15日にNY金相場がプラチナ相場を上回ると、9カ月ものあいだ逆鞘状態を維持し、価格差は徐々に拡大、10月2日にはその差229.3ドル、過去最大水準まで拡大しました。近年で金相場価格がプラチナ価格を上回り、その差200ドル以上へと拡大したのは過去2回。
1回めのピークは2011年12月8日の222.8ドル。この3週間後、12月30日に金相場は1540.9ドル、プラチナは1363.4ドルの安値をつけて反発。2012年2月にかけて金相場は1780ドルへ、プラチナ相場も1700ドルまで大幅急上昇。
2回めのピークは2012年8月10日の222.9ドル。金相場はこの2日後に1602.4ドル、プラチナは翌日に1392.8ドルの安値をつけて反発。2012年10月にかけて金相場は1800ドル付近まで、プラチナも1700ドル台前半へと大幅急騰局面を形成しました。
これまで、金とプラチナの逆鞘状態の拡大局面は、金とプラチナともに下落トレンドの時に訪れました。強いて言うならプラチナの急落局面で逆鞘状態が拡大してきました。そして逆鞘状態がピークを過ぎ、価格差が縮小方向へと向かう時、金とプラチナは同時急反発局面を形成してきました。
3回めのピークを迎えた(かもしれない)今月2日以降、逆鞘状態は縮小方向へと向かい、8日には200ドルを割り込み、9日時点では174.5ドルまで縮小中。
このまま縮小傾向が続くなら、金とプラチナのそれなりの大幅同時急反発局面が、既にスタートしている可能性も高まりそうです。
9日のNY金相場は1.01%の反発。タカ派ではなかったFOMC議事要旨を通過したことで、ドル高巻戻しの流れがやや加速した様子。8月21日以来8週間ぶりの高値水準となる1150ドル台後半へと水準を切り上げたことで、9月高値水準をわずかに上抜け。中期的な下落トレンドの抵抗線となってきた90日移動平均線を超えた水準を維持しつつあり、上値トライへと向かう可能性が高まってきた。上値目標1180ドル台を目指す流れへ。
週間ベースでは+19.3ドル(1.7%)の反発。
プラチナは2.7%の大幅高で6日続伸。今年3番目の大幅上昇となり、2014年3月末以来1年半ぶりの6連騰で到達したのは3週間ぶりの高値水準。と同時に950ドル台半ばの節目突破に伴う上値余地980ドル辺りにもいきなり到達。目標水準到達による一服感も予想されるものの、大底をつけての反発基調がスタートしている可能性も高まり、1000ドルの大台回復までそれほど時間を要しない可能性も。
週間ベースでは+74.1ドル(8.17%)の大幅反発。
ドル円は0.27%のドル高円安となり、4日ぶりの反発。対ユーロや豪ドルではドル安の流れが続き、対ポンドや新興国通貨に対してはドル安一服とマチマチの動き、ドルインデックスは3週間ぶりの水準へと低下。ドル円だけは相変わらずの膠着状態。足元ではわずかにレンジを縮小する兆しも見られ、レンジブレイクへの警戒感も徐々に高まる可能性も。120円台後半へと上方ブレイクなら123円台後半を目指す流れへ、119円台半ばへと下方ブレイクなら117円台前半を目指す流れが急速に強まることに。
週間ベースでは+0.34円(0.29%)の小反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/9終値とチャート
- 2015年10月10日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,705 円 10/9(金) ▼16(0.34%) 国内プラチナ : 3,936 円 10/9(金) ▲25(0.64%) NY金 : 1,155.9 ドル 10/9(金) ▲11.6(1.01%) NYプラチナ : 981.4 ドル 10/9(金) ▲25.8(2.70%) ドル円 : 120.26 円 10/9(金) ▲0.33(0.27%)
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