金プラチナ短期相場観
原油安によるリスクオフで国内プラチナ価格は6年5カ月ぶり安値
更新日:2015年12月14日(月)
通常なら、原油安はエネルギー価格低下となって原油輸入国にとっては景気刺激効果をもたらす好材料。しかし、とまらない原油安は原油輸出国の景気悪化とともにエネルギー産業の株安やインフレ下押し懸念をもたらし、金融市場の不安材料に。米国の利上げ直前というタイミングも影響し、めぐりめぐって原油輸入国の米国や日本でもリスク回避の流れが急速に拡大する状況となってきました。
11月末時点で-21.8%だったNY原油の年初来騰落率は-33.1%まで拡大。この影響で、12月初旬には反発傾向となっていた国内プラチナ価格も急反落、年初来騰落率でも11月末時点の-29.4%から-29.5%へとわずかに下落率を拡大、再び安値更新トライへと向かうような流れとなってきました。
反発後の急反落で安値更新、というパターンはこれまで何度も遭遇してきた今年のトレンドパターン。やはり、この下落トレンドはまだ終わってはいなかった?ことを確認させられるような状況です。
水準的には、リーマンショック後の安値2388円から高値5466円までの61.8%ライン3564円を少し下回ったところからの急反発が腰折れ、再び61.8%を割り込む水準となり、長期的なサポート水準付近で反発できるかどうか、重要局面を迎えているようにも見えます。今年の安値メド3500円辺りから3400円台も警戒される水準、にもほぼ到達し、そろそろ慌て始めても良さそうな時期に差し掛かってきたのかもしれません。
14日の国内プラチナ価格は2.42%の大幅安で5日続落。下げ止まりの兆しは一時的に過ぎず、11月末安値を2週間ぶりに更新、再び下落スピードが加速してしまった形で2009年7月14日(3418円)以来、6年5カ月ぶりの安値水準に。ただし今回の急落は円高によるところが大きく、さらに大きく水準を切り下げ続けるような流れは、以前よりは想定し難い面も。当面の下値余地は3450円台辺りまで。
国内金価格は0.73%安となって安値更新、昨年6月13日(4461円)以来1年半ぶりの安値水準に。今年ここまでの最安値圏で保ち合いを形成し、当面のサポート水準候補と見ていた4470-4530円のレンジからも下抜けの兆し。底値圏での乱高下状態との見方も可能だが、円高リスク拡大に伴い目先は下値模索の展開も想定しておくべきか。短期的な下値目標水準としては4400円をわずかに割り込む辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格12/14とチャート
- 2015年12月14日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,466 円 12/14(月) ▼33(0.73%) 国内プラチナ : 3,507 円 12/14(月) ▼87(2.42%) NY金 : 1,075.7 ドル 12/11(金) ▲3.7(0.35%) NYプラチナ : 843.7 ドル 12/11(金) ▼12.2(1.43%) ドル円 : 120.85 円 12/11(金) ▼0.69(0.57%)
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