金プラチナ短期相場観

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米国の失業保険申請件数は1970年代以降の最低水準

更新日:2015年12月11日(金)

新規失業保険申請件数 長期推移 2015年12月米労働省が発表した12月5日までの週の新規失業保険申請件数は前週から1.3万件増加して28.2万件となっています。事前予想よりも悪化、ここ数週間でも増加傾向となり、7月上旬以来5カ月ぶりの水準へと後退した形となりました。
それでも今年3月に30万件を下回って以降40週、9カ月連続で30万件を下回る水準での推移が続いています。これだけ長期に渡ってこの水準を維持するのは1970年代以来のこと。

最近の最低水準は7月18日迄の週の25.5万件。1973年11月24日までの週(23.3万件)以来、実に41年8カ月ぶりの低水準を記録していました。それ以降はやや足踏み状態が続いている状況ではありますが、現状の28万件程度の水準は1970年以降の最低水準レベルにあり、歴史的な低水準が続いている状況と言えます。

失業保険継続受給者数 長期推移 2015年12月失業保険継続受給者数では、11月28日までの週で224.3万人となり、前週から8.2万人増加、9月以来の水準へと悪化した形です。
最近の最低水準としては、10月17日までの週に記録した214.6万人。これは2000年11月4日までの週(211.0万人)以来、15年ぶりの低水準となっていました。新規申請件数と同様にここから最近まではやや足踏み状態。
しかしこれも長期的に見れば、現状の220万人程度の水準は、1970年代前半以降のほぼ最低水準に位置し、やはり歴史的な低水準が続いている状況となります。

なお、新規失業保険申請件数の最近のピークは2009年のリーマンショック後の世界金融危機の時ですが、過去を遡るとこれに匹敵する水準も上回る時期もありました。これに対して継続受給者数は、長期的にも2009年が飛び抜けてのピーク状態となっていました。いかに当時の金融危機の影響が大きかったかを物語っています。

当時から大幅に回復した現状は、既に低水準のピークをつけた可能性も想定されそうな状況かもしれません。しかし、景気動向に対して先行する指標と言われる失業保険申請件数がピークをつけたとしても、しばらくは米労働市場の好調さは継続することになります。

雇用統計でも好調を維持し、LMCIでもそれなりの回復傾向を維持し、労働市場の最終確認を終え、残るは本日の小売売上高で消費動向をチェック、次週のCPIを最終チェックの上、インフレ見通しの根拠を確認後、利上げを決定する段取りが進行することになりそうです。

NY金・日足チャート 2015/11/10 - 12/1010日のNY金相場は3日ぶりの反落で0.42%の小幅安。1070ドル台前半を中心に上下わずか7ドルほどの小動きとなり、十字線を残す形で動き出しに備える状態。ここから先はFOMCまで様子見状態、との油断した隙を狙っての仕掛け的な動きも入りやすくなる時期に。流はわずかに上方向優勢で1080ドル台半ばが節目水準、下方向には今年安値1050ドルがサポートライン。

NYプラチナ・日足チャート 2015/11/10 - 12/10NYプラチナ相場は1.14%の大幅反落。上下1%超の値動きは6日連続となり、落ち着かない状態が継続するなかで短期三角保ち合い状態を形成。FOMCを意識した動き出しとなった場合には金に追随する方向へ。860ドル台半ばを超えると910ドル台辺りまで上値拡大の可能性、840ドル台半ばを割り込めば830ドルの今年安値ラインではサポートされず、800ドルの大台ラインまで下げ余地拡大の可能性。

ドル円・日足チャート 2015/11/11 - 12/10ドル円相場は3日ぶりの反発で0.08%の小幅ドル高円安。121円半ばでの小動きとなり、米株反発の流にも追随できず、前日の急落からの反発も限定的。短期円高地合いの状況は変わらず120円台前半辺りまでは円高進行余地。流れ逆転の場合にも123円台半ばが当面の強めの抵抗水準に。ここを突破するような勢いが発生した場合には一気に形成逆転で今年高値更新トライへと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/10終値とチャート

11日の国内金価格は前日から変わらずで今年安値4471円の少し手前、3日続落後の足踏み状態。4500円前後の安値揉み合い形成後の反発基調が腰折れとなっての調整フェーズ一服、という状態で方向感はわずかに上方向を維持。4500円を中心に4470円から4530円のレンジは今年安値圏として今後、存在感が高まる可能性も。ここを下抜けてしまうと4400円の大台割れの確率も上昇、上方向には4600円が当面の抵抗水準、超えると4600円台後半へ。
週間ベースではわずかに+4円(0.09%)の小幅高となり、8週間ぶりの反発。

国内プラチナ価格は0.11%の小幅安で4日続落もようやく下げ止まりの兆し。勢い良く反発し始めた流れが急速に巻き戻され、ようやく落ち着き始めたところ。しかし、一服後にはまた急変動の可能性も。3530円から3740円までの広いレンジでの値動きのなかで、円高進行なら再び下値警戒感が高まる可能性も。
週間ベースでは-10円(0.28%)の小幅安で7週続落。
※参考:金プラチナ国内価格12/11とチャート

2015年12月11日(金)時点の相場
国内金4,499 円 12/11(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,594 円 12/11(金) ▼4(0.11%)
NY金1,072.0 ドル 12/10(木) ▼4.5(0.42%)
NYプラチナ855.9 ドル 12/10(木) ▼9.9(1.14%)
ドル円121.54 円 12/10(木) ▲0.10(0.08%)

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