金プラチナ短期相場観
2015年 金相場が大きく動いた10日間
更新日:2015年12月24日(木)
2015年のNY金相場は昨年末から12月23日まで115.8ドルの下落、騰落率にして-9.78%となっています。1日当たりの平均騰落値幅は絶対値で8.3ドル、平均騰落率は0.71%。2014年の平均騰落率0.64%からはやや拡大、2013年の0.96%からは小動きに。そんな2015年も前日比2%超の大幅上昇、下落となった日は15日に達しています。
NY金相場が大きく動いた上位10日間をピックアップして2015年を振り返ります。
1月15日:+30.3ドル(2.45%、3位)
スイスショック。スイス国立銀行がスイスフランの対ユーロの上限1ユーロ=1.20フランを撤廃を突然発表。スイスフラン急騰で為替市場が大混乱。リスク回避の流れで金は急騰。1220ドル台から4カ月ぶり高値水準1260ドル台へ。
1月29日:-31.3ドル(2.43%、5位)
FOMC翌日。タカ派寄りの声明文への反応がロンドン・NY時間に加速。1280ドル台から1250ドル台へ。
2月6日:-28.1ドル(2.23%、9位)
米1月雇用統計上振れ。1260ドル台から3週間ぶり安値圏1230ドル台へ。
3月6日:-31.9ドル(2.67%、1位)
米2月雇用統計上振れ。1190ドル台から1年3カ月ぶりの大幅下落で1160ドル台へ。
4月27日:+28.2ドル(2.40%、6位)
前営業日までの下落基調の大幅巻戻しで1170ドル台から1200ドル台回復。
4月30日:-27.6ドル(2.28%、7位)
新規失業保険申請件数15年ぶり低水準など米労働市場好調。1200ドル台から1180ドル台へ。
7月20日:-25.1ドル(2.22%、10位)
海の日で祝日の日本時間を狙った仕掛け的な売りでフラッシュ・クラッシュ。8日続落で1130ドル台から1100ドル台、5年4カ月ぶり安値水準へ。急落局面では一時2010年2月以来5年5カ月ぶり安値水準となる1080ドルまで下落。
8月20日:+25.3ドル(2.24%、8位)
人民元切り下げ(11日)以降の世界同時株安期。財新発表の中国8月製造業PMIが6年5カ月ぶり低水準に低下したことを受けてリスク回避の流れ加速。1130ドル台から1150ドル台へ。
10月29日:-28.8ドル(2.45%、3位)
FOMC翌日。次回12月FOMCでの利上げ示唆。ここから12月利上げの市場織り込みは急速に進行。1170ドル台から1140ドル台へ。
12月17日:-27.2ドル(2.53%、2位)
FOMC翌日。FRBが9年半ぶりの利上げを決定。NY市場で下落基調加速、事前織り込みがもう少し甘ければさらに大幅下落となった可能性も。1070ドル台から1040ドル台へ。2009年10月以来6年1カ月ぶりの安値水準。
上昇3日、下落が7日、上位3日(3位は同率)は下落となり、今年のトレンドを示す結果に。また、FOMC翌日が3日、雇用統計が2日、合わせて5日はいずれも下落。FRBの利上げに向けた材料に大きく反応し、その都度水準を大きく切り下げてきた1年となりました。そして12月17日の1049.6ドルが終値ベースでの今年最安値となって若干の反発。今のところは、「材料出尽くしの反発」状態にあります。
23日のNY市場、米国の原油在庫減少でNY原油が37ドル台へと一段高となり3日続伸、このところ原油との連動性が高まる株価もNYダウが3日続伸とリスク回避緩和傾向。一足先にクリスマス休暇状態となったNY金相場は0.54%の続落。値幅7ドルほどの小動きながら1070ドル台から1060ドル台へと水準を切り下げ、保ち合いレンジ上限1080ドルトライへのそぶりもなし。今年の底値保ち合いレンジからの脱出トライは年末最終週へ持ち越しか。
NYプラチナ相場も0.56%の続落。金に追随する流れで880ドルの節目からは徐々に遠ざかる動きで870ドル台から860ドル台へ。再び反発基調加速で節目超えできるようなら910ドル辺りを目指す一段高へ。下方向には840ドルがサポートライン。下抜けた場合にはゆっくりと下値を切り上げてきた流れが大きく逆流、800ドルの大台割れを試すような流れとなる可能性も。
ドル円相場は0.13%の小幅ドル安円高で4日続落、終値ベースでは12月11日以来の121円割れ。原油高株高の流れでも軟調推移となり、米11月耐久財受注のコア受注下振れ、新築住宅販売件数減速、12月ミシガン大消費者信頼感指数確報値上方修正など強弱マチマチの指標にも反応は限定的。保ち合いレンジ下限120円80銭台の攻防へ。強めのサポート水準で持ち堪えられるかどうか。ズルズルと下抜けるようなら円高基調やや加速で120円を多少割り込む水準へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/23終値とチャート
祝日明け24日の国内金価格は0.38%の小幅反落。薄商いのなか、NY金の軟調と円高気味の為替によって上値を押さえられる状態。今年安値圏での揉み合い状態から反発基調優勢へと流れが変わることはなく、上下どちらへも抜け出しそうなニュートラル状態で年末へ。4500円超えなら4600円台半ばへと大幅上昇の可能性、4440円を割り込んだ場合には4300円台半ば、最大では4300円付近まで下落余地拡大の可能性も。
国内プラチナ価格は0.38%の小反落。安値圏での乱高下揉み合いのなかでレンジ縮小、三角保ち合い状態となり、大きく動き出す可能性を示唆。わずかに上昇傾向優勢の流れが逆転する可能性も十分に想定され、3570円割れの場合には3500円を割り込む可能性。3650円を上抜けると3700円台半ばを目指す上昇トレンド加速へ。
※参考:金プラチナ国内価格12/24とチャート
- 2015年12月24日(木)時点の相場
-
国内金 : 4,462 円 12/24(木) ▼30(0.67%) 国内プラチナ : 3,636 円 12/24(木) ▼14(0.38%) NY金 : 1,068.3 ドル 12/23(水) ▼5.8(0.54%) NYプラチナ : 868.1 ドル 12/23(水) ▼4.9(0.56%) ドル円 : 120.91 円 12/23(水) ▼0.15(0.13%)
2015年のプラチナ相場が激しく動いた10日間 12/25(金)
2015年 金相場が大きく動いた10日間 12/24(木)
2015年国債格付け変動ベスト10カ国とワースト10カ国 12/22(火)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン