金プラチナ短期相場観

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CPI上昇で低インフレ懸念緩和も米ドルの対円デフレは払拭できず

更新日:2016年2月20日(土)

米・消費者物価指数(CPI)の推移 2016年1月米国の1月の消費者物価指数(CPI)が発表され、前月比では-0.1%予想に対して0.0%、食品とエネルギーを除くコアCPIは+0.2%の予想に対して+0.3%と上昇。コアCPIの伸びは2011年8月以来4年5カ月ぶりの大幅上昇となりました。
長期的にはより重視される前年同月比でも、CPIは+1.4%で2014年10月(1.7)以来1年3カ月ぶりの水準、コアCPIは+2.2%となって2012年6月(2.2)以来3年7カ月ぶりの高水準。いずれも予想を0.1ポイント上回る好結果に。
ガソリン価格の下落を家賃や衣料品、医療関係などの上昇がカバーしたようで、足下の急回復基調は鮮明となってきました。

FRBの物価目標のベースとなる個人消費ベースの物価、PCEデフレーターではまだ2%に遠く及ばず、回復途上にはありますが、CPIの上昇加速は大きなサポート材料となりそうです。

この結果を受けて市場の追加利上げ観測はわずかに上昇し、これを好感しない株価は軟調推移、為替は好感してのドル高へ。しかし、ドル高局面は極めて限定的、一時的となり、ドル売りユーロ買い、そして円買いの流れが再開、という状況となりました。

雇用は好調も製造業は低調、物価は回復傾向へと強弱入り交じる米経済指標が続く現状では、多少の好材料は格好の戻り売り局面を形成してしまうだけの状態となってきました。低インフレへの懸念が和らぎ始めた状況でも、米ドルの特に対円でのデフレ状態を払拭するには至らない状況です。

この流れが変わる為には、製造業の大幅回復や物価のさらなる上昇か、あるいは何らかの政策対応などをきっかけに、偏り過ぎたドル売り円買い基調が大幅に巻戻される必要がありそうです。

NY金・日足チャート 2016/1/20 - 2/1919日のNY金相場は0.37%の小幅高で3日続伸。欧州時間には原油の軟調推移に株安ドル安の流れで1230ドル台半ばまで上昇後は伸び悩み。米1月のCPI上振れには1220ドル前半へと急落もこれもまた一時的、株価もドルも伸び悩む展開に1230ドル前後での揉み合い推移。買われ過ぎ状態を維持したまま高値揉み合い状態が続くなか、下値を徐々に切り上げながら上値も切り下がる三角保ち合い状態へ。目先は1200ドル割れで1180ドル台へ、1250ドル超えなら1260ドル台後半が目安に。但し、保ち合い長期化なら月初の米経済指標をきっかけに上下どちらか一方向への大幅急変動も予想される。
週間ベースでは-8.6ドル(0.69%)の小幅安で5週ぶりの反落。下ヒゲの長い陰線で上値トライ再開への可能性を残す足型に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/1/20 - 2/19NYプラチナ相場は前日から変わらずの横ばい推移。金と同様に高値揉み合い状態を維持するなかで、下値は徐々に切り上がるも上値は950ドル付近が重くなってきた様子も。今朝時点では940ドル割れをうかがう状態となり、週明けには930ドルのレンジ下限との攻防も予想される状況。下限割れなら910ドル程度までが調整目安に。200日移動平均線超え、1000ドルの大台トライへと向かうにはもうしばらく時間が必要か。
週間では-12.5ドル(1.3%)となり、5週間ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2016/1/21 - 2/19ドル円は0.52%の続落。株価の下落にも原油安にも、金利低下にも連れ安となり、それらがなくても下げやすく、少し戻せば戻り売りという状態で1週間前の急落時の終値112円40銭付近を一時割り込み、なんとか60銭台まで戻した状態、週明けには戻り売りスタートも予想されるところ。死んだ猫でも一度は跳ねる、デッド・キャット・バウンス状態となってドル安円高への警戒感は衰えない状況。戻り売り継続なら早々にも111円台半ば程度までの円高進行も予想され、大きな流れが変わらないようなら、複数の算出方法や節目水準で想定される1ドル=106円近辺を目指す展開も。
週間では-0.65円(0.57%)、3週続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/19終値とチャート

2016年2月20日(土)時点の相場
国内金4,794 円 2/19(金) ▲51(1.08%)
国内プラチナ3,678 円 2/19(金) ▼30(0.81%)
NY金1,230.8 ドル 2/19(金) ▲4.5(0.37%)
NYプラチナ945.6 ドル 2/19(金) +-0.0(0.00%)
ドル円112.64 円 2/19(金) ▼0.59(0.52%)

2/19(金)のその他主要マーケット指標

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