金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

実効為替レートでは円高もドル安もいったんピークか

更新日:2016年4月8日(金)

日米欧の実効為替レート2016年推移 2016年4月円高の流れがとまらない状況となってきました。実効為替レートの推移でも、今年のトレンドは円高ドル安、そしてゆるやかなユーロ高基調となっています。そして足下ではドル安基調はそれほど進まず、急激な円高基調となっていることがわかります。円全面高です。

日本円の推移で見ると、1月末の日銀マイナス金利導入で一時的に円安となって以降、円高が加速。2月11日の祝日にドル円が一時111円割れとなった日が最初のピークとなり、その後再び円高圧力が強まり、2月24日に再びドル円が一時111円ちょうど付近まで下落、この日が日本円の実効為替レートの今年最高値。そして現在はその最高値付近へと再び到達した状態です。
米ドルの実効為替レートで見ると、3月FOMC直後の18日に急落して今年最安値圏、その後の一部地区連銀総裁によるタカ派発言により反発し、29日のイエレン講演で再び急落、現在も今年最安値圏での横ばい推移状態となっています。

長期的に見れば、実効為替レートの円高水準は1年半ぶり、ドル安水準は約1年ぶり。今後さらにその差が拡大していく可能性も否定できませんが、短期的には、いったん今年のピーク水準で反落、反発となることも十分に想定できそうです。

なお、今年の流れとしては、デフレ脱却が進まない日本の円が買われ、デフレリスクが高まるユーロ圏のユーロも買われ、インフレ上昇の兆しが見られる米国のドルが売られる展開となっています。物価が下がれば相対的に通貨の価値が上がり、物価が上がれば相対的に通貨の価値が下がることになります。通貨の価値が下がり始めた国の通貨は売られ、通貨の価値が上昇傾向、もしくは現状維持の国の通貨は相対的に買われやすくなっているようです。

短期的に見れば米国の利上げ見通しに左右され、前倒し観測でドル高円安、先送りへの思惑でドル安円高の反応となりますが、長期的にはインフレ見通しが高まるほど売られやすく、そうではない国の通貨は買われやすくなる傾向がありそうです。
今のところ、これが今年のトレンドとなり、金相場を支えています。

NY金・日足チャート 2016/3/8 - 4/77日のNY金相場は1.12%の大幅反発。欧州時間の原油安株安の流れに呼応して水準を切り上げると、目先の抵抗水準となりつつあった1230ドルを突破して1240ドル台まで上昇。3月11日の今年高値から続く右肩下がりの上値抵抗線を上抜けたことにより、ゆるやかな軟調推移から流れが変わり始める可能性も。ただし、大きく見れば保ち合い状態の範囲内、目先の上値目安としては1250ドル台辺りまで。あらためて1220ドル前後の水準が重要な下値サポート水準として意識され、明確に割り込んだ場合には1200ドルの大台割れの可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/3/8 - 4/7NYプラチナ相場も1.06%の反発。金に連れての反発の流れで直近の高値水準950ドル近辺を上抜け。これに伴い、短期的な上値余地は980ドル台辺りまで拡大。現状ではさらに上値を伸ばすような勢いには欠ける状況か。引き続き940ドルラインが重要なサポートラインとなり、下抜けた場合には900ドル近辺まで下落余地拡大の可能性。

ドル円・月足チャート 2014/9 - 2016/4ドル円は1.45%の大幅円高ドル安となって5日続落。NY序盤にかけての円買い攻めが恒例となりつつあり、この日の安値107円60銭台は2014年10月27日(107円60銭)以来のドル安円高で日銀追加緩和前の水準に。今朝には108円台後半まで戻し、セリング・クライマックスのような動きにも見られるものの、再び口先介入を見透かした戻り売り圧力の高まりも警戒される。ドル円の長期チャートでは、2014年後半以降でヘッドアンドショルダーを形成、このネックラインが116円。ここから高値125円80銭までの値幅9円80銭下落すると仮定すると106円20銭。当面の円高目安として、106円前後を想定しておく必要も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/7終値とチャート

8日の国内金価格は0.13%の小幅反発。極端な円買いの流れが今朝には若干巻き戻されたこととNY金の反発によって続落を回避。円買い主導の相対的なドル安地合いとなり、ドルインデックスで見ると足下1週間ほどはドル安ではなく、横ばい推移状態。従ってNY金の買い圧力も弱く、むしろもう一段の調整への警戒感も続く状況。円高警戒感が突出して高い状況が続き、国内金価格の下値警戒感も継続、当面の下値メド4580円台も維持。
週間ベースでは-124円(2.6%)、反落。

国内プラチナ価格は0.14%の小幅続落。金価格が90日移動平均線にいったん支えられた状態に対し、プラチナの場合は90日移動平均線が抵抗水準となって下落基調が継続。ここにプラチナの地合いの弱さが表れ、1週間前には金との価格差が980円台まで縮小していた状態から再び1050円台まで拡大。当局の対応や、何らかのきっかけで急反発の可能性もなくはないが、当面は3550円程度までの下落余地と行き過ぎの流れ加速で3450円付近まで、への警戒感継続。確率は極めて低い急反発の展開では3690円付近まで。
週間ベースでは-193円(5.11%)の大幅反落。週間下落率5%超は昨年11月以来5カ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格4/8とチャート

2016年4月8日(金)時点の相場
国内金4,639 円 4/8(金) ▲6(0.13%)
国内プラチナ3,585 円 4/8(金) ▼5(0.14%)
NY金1,237.5 ドル 4/7(木) ▲13.7(1.12%)
NYプラチナ954.7 ドル 4/7(木) ▲10.0(1.06%)
ドル円108.19 円 4/7(木) ▼1.59(1.45%)

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