金プラチナ短期相場観
円高リスクは国内金価格にも「半値戻しは全値戻し」警戒水準へ
更新日:2016年4月11日(月)
国内金価格は2015年1月高値5298円から今年1月安値4385円まで913円下落し、上昇基調へと転換しました。しかし、この上昇基調は3月7日の週、11日の4941円までで頭打ち、円高リスクの波及により反落の流れが続きます。
3月11日までの上昇幅は556円。1年間の下落トレンドの値幅913円に対して60.9%。ちょうど61.8%戻しとなる4949円付近まで反発したことになります。「半値戻しは全値戻し」とはいかず、61.8%ラインで力尽きた状態です。
これに対し、1月安値4385円から3月高値4941円までの上昇値幅に対する現在の下落率は55.2%。50%戻しライン4663円を下回り、「半値戻し」を達成した状況です。方向は逆ですが、今年2度めの「半値戻しは全値戻し」を警戒する局面を迎えたことになります。
昨年の下落トレンドのチャネル上限ライン付近まで下落し、ここを割り込むと1月までの下落トレンドに回帰してしまう可能性も生じてしまいます。逆にこのラインがサポートラインとなって反発する可能性も想定される、重要水準に差し掛かってきました。
現時点では、昨年来の下落トレンドに戻るような流れとなることは想定し難く、「半年戻しは全値戻し」達成の可能性は低いと想定されます。しかし、前回と同様に61.8%戻し程度までの下押しは十分に想定できそうな状況と思われます。61.8%ラインは4597円、一時的には4600円割れも警戒することになりそうです。
11日の国内金価格は0.11%の小幅反落。一方的な円高基調は今朝も止まらず1ドル=107円台へ、日経平均の大幅安にも同調する形で円高・日本株安の負の連鎖状態継続を連想させる週明けに。しかし、NY金が1240ドル台での推移を維持していることで国内価格を下支え、90日移動平均線にもサポートされる形で4630円台での横ばい推移状態。ただし対円以外ではドル安基調にはなく、NY金の買いもそれほど進まない状況。国内金価格の下値トライ優勢の状況は続き、当面の下値目安4580円台も継続。
国内プラチナ価格は昨年1月高値5193円から今年1月安値3334円まで1859円もの大幅下落となったことで、今年3月までの上昇幅561円は金の上昇幅を上回っているにも関わらず、比率では30.2%。38.2%ラインにも届かなかったことになります。
しかし、この上昇幅に対する最近の下落率は、7日時点で54.4%、今朝時点でも50.3%。金と同様「半値戻し」を達成しています。
長期的には下落トレンド中の戻り局面を終えた状態、と見ることも可能ですが、少なくとも1月までの急落トレンドは脱した状態を維持しています。やはり今年の上昇幅に対する「半値戻しは全値戻し」となる可能性は極めて低い状況と想定されるものの、61.8%戻しライン3548円付近までの下落は警戒される状況です。
国内プラチナ価格は0.78%の反発。NYプラチナ価格の反発による押し上げ効果よりも円高による押し下げ圧力のほうがやや勝る状況はプラチナも同じ。抵抗線となった水平状態の90日移動平均線が位置する3630円をしっかりと上抜けできるようなら地合い改善で反発基調継続へ。しかし目先は軟調推移優勢の状況で3550円付近から3500円程度までが下値メドに。
※参考:金プラチナ国内価格4/11とチャート
- 2016年4月11日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,634 円 4/11(月) ▼5(0.11%) 国内プラチナ : 3,613 円 4/11(月) ▲28(0.78%) NY金 : 1,243.8 ドル 4/8(金) ▲6.3(0.51%) NYプラチナ : 968.4 ドル 4/8(金) ▲13.7(1.44%) ドル円 : 108.10 円 4/8(金) ▼0.09(0.09%)
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