金プラチナ短期相場観
米国の消費マインドは予想以上に好調、インフレは5年先でも低迷?
更新日:2016年6月11日(土)
ミシガン大学消費者信頼感指数の6月速報値は94.3となり、予想の94.0を上回りました。5月の94.7からは低下しましたが、昨年7月から今年4月までの水準(87-93)を上回り、3カ月平均でも10カ月ぶりの高水準へと上昇しています。また、現況指数は111.7となり、3カ月平均の109.4と合わせて2006年以降の最大値へと上昇しました。
一方、1年期待インフレ率の6月速報値は2.4%。5月から変わらずで2010年9月(2.2%)以来、5年9カ月ぶりの低水準。3カ月平均では2.5%へと低下し、2月と並び2010年10月以来の低水準。
さらに、5年期待インフレ率は2.3%となり、史上最低水準となっていた5月の2.5%からさらに0.2ポイント低下。3カ月平均でも史上最低となっていた5月までの2.6%から2.4%へと0.2ポイントの急低下。1年先よりも5年先のほうがインフレ率は低下見通しとなっています。
米国の消費マインドは予想以上に強く、5月雇用統計での異常値が一時的である可能性も残していることになりそうです。しかし、インフレ率が近いうちに目標の2%に到達する確証を得ることは、当分難しそうな状況にあることも示されたようです。
10日のNY金相場は0.25%の小幅高となって3日続伸、5月17日(1276.9)以来の4週間弱ぶりの高値水準に。英国のEU離脱懸念が日々高まる状況に欧州株の大幅安に米株も連れ安、欧米債券高で利回りは年初来、過去最低水準へと低下、VIX指数も3カ月ぶりの高水準となる17.03へと跳ね上がるリスクオフの流れを背景に堅調推移。ただし、高値では1280ドルまで上昇すると抵抗水準に押さえられる形で反落。いったんは調整も入りやすい局面も状況的には買われやすい地合いが続き、サプライズがなければ抵抗水準突破にもそれほど時間を要しない可能性も。
週間ベースでは+33.0ドル(2.66%)で2週続伸。
NYプラチナ相場は0.96%の続落。値動きとしては金に追随する展開も、欧州株の大幅安にも影響される形で上値は重く、調整フェーズ継続。1000ドルの大台ラインとの攻防に敗れて1週間ぶりの水準へ。目先は1010ドル台の抵抗水準に上値を押さえられやすい状況が続き、英国絡みの材料では上値が重く、米利上げ見通し関係の材料には金に追随する傾向に。
週間ベースでは+12.3ドル(1.25%)、5週間ぶりの反発。
ドル円は0.12%の小幅反落で1ドル=107円付近での推移が継続。英国の世論調査でEU離脱支持55%、残留支持45%との報道が伝わるとポンド安・株安とともに円買いが強まり107円10銭台から106円50銭台まで急落する場面も。しかしこの流れも長続きはせず、107円手前まで反発。次週FOMCまでは現状の保ち合い水準106円半ばから107円半ばまでの間での推移が続くものと予想される。
週間ベースでは+0.33円(0.31%)の小幅反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/10終値とチャート
- 2016年6月11日(土)時点の相場
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国内金 : 4,663 円 6/10(金) ▲20(0.43%) 国内プラチナ : 3,685 円 6/10(金) ▼44(1.18%) NY金 : 1,275.9 ドル 6/10(金) ▲3.2(0.25%) NYプラチナ : 994.2 ドル 6/10(金) ▼9.6(0.96%) ドル円 : 106.95 円 6/10(金) ▼0.13(0.12%)
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