金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ブレイナード理事は慎重姿勢崩さず、金は警戒姿勢崩せず

更新日:2016年9月13日(火)

9月FOMCでの投票権保有者の最近の主な発言一覧。
イエレン議長(ハト):8/26「利上げの根拠がこの数カ月で強まった」9月○?
フィッシャー副議長(中立):8/26「イエレン議長発言は9月利上げの可能性と整合」9月○?
タルーロ理事(ハト):9/9「年内の利上げの可能性を排除しない」9月△
パウエル理事(中立):8/26「緩やかな利上げプログラムが適切」9月△
ブレイナード理事(ハト):9/12「緩和策の解除には慎重さ必要」9月×
NY連銀ダドリー総裁(ハト):8/16「9月利上げの可能性も」9月○?
クリーブランド連銀メスター総裁(タカ):8/26「利上げを行うことは理にかなっている」9月○
ボストン連銀ローゼングレン総裁(ハト):9/9「緩やかな金融引き締めを正当化する妥当な根拠」9月○
セントルイス連銀ブラード総裁(ハト):7/14-6/17「今後2年半で1回の利上げ」9月×
カンザスシティ連銀ジョージ総裁(タカ):8/25「行動する時だ!」9月○

9月利上げに賛成の可能性ありの人は、10名中最大6名。確実に反対2名、浮動票2。
但し、9月○のメンバのなかでも、9月初旬の経済指標(ISM等)悪化を受けて意向に変化の可能性もあり、発言時期とタカハト度合いなどを考慮すると、
利上げ賛成により前向きなのは3名、残り3名(主要3人)は慎重姿勢となる可能性もあり、結果3対7で現状維持優勢か。

これ以外で、今回のFOMCでは投票権を持たないミネアポリス連銀カシュカリ総裁(タカ?)は12日、「利上げの切迫性は低い」との発言。
アトランタ連銀ロックハート総裁(中立)は「経済状況は利上げの真剣な議論を正当化する」との発言の一方で「賃金圧力は高まっているがインフレに明確な兆候は表れていない」との認識も示しました。
しかしながら、NY連銀からはインフレ期待値上昇、という調査結果も出ているようです。

市場認識としては、Fedウオッチでの9月利上げ織り込み度は24%から15%へと急低下しており、圧倒的見送り優勢の状況ですが、
真剣な議論の結果では、どちらに転ぶかは予測し難い面もありそうです。

NY金・日足チャート 2016/8/11 - 9/1212日のNY金相場は0.67%安で4営業日続落。早期利上げへの警戒感からの軟調推移が続き、9月2日(1307.4)以来の安値水準となる1323ドルまで下落。ブレイナード理事の慎重発言を受けての反発では終値時点で1325ドル、時間外にかけては1330ドル台へとほぼ前週末水準を回復も力強さには欠ける状態。大幅急落からの大幅反発となった米株などと比較すれば、警戒感からの下げも控えめだったことから反発も限定的。ブレイナード理事が慎重姿勢を崩さなかったのに対し、金は早期利上げへの警戒姿勢を崩しきれなかった様子。流れはやや下向きつつあり、1310ドルが当面のサポート水準。目先は上方向への節目1360ドルまでの間で保ち合い傾向の展開継続か。

NYプラチナ・日足チャート 2016/8/11 - 9/12NYプラチナ相場も4営業日続落となり、2.3%の大幅安。終値1042.9ドルは6月30日(1021.5)以来、2カ月半ぶりの安値水準。引け後にかけての反発局面ではなんとか1060ドル付近へ。終値ベースでは9月1日の1048ドルを完全に下抜けて8月来の下落トレンド基調へと回帰した形となり、目先の下値目安として1030ドル程度までの下落も見込まれる状況。今朝の反発局面では再び90日移動平均線との攻防状態にあり、ここが抵抗線になるようだと苦しい展開が続くことに。

ドル円・日足チャート 2016/8/12 - 9/12ドル円は0.83%のドル安円高となり、3営業日ぶりの大幅反落。ハト派維持のブレイナード理事の発言を受けて102円近辺から101円50銭台まで急落、その後は持ち直しの展開も今朝の反発局面では102円ライン手前で失速。102円が当面の抵抗線となりそうな可能性を抱きつつ再び101円台前半トライの攻防へ。101円半ばではサポートもされやすく、反発への可能性もあるものの、早期利上げ観測後退の思惑に押されてのドル安優勢の展開へ。このまま101円台前半へと水準を切り下げるようなら、下値トライ進行へ。その場合には再び100円割れを試すような展開も予想される。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/12終値とチャート

13日の国内金価格は0.98%の大幅安となって5営業日続落。5日以上の続落は5月以来で今年2度め。わずかに下向き始めた90日移動平均線を下抜けた翌日の急落で9-21日移動平均線もまとめて下抜け、中短期的にも上値が重くなりやすい状況にはある。直近安値8月26日の4580円と直近高値9月5-6日の4728円のレンジ中央付近まで下げた状態となり、目先はこのレンジ内で方向感を見極める展開へ。

プラチナ価格は0.75%安となり、4営業日続落。7月1日(3638)以来、2カ月半ぶりの安値水準となり、8月末以降の揉み合い水準を下方ブレイク。短期的には下方向への流れがスタートした可能性が高まり、当面の下値目安は3660円台辺りまで。3800円近辺でゆるやかな下落基調に転じた90日移動平均線が上値抵抗線に。
※参考:金プラチナ国内価格9/13とチャート

2016年9月13日(火)時点の相場
国内金4,648 円 9/13(火) ▼46(0.98%)
国内プラチナ3,720 円 9/13(火) ▼28(0.75%)
NY金1,325.6 ドル 9/12(月) ▼8.9(0.67%)
NYプラチナ1,042.9 ドル 9/12(月) ▼24.6(2.30%)
ドル円101.84 円 9/12(月) ▼0.86(0.83%)

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