金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

世界的にも回復基調を示し始めた製造業PMI

更新日:2016年10月25日(火)

Markit製造業PMI 日米欧 2016年10月速報値マークイットと日経が発表した10月の製造業PMI速報値は、製造業の景況感が世界的にも回復基調へと進み始めた可能性を示唆する結果となっています。
ユーロ圏は2カ月続伸で53.3となり、2014年4月(53.4)以来2年半ぶりの高水準。これを牽引するドイツも続伸で55.1と2014年1月(56.5)以来2年9カ月ぶりの高水準。ユーロ圏の足を引っ張り続けてきたフランスも続伸で51.3へと8カ月ぶりに好不況の境目50を上抜け、昨年12月(51.4)以来10カ月ぶりの高水準。
米国は9月時点では続落で出遅れ感もあった状態から53.2へと大きく反発し、昨年10月(54.1)以来1年ぶりの高水準。

日本の51.7も今年1月(52.3)以来9カ月ぶりの高水準。生産高が昨年12月以来10カ月ぶり高水準となる53.7へと急上昇したことなが好調要因となったようです。
なお、日米欧のなかではフランスとともに節目50割れの低迷状態がしばらく続いていた日本は、今年1月末の日銀マイナス金利導入以降、製造業PMIの数値は急激に悪化して3月に50割れ、5月にはフランスをも下回る47.7まで低下して底打ちしました。
そして、7月には日銀がマイナス金利深掘りを見送ってETF買い入れ倍増としたことで製造業PMIも49台へと反発し、フランスを逆転。
さらに、日銀が再びマイナス金利深掘りを見送り、イールドカーブ・コントロールへと金融政策の方針転換を決めた9月には節目の50台を回復。

マイナス金利導入とともに悪化した日本の製造業の景況感は、時間の経過とともにこれを受け入れ、さらなるマイナス金利深掘りを回避した日銀の配慮もあって回復基調を取り戻したような状況です。

10月速報値まで5カ月続伸の急回復状態となっている日本の製造業PMIは、テーパリングも意識される今後の日銀の政策動向によっても左右され、マイナス金利深掘りによって再び鈍化する場面も訪れそうです。

NY金・日足チャート 2016/9/23 - 10/2424日のNY金相場は0.32%の反落。1260ドル台半ばでの揉み合い状態から米指標結果を受けて小幅に乱高下。9月のシカゴ連銀全米活動指数が予想を下回って2カ月連続のマイナス圏となり、過去3カ月分も下方修正、3カ月平均では1年7カ月連続マイナス圏となる低迷状態となったことをきっかけに1270ドル台へと急騰。しかし、その後発表されたマークイットの10月製造業PMIの予想外の好結果を受けて急落、元の水準をややオーバーランしてこの日の安値1260ドルちょうど付近まで下落。結果的にはほぼ1260ドル台での揉み合い推移に終始、上値目安1280ドル台を目指す流れのなかでの足踏み状態。ゆるやかに上昇する200日移動平均線を4日ぶりに下回ったものの、この節目ラインとの攻防を続けながら、ゆっくりと水準を切り上げるような展開も予想される。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/23 - 10/24NYプラチナ相場は0.73%高となり、4営業日ぶりの反発。保ち合い下限930ドルからの反発基調が時間外から続き、NY市場での乱高下局面では940ドルから950ドルまでの行って来い。保ち合い上限にいったんは上値を押さえられてしまった形。それでも940ドル前後での推移を維持し、ようやく流れは好転し始めた様子も。950ドルの節目上抜けなら970ドル前後までの反発余地、930ドルの重要なサポートラインを割れた場合には900ドルの大台ラインが意識される展開も。

ドル円・日足チャート 2016/9/23 - 10/24ドル円は0.34%の反発で6日ぶりの終値104円台。103円台後半での揉み合い状態からNY市場で104円台へと上昇した直後のシカゴ連銀全米活動指数の下振れで104円割れへと反落し、マークイット製造業PMI上振れがこれをカバーして一時104円30銭台まで急騰。103円前半から104円前半までの保ち合い上限付近でいったんは上値を押さえられた形も、今朝の東京市場では株高の流れにも支えられて再び上限トライの攻防。失速しつつあったドル高円安の流れもわずかに吹き返し始めた様子も。しかし、ドル・インデックスも2月以来の高値水準98ポイント台後半で揉み合い状態となり、高値警戒感との攻防。ドル高警戒感にも負けず104円台半ば以上へと水準を切り上げることができれば上方視界が開け、106円台辺りまでの上昇余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/24終値とチャート

25日の国内金価格は0.18%の反発で10月5日の急落以降での高値水準をわずかに更新。NY金の下げ渋りと若干の反発余地、為替の円安方向への動き出しの可能性、のどちらかが国内金価格のゆるやかな上昇基調をサポートする状態はもうしばらくは続きそうな状況。4600円付近を上値目標に地道な堅調地合い継続へ。

プラチナ価格は1.25%の大幅高となって4営業日ぶりの反発。10月13日(3399)以来の水準を回復し、ようやく底打ち確認と流れ好転への可能性が高まった状態に。3350円から3400円のレンジを形成し、目先は上限との攻防へ、突破成功なら3480円付近が次の上値目標に。ただし、逆流の展開で下限割れの場合には新たな大幅下落局面形成への警戒感も残る。
※参考:金プラチナ国内価格10/25とチャート

2016年10月25日(火)時点の相場
国内金4,540 円 10/25(火) ▲8(0.18%)
国内プラチナ3,394 円 10/25(火) ▲42(1.25%)
NY金1,263.7 ドル 10/24(月) ▼4.0(0.32%)
NYプラチナ939.1 ドル 10/24(月) ▲6.8(0.73%)
ドル円104.18 円 10/24(月) ▲0.35(0.34%)

10/24(月)のその他主要マーケット指標

強弱まだら模様の米経済指標にドル高加速せず、金は安定推移へ 10/26(水)

世界的にも回復基調を示し始めた製造業PMI 10/25(火)

国内プラチナ価格、年間平均では11年ぶり安値水準 10/24(月)

年末に向けて賃金上昇率加速を示唆する賃金上昇トラッカー 10/22(土)

米製造業復活を牽引するフィラデルフィア連銀製造業景況指数 10/21(金)


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