金プラチナ短期相場観

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米製造業復活を牽引するフィラデルフィア連銀製造業景況指数

更新日:2016年10月21日(金)

フィラデルフィア連銀製造業景況指数 2016年10月米10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は、市場予想の+5.0程度を大きく上回る+9.7と好結果。8月の+12.8からは低下したものの、3カ月連続でのプラス圏を維持し、6カ月平均では5カ月連続のプラス圏で昨年9月(4.6)以来、1年1カ月ぶりの高水準となる+3.4まで上昇。2015年末から2016年初まで続いたマイナス圏の低迷期からは完全に抜け出し、上昇基調に転じた状態となっています。

内訳では、新規受注が2014年11月(29.1)以来ほぼ2年ぶりの高水準となる16.3へと上昇。出荷も3月(22.1)以来7カ月ぶりの高水準となる15.3へと上昇。
仕入れ価格はプラス圏ながらも3カ月ぶりの低水準となる7.0へと低下し、販売価格も3カ月ぶりのマイナス圏となる-3.7へと低下。ここでもインフレ動向はまだ芳しくないようです。

半年後の見通しを示す期待指数は32.6と2カ月連続の低下ながらも相対的にはまずまずの高水準を維持した状態。
また、他の地区連銀でも共通して弱い雇用指数は、フィラデルフィア連銀でも低調で今年1月から10カ月連続のマイナス圏推移。ただし、2009年7月(-22.6)以来7年ぶりの低水準となっていた8月の-20.0からは9月に-5.3へと急反発、10月も-4.0へと上昇。6カ月平均でも9月の-11から10月には-8.6へと反発。
6カ月平均の推移で見ると、総合指数が今年2月に底値をつけて反発に転じたのに続き、雇用指数も2014年末から続いた低下基調が今年9月に底を打った可能性を示す形となっています。

低迷期を脱しきれないNY連銀の製造業とは対照的に、フィラデルフィアの製造業は全米の製造業復活を牽引する状態となりつつあるようです。

NY金・日足チャート 2016/9/21 - 10/2020日のNY金相場は4日ぶりの反落で0.19%の小幅安。ECB理事会では一部で予想されたQE延長の協議もなかったことがドラギ総裁会見で判明、そのいっぽうで噂のあったテーパリング観測についても否定。12月追加緩和への可能性を残した形でユーロは対ドルなどでの乱高下を経て急落、ユーロドルは一時6月24日以来4カ月ぶりの安値へ。対ユーロでのドル高が牽引する形でドル・インデックスは3月以来7カ月ぶり高値を更新。1270ドル台へと水準を切り上げていた金にも下押し圧力がかかり、2週間ぶりの高値水準となる1275ドル台まで上昇後に1270ドル割れへと小幅急反落。しかし安値も1265ドル台までと底堅さも見せ、上値目安1280ドル台に向けてもうひと伸びへの可能性を維持。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/21 - 10/20NYプラチナ相場は0.86%安となって続落。この日も高値は948ドルまで、3日連続950ドル前後の水準で上値を押さえられた後はユーロ安に連動する形で930ドルまで下落、上限と下限を確認する形となって930ドルから950ドルの小幅保ち合いレンジを形成。下限割れの場合には910ドル近辺が次の下値目安となり、上限ブレイクなら970ドル程度まで上値余地拡大へ。

ドル円・日足チャート 2016/9/21 - 10/20ドル円は4日ぶりの反発で0.49%のドル高円安。ドル全面高の流れ再開でドル円も押し上げられた状態となり、前日の保ち合い下方ブレイクは一時的にとどまってレンジ内回帰へ。ドル・インデックスは3月初旬以来の98ポイント台前半まで上昇しており、100ポイントの大台が警戒される状況。その水準まで上昇すれば米当局からのドル高懸念発言なども警戒され、一方的なドル高も進み難い状況に。ドル円はあらためて103円前半から104円半ばの保ち合い状態からの上下双方向へのブレイク待ち状態へ。上方向なら106円台も予想され、下方向なら101円台へと大きく動き始める展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/20終値とチャート

21日の国内金価格は0.22%の小幅高となって3日続伸、10月4日(4597)以来半月ぶりの水準を回復。NY金の小反落を円安がカバーして上昇基調をかろうじて維持した形。半月前の水準が当面の上値目標水準となるが、今回は短時間で到達できそうな状況にはなく、さらに半月程度先、月初の米指標トリガを待つことになるような展開も想定される。
週間ベースでは+39円(0.87%)、4週間ぶりの反発。

プラチナ価格は0.83%の続落。1月22日(3340)以来9カ月ぶりの安値水準となり、一方的な下落トレンドは収束していなかった可能性も浮上。ポジティブに見ればレンジ下限となる3350円台でなんとか踏みとどまった状態。ネガティブな見方をすれば14日の3359円を下回り、わずかに下方ブレイク。ダマシでなければ下落基調再開で今年安値をさらに更新し、3300円割れへと水準を切り下げるような展開も想定される。反転し、3400円の節目上方ブレイクの場合には3500円付近を目指すような反発局面形成の可能性も残るが。
週間ベースでは-6円(0.18%)の小幅安、8月に続き今年2度めの4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/21とチャート

2016年10月21日(金)時点の相場
国内金4,536 円 10/21(金) ▲10(0.22%)
国内プラチナ3,353 円 10/21(金) ▼28(0.83%)
NY金1,267.5 ドル 10/20(木) ▼2.4(0.19%)
NYプラチナ935.4 ドル 10/20(木) ▼8.1(0.86%)
ドル円103.95 円 10/20(木) ▲0.51(0.49%)

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