金プラチナ短期相場観

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ダラス連銀製造業活動指数とNY原油

更新日:2017年3月28日(火)

ダラス連銀製造業活動指数とNY原油 2017年3月3月のダラス連銀製造業活動指数は16.9となり、2006年4月(24.7)以来10年10カ月ぶりの高水準となった2月の24.5からは低下しました。7カ月ぶりの反落となり、2年弱もの間マイナス圏推移となっていた低迷期を抜け出した後の加速基調も一服となった状況です。
生産指数は2014年7月以来2年8カ月ぶりの高水準となる18.6へと上昇したものの、設備稼働率は12月、新規受注は1月をピークに減速傾向、雇用も2月から、設備投資も1月から減速傾向となっています。半年後の見通しを示す指数も2004年12月(50.6)以来12年ぶり高水準となった1月の43.7からは2カ月連続の低下で36.3。

全般的に好調時のピークを過ぎて減速傾向へと流れが変わり始めた可能性も警戒するような推移は、NY連銀やフィラデルフィア連銀の製造業景況指数の推移にも一致します。

また、エネルギー関連産業の多いテキサス州がメインとなるダラス連銀管轄地区の景況感は、原油価格にも大きく影響されます。
3月に入って急落したNY原油価格は月間平均でも現時点で49.67ドルとなり、2月の53.46ドルから低下、4カ月ぶりの50ドル台割れとなっています。

シェール・オイルの増産とともに景気回復が急速に進行してきたテキサス州では、原油価格の下落とともに減産懸念と景気失速懸念が再び高まることを警戒し始める状況となってきたかもしれません。
シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は「年内4回の利上げのためにはインフレがより力強く上昇する必要」としていますが、原油価格の上昇基調失速はインフレ上昇基調の失速へとつながり、テキサス州以外の米各地区の景気にも影響を及ぼすことになります。

原油価格の反落、低迷状態が続けば、インフレ失速とともに米国の景況感失速、そして利上げ見通し失速へとつながりそうです。

NY金・日足チャート 2017/2/21 - 3/2727日のNY金相場は0.58%続伸。オバマケア代替法案取り下げの余波で株安・金利安・ドル安の流れが欧州市場まで続いたことを受け、NY朝には今年最高値となった2月27日以来1カ月ぶりに1260ドル台まで上昇。終値でも1カ月ぶり高値水準となる1250ドル台半ばを維持したものの、NY市場ではリスク回避の巻き戻しの流れとなって小幅に反落。NYダウは5年8カ月ぶりの8日続落とはなったものの、トランプ政権運営不安懸念が残るなかでの反動の動きと減税などの経済対策への期待感も継続し、一方的にリスク回避的な流れが進行するような状況にはまだ至ってはいない様子。NY金は1260ドルの節目トライ1回めに失敗した形。トランプ政権への不信感が強まるようなら再度上値トライへ、節目突破できれば1300ドルの大台が意識される展開へ。

NYプラチナ・日足チャート 2017/2/21 - 3/27NYプラチナ相場は0.11%の小幅高で3日続伸。NY金が1260ドル台まで上昇したNY朝には、3月6日以来3週間ぶりの高値水準となる980ドル台半ばまで大幅上昇。しかし、その後の調整反落の値動きも荒く、この日そこまでの上昇幅の大半を打ち消して970ドル割れへ。保ち合い上限970ドル台半ばを上抜けた勢いを維持出来ず、長い上ヒゲを残してのレンジ内回帰。960ドルから970ドル半ばまでの小幅保ち合い継続となり、改めて上抜けなら1000ドル近辺トライへ、下抜けの場合には930ドルの安値トライへ。

ドル円・日足チャート 2017/2/21 - 3/27ドル円は0.52%のドル安円高で110円台へと反落。東京市場朝に110円20銭台まで急落後、NY市場序盤までは110円台前半での揉み合い推移、110円10銭台の安値圏では底堅さも。終値では11月17日以来の円高水準となる110円半ばへと水準を切り下げたことで、短期的には再度110円前後までを試す可能性も。円安方向へは111円台半ばが節目となり、上抜けできれば112円台半ばまでの反発も。トランプラリーの半値戻しをほぼ達成した状態にあり、水準的にはいったん反発も想定されるが、ドルインデックスでは全値戻し目前となる99.00ポイント台まで下げており、もう一段安も警戒されるところ。ドル円としての61.8%戻しは107円80銭台となり、この1-3月の保ち合い水準下抜けに伴う下値目安108円近辺が中期的な円高警戒水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/27終値とチャート

28日の国内金価格は0.19%の小幅続伸。NY金の大幅上昇からの巻き戻し、為替の円高急進からの小反発とのバランス状態に伴う揉み合い状態が継続。下押し圧力は徐々に緩和される状況にあり、4790円のレンジ上限突破なら4850円近辺が上値目標に、4730円台の下限割れの場合には4690円近辺が下値目安に。

プラチナ価格は0.22%の小幅反落。下値目安3680円近辺ほぼ到達後の小康状態が継続。円高基調に加えてNYプラチナの不安定な状態が反発への動きを抑制する状況に。NYプラチナが下振れるようなら国内価格も一段安への警戒感も。行き過ぎ警戒水準としては3600円台前半も。
※参考:金プラチナ国内価格3/28とチャート

2017年3月28日(火)時点の相場
国内金4,773 円 3/28(火) ▲9(0.19%)
国内プラチナ3,691 円 3/28(火) ▼8(0.22%)
NY金1,255.7 ドル 3/27(月) ▲7.2(0.58%)
NYプラチナ969.0 ドル 3/27(月) ▲1.1(0.11%)
ドル円110.66 円 3/27(月) ▼0.57(0.52%)

3/27(月)のその他主要マーケット指標

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ダラス連銀製造業活動指数とNY原油 3/28(火)

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