金プラチナ短期相場観

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南アフリカ政局混乱で南アランド急落、プラチナは一段安警戒水準

更新日:2017年3月31日(金)

南アフリカランドとプラチナ相場 2017年3月30日南アフリカの通貨、南アフリカランドの対ドル為替レートは、2011年4月には1ドル=6.5ランドの水準にありました。そこから長期ドル高ランド安トレンドが続き、2016年1月には1ドル=17ランドの過去最安値水準を記録したところで流れが反転。ドル安ランド高トレンドが1年2カ月以上続いてきました。

3月24日時点での為替は1ドル=12.43ランド台。2015年7月以来、1年8カ月ぶりのドル安ランド高水準となっていました。
ところが、今週に入って南アの政局混乱が久々に勃発。トラブルメーカーのズマ大統領によるゴーダン財務相解任騒動に伴い、これを嫌気した市場は急激なランド売りで反応、30日時点では1ドル=13.30ランド付近まで急落しています。

ズマ南ア大統領の財務相解任騒動は2015年末、ランドが最安値へと向かっていた時期にも発生し、当時は二転三転し、最終的にゴーダン財務相に落ち着いていました。

今回の騒動がどういう形で決着するのか、不透明感も残る状況ですが、とりあえず南アランドは13.30ランド近辺の重要な節目水準に到達したことで、いったん反発か、もしくはランド安継続かの分岐点に差し掛かってきた可能性もありそうです。過去の推移から見た場合の次のサポート水準候補としては14.0ランド付近。

ランド急落にも連動するように、NYプラチナ相場も950ドル付近まで下落しています。為替USDZARとNYプラチナ相場との90日間の相関係数は3月上旬には-0.770台まで逆相関関係が強まり、足下では-0.56台へと若干弱まってはいますが、影響を受けやすい状態は続きます。
南アランドが14ランドへと向かい始めた場合、NYプラチナも一段安が警戒され、次のサポート水準は900ドル近辺、ということにもなりそうです。

今回の件が早期収束を迎えた場合でも、4月7日にはムーディーズによる南アフリカの格付け見直しが予定されており、見通し「ネガティブ」の南ア格下げ懸念という次のランド安リスクが待ち受けることになります。

NY金・日足チャート 2017/2/24 - 3/3030日のNY金相場は0.69%安で3日続落。終値では4日ぶりに1250ドルを割り込み、3月20日(1234.0)以来10日ぶりの水準。米GDP確報値上振れなどを受けたドル高の流れに押される形となり、1250ドルをはさんでの小幅保ち合いから下抜けトライの動きに。3月10日安値から27日高値までの上昇幅に対し、23.6%戻し(1245.3)を達成した状態にあり、1240ドル割れなら38.2%(1235.6)から50%(1227.8)程度まで、1230ドル前後までは下げやすく、また、いったんはサポート水準にもなりやすいところ。上方向にはダブルトップ形成懸念もある1260ドルの抵抗感は強く、突破のためにはかなりのネガティブ材料も必要。

NYプラチナ・日足チャート 2017/2/24 - 3/30NYプラチナ相場も3日続落で0.09%の小幅安。いったんは落ち着きそうにも見えた南アフリカの政局混乱懸念は、今朝にはズマ大統領が内閣改造とゴーダン財務相解任との報道が伝わり再燃。南アランドは再び急落し、先週末の1ドル=12.40ランド台から今朝には13.30ランド近辺へと7%弱のドル高ランド安。ランド安(ドル・ランド上昇)なら逆相関傾向が強いプラチナ価格は下落しやすくなるものの、相関性が強く比較的底堅く推移する金に支えられる状況。しかし、保ち合い下放れからの流れが進行中で当面の下値目安は930ドル近辺まで。

ドル円・日足チャート 2017/2/24 - 3/30ドル円は0.78%のドル高円安となり、111円90銭台までの大幅反発。米GDP上振れを受けて111円半ばまで急騰後には、トランプ米大統領が為替操作国へのペナルティを模索との報道が伝わり111円まで急反落。しかし2.4%超へと上昇基調を強める米10年債利回りに追随する形で持ち直し。連日のFRB高官によるタカ派発言にも支えられるように堅調推移へ。111円半ばの節目を上抜けたことにより、目先112円台半ば辺りまでは上昇余地拡大。本日の米インフレ指標から次週雇用統計までの結果がそれなりの水準を維持できれば、今回のドル安円高局面は110円10銭台で底をつけた可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/30終値とチャート

31日の国内金価格は0.13%の小幅安となり、5日ぶりの反落。小幅保ち合いの上限4790円上抜けからの失速で保ち合い圏内逆戻り。しかし、流れは徐々に上方向へと好転の兆しもあり、引続き9日移動平均線が21日移動平均線をゴールデンクロスできれば上昇基調加速へ。当面の上値目標は4850円近辺まで。
週間ベースでは+24円(0.5%)の反発。月間では-64円(1.32%)で4カ月ぶりの反落。

プラチナ価格は0.41%の反落。やはりNYプラチナの軟調推移継続に連れる形で上値の重い展開に。3660円から3680円台までの小幅保ち合いを形成し、下げ止まって反発への流れスタートか、もしくは一段安への分岐点。前者なら当面の上値目安は3740円前後まで、後者なら下値のメドは3610円台辺りまで。
週間ベースでは-20円(0.54%)で続落。月間では-313円(7.86%)の大幅安となり、5カ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格3/31とチャート

2017年3月31日(金)時点の相場
国内金4,786 円 3/31(金) ▼6(0.13%)
国内プラチナ3,667 円 3/31(金) ▼15(0.41%)
NY金1,245.0 ドル 3/30(木) ▼8.7(0.69%)
NYプラチナ951.6 ドル 3/30(木) ▼0.9(0.09%)
ドル円111.91 円 3/30(木) ▲0.87(0.78%)

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