金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

政局不安で格下げ懸念高まる南アフリカ情勢がプラチナ価格の重石

更新日:2017年4月3日(月)

国内プラチナ価格・月足と20カ月移動平均線 2017年4月3日南アフリカのズマ大統領がゴーダン財務相更迭を含む内閣改造を発表したことで、南ア政局混乱に強引に終止符を打とうとしています。しかし、汚職疑惑も絶えず市場からも好意的に見られないズマ大統領が、財政改革を推進してきたゴーダン財務相を更迭したことが市場の不安を煽る形となって南アランドの急落を招き、これがプラチナ価格の重石にもなっています。

このことは、単なる政局不安にとどまらず、財政再建失敗への可能性を示すことになり、南アフリカ国債の格下げリスク懸念がにわかに急拡大してきました。
現時点で南アフリカの格付け見通しは大手3社全てが「ネガティブ」としていますが、今週末にはムーディーズが格下げに向けたレビュー結果を発表するものと思われます。
ただし、ムーディーズによる南アの格付けは現在「Baa2」であり、1段階引き下げられたとしても「Baa3」。投資適格水準の最低ランクにはとどまることになります。

しかし、昨年11月に格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げていたフィッチ・レーティングスも先週末に声明を発表し、当時から懸念していた政治的不安が拡大した形となり、政府債務安定化の失敗と債務増加も懸念され、GDPの持続的回復も見られないことから、格付け見直しの可能性を示唆しています。
現在、フィッチの南ア格付けは「BBB-」。一段階の格下げで投資不適格水準となり、さらなる南アランド売りを誘発する可能性もありそうです。
そうなった場合、昨年6月に「BBB-」据え置きとしていたS&Pもジャンク債へと引き下げることも想定され、大手3社のうち、2社が南ア国債をジャンク債扱いとすることになります。

そんな状況を背景に、国内プラチナ価格も上値の重い状態となり、月足チャートでは今年1月に2年ぶりに20カ月移動平均線を上抜けていましたが、3月の急落でこれを下抜け。3月末時点での20カ月移動平均は3754円、4月3日時点では3726円となり、1年10カ月続落状態となっています。
短期的にはさらなる急落状態が一方的に続くような状況とも思えませんが、2015年半ば以降の長期下落トレンドからは、完全には抜け切れていない状態です。
中長期トレンド転換に向けての当面の課題は、20カ月移動平均線上抜けと、20カ月移動平均線自体の下落基調が止まること、ということになります。

国内金価格・月足と20カ月移動平均線 2017年4月3日対象的に国内金価格は、20カ月移動平均線を上回る水準での推移が4カ月めに突入しています。3月末時点での20カ月移動平均は4669円、4月3日時点では4672円となり、小幅に3カ月続伸という状況です。
ただし、2013年以降の20カ月移動平均線は概ね横ばい推移となり、大きなトレンドが発生し難い状態となってきているようにも見えます。この間、下値は切り上げ傾向にはあるものの、上値も伸ばし切れない状態です。
国内金価格は、20カ月移動平均を上回る状態がどこまで続くか、20カ月移動平均線自体のゆるやかな上昇傾向がどこまで続くかが、当面の注目点となります。

3日の国内金価格は0.1%の小幅続落。NY金が1240ドル台後半、為替が1ドル=111円台前半で小康状態となる静かな新年度入り。4760円から4790円までのレンジでの保ち合い継続の様相となってきた国内金価格は、流れは徐々に上向きつつある状態を維持し、どちらかと言えば再度上抜けトライへと向う可能性のほうがやや優勢か。上値トライでの当面の目標水準は4850円近辺まで、逆に下方向へ4760円割れの場合には4700円も割り込んで4690円前後までを下値目安とする下落基調再開の可能性も。

プラチナ価格は先週末から変わらず。時間外のNYプラチナが950ドル台へと買い戻されていることで下値を支えられる状態。金に遅れながらも下げ止まりへの可能性も示す状況での小幅保ち合い継続。目先の抵抗線となっている9日移動平均線(3688円)を上抜けできれば短期反発局面スタート、上値目安は3月半ば水準3740円台へ。しかし、安値更新で3660円割れの場合には一段安の展開で3610円台が下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/3とチャート

2017年4月3日(月)時点の相場
国内金4,781 円 4/3(月) ▼5(0.10%)
国内プラチナ3,667 円 4/3(月) +-0(0.00%)
NY金1,247.3 ドル 3/31(金) ▲2.3(0.18%)
NYプラチナ948.2 ドル 3/31(金) ▼3.4(0.36%)
ドル円111.36 円 3/31(金) ▼0.55(0.49%)

3/31(金)のその他主要マーケット指標

3月製造業PMI、米国は失速、新興国は加速、回復基調が鮮明に 4/4(火)

政局不安で格下げ懸念高まる南アフリカ情勢がプラチナ価格の重石 4/3(月)

2月PCEデフレーターはシンメトリックなインフレ目標2%を突破 4/1(土)

南アフリカ政局混乱で南アランド急落、プラチナは一段安警戒水準 3/31(金)

トランプ政策に関わらず好調を示す米主要経済指標一覧 3/30(木)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ