金プラチナ短期相場観

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シカゴ連銀全米活動指数は2年5カ月ぶり高水準で第2四半期に加速

更新日:2017年5月23日(火)

シカゴ連銀全米活動指数 2017年4月シカゴ連銀が発表した4月の全米活動指数は+0.49となり、3月の+0.07から大幅急騰。2014年11月(+0.50)以来、2年5カ月ぶりの高水準となりました。
内訳では、生産・所得が+0.46となり、これも2014年11月(+0.49)以来2年5カ月ぶりの高水準。雇用・労働時間は3月の+0.05から+0.10へと上昇し、売上・受注・在庫は3月の+0.07から0.00へと低下、個人消費・住宅指数は3月の-0.06から-0.08と低下し9年11カ月連続マイナス圏。

プラス圏なら過去の平均以上の成長を示すシカゴ連銀全米活動指数は、総合指数では3カ月連続のプラス圏となり、金融危機後のピーク水準、+0.5から+0.6近辺までのレンジに迫る水準まで上昇してきました。
3カ月平均でも4月に+0.23となり、5カ月連続のプラス圏で2014年12月(+0.24)以来2年4カ月ぶりの高水準となっています。3カ月平均での金融危機後のピーク水準は、2010年5月の+0.56、2012年2月の+0.33、2014年4月の+0.42と概ね2年前後のサイクルとなっていました。

最後のピークから丸3年経過し、水準的にも比較的高水準となり、第2四半期に加速の兆しとなった現状からは、若干の上昇余地も残される状況のようにも見えますが、着実に好調期のピーク水準に近づいている様子もうかがえます。
もし、早期にピーク水準に到達し、年後半に向けて失速基調が進行するような展開となった場合には、シカゴ連銀のエバンス総裁が今月前半に言っていたとおり、「あと1回の追加利上げで十分となる可能性」が現実化するかもしれません。

NY金・日足チャート 2017/4/18 - 5/2222日のNY金相場は0.62%の続伸で4月28日(1268.3)以来の高値水準に。トランプ米大統領の中東訪問と同時にVIX指数は再び10ポイント台の低水準へと急落、鬼のいぬ間に米政治リスクは一時的に緩和された形だが、メルケル独首相の「ユーロは弱すぎる」発言にユーロが一段高となり、ドルインデックスを半年ぶり低水準へと押し下げた。今朝には英マンチェスターで爆発事故も発生。複数のサポート要因に支えられ、金は重要な節目となっていた1260ドルをわずかながら上抜けたことで、一段高への可能性を高めての堅調推移継続へ。当面の上値余地は1280ドル台辺りまで、今年高値更新に向けてはもう少し強めの材料も必要か。なお、巻き戻しの展開となって1250ドルのサポートライン割れの場合には5月安値圏となる1220ドル近辺までの下落も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/4/18 - 5/22NYプラチナ相場は1.07%の大幅続伸となり、4月25日(957.6)以来ほぼ1カ月ぶりの高値水準。3日連続で上値を押さえられていた950ドルの節目に到達したものの、今朝の時間外ではこれを維持できずに小幅反落。早々の950ドル台回復を条件に上値目標960ドル台へと水準を切り上げる可能性。950ドルを回復できない場合には930ドル台から950ドルまでの小幅保ち合い継続へ。改めて上値トライへの可能性を残しつつ、下限割れの場合には5月初旬の底値圏、910ドル近辺を再度試しに行く可能性も。

ドル円・日足チャート 2017/4/18 - 5/22ドル円は0.07%の小幅ドル高円安、先週末からほぼ変わらずの横ばい推移。しかしユーロ高に牽引されるドル安地合いは続き、111円台後半では上値が重く、徐々に上値を切り下げ下値も低下傾向の展開で一時111円割れ。米政局リスクへの懸念もくすぶり続け、目先は111円半ばを上限に110円台後半までの小幅保ち合い状態に。ドル安の流れがもう一段進行するようなら、直近安値110円前半トライで110円割れも。200日移動平均線の109円後半辺りが当面のサポート水準候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/22終値とチャート

23日の国内金価格は0.19%の小幅続伸で5月2日(4839)以来、3週間ぶりの高値水準。反発への勢いは強まらないなかでも4780円から4820円までの短期保ち合いレンジ上限を突破。一方的な流れが急速に進むような状況にはないものの、当面の上値余地は今年最高値圏となる4880円近辺まで拡大。9日移動平均線が21日移動平均線をゴールデンクロスし、サポートラインとなるような展開となれば高値更新トライへも。

プラチナ価格は0.53%の続伸。底値圏での乱高下状態から反発基調形成へ、という流れを目指しての保ち合いのなかでの上昇局面。金との価格差は1192円と再び1200円割れへと縮小の兆しも示唆。このまま縮小傾向が続き、3660円台の保ち合い上限をしっかりと上抜けることができれば3月後半高値超えとなる3780円近辺までの上昇局面形成へ。その一方で、底値圏での乱高下継続で3580円割れへと反落の場合には今年安値を大幅更新するような展開となる可能性も残される。
※参考:金プラチナ国内価格5/23とチャート

2017年5月23日(火)時点の相場
国内金4,827 円 5/23(火) ▲9(0.19%)
国内プラチナ3,635 円 5/23(火) ▲19(0.53%)
NY金1,261.4 ドル 5/22(月) ▲7.8(0.62%)
NYプラチナ950.3 ドル 5/22(月) ▲10.1(1.07%)
ドル円111.29 円 5/22(月) ▲0.08(0.07%)

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