金プラチナ短期相場観

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トランプ政権期待失速の5月、労働市場とフィリー指数は加速へ

更新日:2017年5月19日(金)

フィラデルフィア連銀製造業景況指数 2017年5月5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー指数)は、18.5程度の市場予想に反して38.8と大幅上振れ。1984年1月(47.0)以来33年1カ月ぶり高水準となっていた2月の43.3に次ぎ、この33年間余りで2番めの高水準。3月の32.8、4月には22.0へと失速の兆しも見られた状態から、再び急加速する形に。

6カ月移動平均も4月の25.0から5月は30.0へと大幅上昇し、2004年8月(30.2)以来12年9カ月ぶりの高水準。6カ月平均では2-3年サイクルで好調期のピークをつける傾向があり、時期的にも水準的にもそろそろその時期もとの警戒感を打ち消すように一段高となりました。
NY連銀の指数が5月に-1.0へと急失速し、6カ月平均でも4月の9.4から5月に8.9へと小幅に下降し、ピークをつけた可能性を示したのとは対象的な結果となっています。

なお、フィリー指数の構成指数では、出荷が39.1となって2004年7月(39.4)以来12年10カ月ぶり、平均労働時間は21.7となって1987年10月(22.8)以来29年7カ月ぶりの高水準を記録。新規受注や雇用指数なども高水準を維持する状態となっています。ただし、半年後の見通しを示す期待指数は3月の59.5をピークに2カ月連続低下で34.8となって半年ぶりの水準とやや低調。

また、この日発表された新規失業保険申請件数も好調を維持し、5月雇用統計対象週となる13日までの週は23.2万件となり、過去44年間では今年2月末の週に次いで2番めの低水準。さらに失業保険継続受給者数も28年半ぶりの低水準へと改善傾向が進行中。

トランプ政権への不信感、不透明感も強まり経済政策進行遅延も懸念され、政権期待は失速傾向となりつつある5月、労働市場や一部の製造業景況感は加速の兆しを見せています。

NY金・日足チャート 2017/4/13 - 5/1818日のNY金相場は7日ぶりの反落で0.47%安。時間外、欧州市場までは1260ドル台の高値圏を維持し、5月1日(1272.4)以来の高値となる1265ドルまで上昇後に反落。NY市場ではフィラデルフィア連銀製造業景気指数や失業保険申請件数も好調を維持したことなどもあり、リスク回避の巻き戻しの展開となって1240ドル台半ばまで20ドル弱の大幅下落。ただし反発の流れは継続中との見方で、目先は1240ドル付近がサポートライン候補、上方向には1260ドルの重要水準がまたも抵抗水準に、超えることができれば今年高値圏1280ドル台への再トライへ。

NYプラチナ・日足チャート 2017/4/13 - 5/18NYプラチナ相場は0.98%安となって4日ぶりの反落。時間外には950ドルを何度かトライして失敗、NY市場にかけての反落の流れで一時930ドルまで、金と同様20ドル弱の大幅下落となって前日上昇分を吐き出してしまった状態に。目先は950ドルの抵抗線を突破できれば960ドル半ばまでは比較的上昇しやすい水準。反発基調維持の為には930ドル付近まで下げてきた20日移動平均線までを維持したいところだが。

ドル円・日足チャート 2017/4/14 - 5/18ドル円は0.62%のドル高円安となって3日ぶりの反発。前日の230ポイントの大幅安に対して70ポイントの反発でほぼ3分の1戻しとなり、絶好の戻り売り水準とも言える111円台半ばでは売り圧力も強まり、反発継続か下値再トライへの分岐点に。米株や長期金利の反発、下げ止まりに連れての反発も限定的となり、欧州株などは続落、VIX指数も今年高値圏を維持。110円台後半へと再び円高圧力が高まるようだと110円割れトライの展開も。反発基調継続に向けては112円台回復が待たれる状況か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/18終値とチャート

19日の国内金価格は0.52%安となって3日続落。ほぼ横ばい推移の高値膠着状態からの小幅急反落となり、反発方向に向けた流れも急失速。4780円近辺で推移する右肩上がりの90日移動平均線を完全に下抜けるようだと中期上昇トレンドにも黄色信号、短期的には3月安値4730円台までの一段安も見込まれる展開へ。ただし、米政局不安が燻る状態も続き、NY金の反発にサポートされて短期レンジ上限となる4820円を超えると今年高値圏再トライへと向う流れで4870円台までの上値余地拡大も。
週間ベースでは-11円(0.23%)となって小幅続落。

プラチナ価格は1.1%の大幅続落。21日移動平均の下で推移する9日移動平均線を下抜けたことで再び逆パーフェクトオーダーを完成し、5月10日につけた今年安値3561円も再度意識される水準となり、金との価格差もその10日以来となる1200円に再拡大。ただし、再び下押し圧力が強まる状況のようにも見えず、一時的な市場の乱高下に巻き込まれた状態のようにも。しかし、その延長線上で(確率は低いと予想されるが)今年安値更新となってしまった場合には底値保ち合いから下抜ける形となり、3500円を大きく割り込み、最大3400円半ばまでの大幅安の展開も警戒される。
週間ベースでは-24円(0.66%)の反落。
※参考:金プラチナ国内価格5/19とチャート

2017年5月19日(金)時点の相場
国内金4,788 円 5/19(金) ▼25(0.52%)
国内プラチナ3,588 円 5/19(金) ▼40(1.10%)
NY金1,252.8 ドル 5/18(木) ▼5.9(0.47%)
NYプラチナ936.8 ドル 5/18(木) ▼9.3(0.98%)
ドル円111.48 円 5/18(木) ▲0.69(0.62%)

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