金プラチナ短期相場観

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米Q2労働生産性上昇も単位労働コスト鈍化で低インフレ懸念継続

更新日:2017年8月10日(木)

非農業部門労働生産性 2017年第2四半期速報米労働省が発表した第2四半期の非農業部門労働生産性の速報値は、前期比年率+0.9%。市場予想の+0.7%程度を上回り、第1四半期の+0.0%も+0.1%へと小幅に上方修正。景気拡大局面で上昇しやすいこの指数は足下で上昇し、景気回復傾向となっていることを示します。
ただし、これまで好調期にはしばしば4%超の高水準を記録していた流れから、最近では2014年第3四半期(+4.4%)を最後に4%を超えることはなく、4四半期平均でもピーク水準は低下傾向。労働生産性の勢いは弱まり、経済成長を力強く支える状況でもないことを示しているようです。

7月12日の議会証言では、イエレンFRB議長が「生産性の伸びの低迷が賃金の伸びを抑制している可能性」を指摘していましたが、それを裏付けるような推移となっています。

単位労働コスト 2017年第2四半期速報単位労働コストの第2四半期速報値では、前期比年率+0.6%となり、市場予想の+1.1%程度を下回り、+2.2%から上方修正された第1四半期の+5.4%からは大きく鈍化しています。
生産単位当たりの労働コストを示すこの指標が上昇すると物価上昇へとつながり、鈍化すれば物価上昇を抑制することにつながります。
単位労働コストの近年のピークは2012年第4四半期の+13.2%、これ以降ピーク水準は切り下がり続け、4四半期平均でもゆるやかに低下傾向が続きます。

最近のインフレ指標低迷が続く状況と一致する推移となっています。
しかし、低インフレは一時的との見方が正しいとするならば、第3四半期以降、この指標も上昇傾向へと向うことになるはずです。
第3四半期のインフレ動向を見極める最初の材料が、今週末に発表されることになります。

NY金・日足チャート 2017/7/6 - 8/99日のNY金相場は1.32%の大幅反発。米朝緊迫感の高まりを背景にコンスタントに上値を切り上げる展開となり、NY引け後には一時1280ドル台半ばまで上昇し、6月8日(1291.5)以来2カ月ぶりの高値水準を記録。NY市場では金利低下とドル安円高の流れも下げ止まりの動きとなったのに対して、やや買われ過ぎ感も。週末の米7月消費者物価指数(CPI)が下振れるようなら上限トライもありか、との予想を上回る早いタイミングで1280ドル近辺に到達。ただ、ここから上は週末の指標結果次第の展開に。今晩の米7月生産者物価指数も参考情報となり、極端な結果となれば先行して動き出す可能性も。目先、保ち合い下限を1260ドルへと切り上げ、これを下回ると1240ドル割れも意識され、1280ドルラインをしっかり超えてくると今年最高値1298.8ドル近辺までが次の上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2017/7/6 - 8/9NYプラチナ相場は0.16%の小幅高となり、2012年9月以来ほぼ5年ぶりの10日続伸。ただし前回は10日間で13.97%の上昇率に対して今回ここまでの上昇率は5.79%と極めて限定的。高値では一時4月21日(986.0)以来3カ月半ぶりの水準となる985ドルまで上昇。しかし失速感と過熱感も伴い、2日連続で長めの上ヒゲを残し、急反落警戒感も高まるところ。7月安値からこの日高値までの23.6%戻し(962.9)辺りまでが目先の調整目安に。

ドル円・日足チャート 2017/7/6 - 8/9ドル円は0.23%のドル安円高で小幅続落。欧州時間まではリスク回避のドル高円高の流れ、ドル円では円高優勢となって一時109円50銭台まで下落。円高水準としては6月15日(109.27)以来、ほぼ2カ月ぶり。NY市場では米10年債利回りの反発とともにドル高円安へ、110円をはさんでの攻防が続き、今朝にかけてなんとか110円台を回復した状態。結果的には小幅保ち合い下限の110円ラインを死守した形となり、下げ止まりと反発をかけての物価指標待ちへ。再度110円割れなら108円半ばが意識され、111円超えへと反発できれば112円半ばまでが次の上値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/9終値とチャート

10日の国内金価格は0.94%の大幅反発。予想外のNY金大幅上昇によって予想外のレンジ上限4830円突破。CPI下振れならありうる、と見ていた上限突破を早めに達成してしまったことにより、結果が伴わなければ行き過ぎからの巻き戻しの展開へ。下方向への節目は4790円に切り上げ、これを下抜けた場合には今年1月安値4670円台も意識される下落トレンドがスタートする可能性も。週末の結果が伴えば、先行して動き出した流れが加速、大幅上昇トレンド形成へと向う可能性。この場合の当面の上値目標は、まずは今年高値更新と昨年高値付近、4930円台辺りまで。夏の大相場形成への可能性が高まる分岐点を迎えた国内金価格の動向判明は、連休明け。
週間ベースでは+26円(0.54%)の反発。

プラチナ価格はわずかに1円上昇。過熱感も高まり、NYプラチナの反落警戒感も高まるなかでの一服感継続。短期上値目標3710円台未達の状態で連休入り。もう一段水準を切り上げる為にはNYプラチナの行き過ぎ継続か、ドル高円安への大幅な巻き戻しが必要に。今年高値となった3月2日の3992円から今年安値6月14日の3529円までの38.2%戻しとなる3706円が上方向と短期目標到達に向けての重要な節目となり、23.6%戻しの3638円が調整反落の目安水準に。連休明けにはどちらかの目安水準へと到達か、大きく超えている可能性も。
週間ベースでは+27円(0.74%)となり、4月以来4カ月ぶりの続伸。
※参考:金プラチナ国内価格8/10とチャート

2017年8月10日(木)時点の相場
国内金4,836 円 8/10(木) ▲45(0.94%)
国内プラチナ3,684 円 8/10(木) ▲1(0.03%)
NY金1,279.3 ドル 8/9(水) ▲16.7(1.32%)
NYプラチナ976.1 ドル 8/9(水) ▲1.6(0.16%)
ドル円110.06 円 8/9(水) ▼0.26(0.23%)

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