金プラチナ短期相場観
夏枯れ相場入りの8月、金価格の上値トライはスタート待ち?
更新日:2017年8月7日(月)
米連邦議会が夏季休会となり、「就任したら休まない」と豪語していたトランプ米大統領も17日間の長期夏休み入り。月初の雇用統計までの重要指標ウィークも終え、市場も夏枯れ相場入りの気配が漂い始める8月第2週。
ゆるやかな上昇傾向が続く国内金価格の52週移動平均は4718円となり、2016年5月16日(4721)以来1年3カ月ぶりの高値水準。上方乖離率は前週の2.0%から1.7%へと縮小も、中期的にはゆるやかな上昇トレンドが続く状況。21週移動平均4804円とほぼ同水準にある金価格は短期的には横ばい推移傾向。21週標準偏差は先週から変わらずの26となり、過去9年間での最低水準を維持する低ボラティリティの夏枯れ状態。
水準的には2016年以降の高値圏での横ばい推移で三角保ち合いを形成し、その中ほどに位置する状況です。
米7月雇用統計が予想外にまずまずの好結果となったこともあり、三角保ち合い上抜けに向けた流れが加速することはなく、上昇確率の高い8月にも4900円台へと水準を切り上げるような展開も?との予想は裏切られ、ますはいったんスタート先送り、という状況に。
あらためて米インフレ動向が材料視され、月後半のジャクソンホールではドラギECB総裁のテーパリング示唆発言?でユーロ高ドル安の進行なども警戒され、月末にかけて再度ドル安金高の流れが強まる可能性も否定はできません。
昨年まで7勝1敗の高勝率を誇る8月の金価格、平均騰落率では+2.8%。7月末の4827円から2.8%上昇した場合、8月末には4962円。
過去の実績からは、この夏に金価格が4900円台へと上昇する確率はかなり高そうには見えます。
7日の国内金価格は0.21%安となって3営業日続落。ほぼ水平状態の90日移動平均線(4808)を2週間ぶりに下抜け、4830円の節目上抜けトライ失敗後の失速状態が続き、上向いていた短期トレンドは横ばい推移傾向へ。NY金の失速感と、週末の雇用統計を境にドル安の流れも底入れ、反転の可能性は示すもののイマイチ勢いに欠ける状態で国内金価格の下落基調加速への警戒感が高まる状況でもない。4750円台から4830円までのレンジ内推移はもうしばらく継続か。夏枯れ状態となって来た流れが大きく変化するきっかけとしては、週末の米7月消費者物価指数の結果が注目。
プラチナ価格の52週移動平均は3664円となり、2009年12月7日(3639)以来7年8カ月ぶりの低水準。中長期的な下落トレンドは継続中。しかし、先週の急騰で5カ月ぶりに52週移動平均を0.3%上回り、中期トレンド転換の兆し、とも言える状態。
21週標準偏差は52まで縮小し、過去9年間の最低を更新する低ボラティリティ。しかし、これまで-1シグマラインと揉み合う形で下落してきた流れから、21週移動平均と+1シグマラインをまとめて上抜け。
低ボラティリティ状態終焉とともに、当面のプラチナ価格の底打ちと反転を示唆する形となっています。
8月の過去実績では圧倒的優勢の金が出だしでつまづくのを横目に、五分五分のプラチナがロケット・スタートを果たした形です。
7日のプラチナ価格は0.55%高となって6日続伸。5月29日(3690)以来、2カ月ぶりの高値水準となり、鍋底保ち合い上方ブレイクに伴う上昇トレンドの勢いを維持し、3月22日以来およそ5カ月ぶりに200日移動平均線(3670)も上抜け。金との価格差は1123円となり、4月7日(1117)以来4カ月ぶりの水準まで急縮小。価格差縮小=プラチナ価格上昇のパターンどおりの展開で短期上値目標3710円台辺りまでもう少しの上昇余地。
※参考:金プラチナ国内価格8/7とチャート
- 2017年8月7日(月)時点の相場
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国内金 : 4,800 円 8/7(月) ▼10(0.21%) 国内プラチナ : 3,677 円 8/7(月) ▲20(0.55%) NY金 : 1,264.6 ドル 8/4(金) ▼9.8(0.77%) NYプラチナ : 969.0 ドル 8/4(金) ▲4.4(0.46%) ドル円 : 110.72 円 8/4(金) ▲0.68(0.62%)
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