金プラチナ短期相場観

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北朝鮮ミサイル日本上空通過でJアラート発動、金は一時1330ドル

更新日:2017年8月29日(火)

日本時間今朝6時頃に発射された北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過。北海道・襟裳岬の東、太平洋上に落下したミサイルによって、このところやや警戒感も薄れていたマーケットにも緊張感が走りました。NY市場終了後の空白の時間帯、日本では早朝のJアラート発動も緊張感を煽り、為替市場では急速に円高が進行、7時過ぎにドル円は4月18日以来、4カ月半ぶりの円高水準となる108円30銭台まで下落。
安全資産として円とともに買われる金もNY時間外取引スタートとともに急騰し、一時1330ドルまで上昇。昨年の米大統領選の時、11月9日につけた高値1338.3ドル以来、9カ月半ぶりの高値を記録しました。

NY金・日足チャート 2017/7/25 - 8/2828日のNY金相場は1.34%の大幅続伸。NY終値では1315ドル台、昨年9月30日(1317.1)以来、11カ月半ぶりの高値水準に到達。背景としてはジャクソンホール通過後のドル安の巻き戻しも進まず対ユーロでのドル安も継続、12月利上げの市場織り込みも31.7%まで低下、ハリケーン「ハービー」による被害や経済損失への懸念もあり、NY市場では株安も進行したことなどから1300ドルの節目を突破。保ち合い上限突破に伴う加速で一段高となった時間外には北朝鮮ミサイル発射を受けて上値目標1330ドル近辺まで一気に到達してしまった形。東京市場午前の時間帯にはやや落ち着きを取り戻し、1320ドル近辺まで値を戻す状況ながら、米10年債利回りは時間外で一時2.12%台まで下落し、ドルインデックスも92.1ポイント台まで低下し、長期サポート水準下限割れをうかがう状態。目先、若干の調整余地を抱えながらも主要レンジを1300ドル超へと切り上げた状態はしばらく続きそうな状況。

NYプラチナ・日足チャート 2017/7/25 - 8/28NYプラチナ相場は1.04%の大幅反発。980ドル台を回復しての反発基調が強まるも、NY市場では990ドルの保ち合い上限ラインを抜け切れない。時間外の金急騰局面に連れての上昇で節目を突破すると、一時1000ドルの大台目前まで上昇。今朝の時間外では990ドル台前半へと戻して落ち着き始めた状態。反落基調へと流れが変わり始めた矢先の急騰で上値トライ再開への望みをつないだ状態。このまま節目の990ドル超の水準を維持できれば再度大台トライで目標水準は1010ドル台まで。970ドル台へと切り上げたサポートラインを割り込むと940ドル台を目安に大幅調整リスクも継続。

ドル円・日足チャート 2017/7/25 - 8/28ドル円は先週末からほぼ変わらずの109円20銭台を維持、した後の地政学リスクで急落。24時間動き続ける為替市場において、最も薄商いとなる時間帯を狙ったかのように発射された北朝鮮のミサイルがおよそ8年ぶりに日本上空を通過したことでリスク回避の円高が急進。今年何十発と発射されたミサイルに鈍感となっていた危機意識も今回ばかりは過敏に反応した格好。これまでのように円高進行分を数分で全戻ししていたようには行かず、109円前半から108円30銭台までの急落後、東京市場午前には108円80銭付近までなんとか戻した状態。109円ラインでの底堅さも見られていた状態からの急落により、短期トレンド反転への可能性もやや後退。欧州・NY市場にかけて落ち着きを取り戻し、109円台を回復できればあらためて109円前半の保ち合いの攻防へ。戻し切れない場合には円高基調再開で、今年安値更新、107円前後までの円高進行の可能性も。109円台後半から110円台回復の場合には短期トレンド反転で当面の上値目標は112円近辺も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/28終値とチャート

29日の国内金価格は1.34%の大幅高となり、3日続伸。今年高値を更新し、昨年高値となった3月11日の4941円以来、1年5カ月半ぶりの高値水準に。日々の上昇率では今年最大となり、昨年7月末以来1年1カ月ぶりの大幅上昇。ミサイルの日本上空通過とともに金価格の上値目標4900円前後の水準も通過してしまった形。ある程度の巻き戻しは想定され、7月安値からここまでの上昇幅の23.6%戻しとなる4885円から節目の4900円近辺までが目先の調整目安にも。

プラチナ価格も1.03%の大幅反発となり、3月22日(3747)以来、5カ月ぶりの高値水準。保ち合い下抜けの可能性も高まっていた状態からの急反発となり、上昇トレンド再加速への可能性を示した状態。このまま3705円以上を維持できるなら当面の目標水準は3800円超えも。ただしその為にはNYプラチナの高値圏維持と大台回復が必要に。巻き戻しの余地があると仮定すると、目先は3670円台を下限とした保ち合い形成へ。巻き戻しの流れが加速し、3670円割れとなった場合には反落基調加速で今年安値圏となる3530円近辺も意識されるような展開となるリスクも。
※参考:金プラチナ国内価格8/29とチャート

2017年8月29日(火)時点の相場
国内金4,924 円 8/29(火) ▲65(1.34%)
国内プラチナ3,716 円 8/29(火) ▲38(1.03%)
NY金1,315.3 ドル 8/28(月) ▲17.4(1.34%)
NYプラチナ989.3 ドル 8/28(月) ▲10.2(1.04%)
ドル円109.26 円 8/28(月) ▼0.06(0.06%)

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