金プラチナ短期相場観

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消費者信頼感指数上振れと温度差?でリスク回避の巻き戻し加速

更新日:2017年8月30日(水)

コンファレンスボード・消費者信頼感指数 2017年8月コンファレンスボードが発表した8月の消費者信頼感指数は122.9となり、市場予想の120.7を上回り、2カ月連続の上昇。16年ぶり高水準となった3月の124.9以来、5カ月ぶりの高水準となり、2000年以降では2番めの高水準となっています。
米国の消費マインドは、第2四半期にやや失速傾向となっていたのが、第3四半期になって再び加速し始めています。
さらに、第2四半期には市場予想を下回る水準が続いたのに対し、第3四半期には予想を上回る高水準が続いていることに、市場は好感したようです。

東京市場での北朝鮮のミサイル発射を受けてリスク回避の流れが強まり、欧州市場でもその流れが続いていた状況から、この消費者信頼感指数の上振れがひとつのきっかけとなり、NY市場ではリスク回避の巻き戻しが急速に進行することになりました。

北朝鮮リスクに対する日米の温度差も感じられ、それ以外のリスク要因に対しても、比較的楽観視する向きが優勢となってきた様子もうかがえそうです。
主なリスク要因への市場認識としては、
・北朝鮮リスク・・・まだ米国本土への脅威ではなく、軍事介入リスクも小。
・「ハービー」リスク・・・マクロ経済への影響としては極めて限定的。
・債務上限問題・・・最終的にはクリアするだろう。
・トランプリスク・・・当面続くだろうが、今のところそれほど重要ではない。

といった見方が現状では優勢となっているのではないかと思われます。

夏休みの終わりとともに、市場の情勢としては、目先の経済指標の結果と、これに伴う金融政策動向にシンプルに向き合う本来の形に回帰して行きそうな状況となってきました。

NY金・日足チャート 2017/7/26 - 8/2929日のNY金相場は0.27%の小幅高で3日続伸。東京時間朝につけた1330ドルの高値から1320ドル前半へと反落後、欧州市場でもリスク回避の流れ再開の兆しで1330ドル台前半へと高値更新、しかしこれがピークとなってNY市場ではリスク回避の巻き戻しの展開へ。米8月の消費者信頼感指数の好結果などもきっかけに米長期金利の反発、ドル売りの巻き戻しの流れも加速。急騰後のNY金は急反落の展開で一時1310ドル付近まで下落。今朝の時間外でも1310ドル台前半での推移。1300ドルの節目超えに伴う上値目安1330ドル近辺までしっかり到達したことにより、長めの上ヒゲを残して反落を示唆。7月10日安値1204ドルからの上昇幅に対する23.6%戻し(1301.7ドル)、1300ドル台をどこまで維持できるかが目先の課題。週末にかけての米指標で好結果が続くようなら反落基調が加速する可能性も。1300ドルの大台、さらに1290ドルのサポート水準を割り込むようだと61.8%戻し(1252.9)付近までが当面の下値目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2017/7/26 - 8/29NYプラチナ相場は1.44%の大幅続伸。東京市場での990ドル前半から、欧州時間に入ると1000ドルの大台も突破、NY朝には1010ドル超えへと上昇。970ドル台から990ドルまでの高値保ち合い上抜けに伴う上値目安1010ドル台まで、一気に駆け上がった形となってその後は反落局面入りの様相。今朝の時間外では990ドル台半ばで推移。目先は反落警戒感が再び強まり、7月安値からの上昇幅に対する23.6%戻し(983.2)から20日移動平均(978.4)辺りまでがサポート水準に。

ドル円・日足チャート 2017/7/26 - 8/29ドル円は0.39%のドル高円安となって3日ぶりの反発。欧州時間に加速した戻り売りの流れで108円20銭台まで下落して東京市場朝の安値を更新、しかしこれがボトムとなり、今年最安値4月17日の108円10銭台手前で反発した形となってNY市場では109円90銭付近まで買い戻し。地政学リスクへの警戒感はあっさり巻き戻され、長めの下ヒゲ陽線を形成し、109円台前半の小幅保ち合いレンジ下抜けリスクを回避して逆に上抜けの兆し。目先は110円ラインが若干の抵抗水準とはなるものの、週末にかけての米指標動向次第で上抜けも。反発基調がスタートし始めた可能性もあり、当面の上値目標水準は112円近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/29終値とチャート

30日の国内金価格は0.39%高となって4日続伸。2015年7月7日(4948)以来、ほぼ2年2カ月ぶりの高値水準に到達。月末になってようやく保ち合いを上抜けての急上昇局面を形成し、今年の夏の高値目標のひとつとなっていた2016年高値4941円をわずかに上回り「金の季節8月」の面目躍如。ただし、短期的にはRSIも85.5まで上昇し、反落警戒感も高まる状況。ドル円の反発局面とNY金の下げ渋りが重なるレアケースも想定され、一段高となる可能性も否定はできないものの、足下の急上昇局面の23.6%戻し(4899)となる4900円前後までの調整はすぐにでも。

プラチナ価格も1.26%の大幅続伸、3月21日(3768)以来5カ月ぶりの高値水準。NYプラチナの大台回復とドル円の反発にも支えられ、上値目標3830円台を目指す上昇トレンドが加速し始めた様子も。しかし、NYと国内金価格、NYプラチナいずれも目標水準に到達し、反落警戒感も高まる状況となり、単独でのトレンド継続はやや困難。3700円台を維持して保ち合いとなれば、次の展開への期待も。
※参考:金プラチナ国内価格8/30とチャート

2017年8月30日(水)時点の相場
国内金4,943 円 8/30(水) ▲19(0.39%)
国内プラチナ3,763 円 8/30(水) ▲47(1.26%)
NY金1,318.9 ドル 8/29(火) ▲3.6(0.27%)
NYプラチナ1,003.5 ドル 8/29(火) ▲14.2(1.44%)
ドル円109.68 円 8/29(火) ▲0.43(0.39%)

8/29(火)のその他主要マーケット指標

じわり高まる賃金上昇率加速とNY金1300ドル割れへの警戒感 8/31(木)

消費者信頼感指数上振れと温度差?でリスク回避の巻き戻し加速 8/30(水)

北朝鮮ミサイル日本上空通過でJアラート発動、金は一時1330ドル 8/29(火)

価格差再拡大で再び明暗分かれる国内金価格とプラチナの方向性 8/28(月)

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