金プラチナ短期相場観

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米貿易赤字は11カ月ぶりの水準に縮小、輸出は2年8カ月ぶり高水準

更新日:2017年10月6日(金)

米貿易収支・輸出入額 2017年8月米商務省が発表した8月の貿易収支は-423億9500万ドル。市場予想の-427億ドルよりも赤字幅は小さく、7月の-435億5800万ドルからは赤字幅としては-2.7%の大幅縮小となり、昨年9月(-384億6600万ドル)以来11カ月ぶりの低水準となっています。
輸入額が2377億1500万ドルと5カ月ぶりの水準へと減少したのに対し、輸出額は1953億2000万ドルとなって2014年12月(1971億7700万ドル)以来、2年8カ月ぶりの高水準となったことが大きく影響。

なお、輸出額が過去最大となったのは2014年10月の2001億ドルで、今回の8月分から2.5%ほど増加すれば到達する水準。現状ペースの増加傾向が続けば8カ月程度で到達することになり、来年半ばにかけて過去最大更新となる可能性も。
米国の輸出額が増加傾向となっているということは、輸出先相手国の経済も好調であることの裏返しであり、現状は世界経済も好調を維持していることになり、来年半ば頃の状況が注目されることになりそうです。

また、この日発表された8月の製造業受注は前月比+1.2%となり、予想の+1.0%を上回り、3年ぶり低水準となった7月の-3.3%からは急回復。
民間設備投資の先行指標となるコア受注(非国防資本財から航空機を除く)は速報値の前月比+0.9%から+1.1%へと上方修正され、GDPの設備投資算出に用いられるコア出荷も前月比+0.7%から+1.1%へと上方修正されています。
8月の貿易収支改善と製造業受注の好結果により、第3四半期のGDP見通しも上振れへ、との見方もあるようです。

さらに、この日発表の新規失業保険申請件数では、ハリケーンの影響により8月末に急増した状態からは着実に減少傾向にあることが示されています。実際の統計データのブレが残っていることも懸念されるものの、今回の9月雇用統計では回復傾向の状態での数値が反映されることになり、低調ななかでもそれなりの結果となることも予想されます。
ただし、9月の雇用統計でNFPは昨年まで2年連続の下振れ。過去5年間では4回下振れと予想を下回りやすい月。

NY金・日足チャート 2017/8/31 - 10/55日のNY金相場は0.28%の反落。欧州時間にかけてはスペイン・カタルーニャ自治州の独立問題への懸念でユーロ安進行によるドル高円高のリスク回避的な流れとなり、1280ドル台へと上昇。NY市場では好調な米経済指標が続いたこと、サンフランシスコ連銀ウイリアムズ総裁とフィラデルフィア連銀ハーカー総裁のタカ派発言などもあり、リスク・オンとドル高の流れに反転し、米株主要3指数は4日連続で最高値更新、VIX指数は9.19と23年ぶりに過去最低を更新。反落となった金はNY引け後にかけて一時1270ドル割れ。ほぼ2カ月ぶりの安値圏で雇用統計待ちへ。ハリケーンの影響があった割には好結果、といったポジティブな受け止め方になれば90日移動平均線との揉み合い状態のNY金は1260ドル台のサポート水準では支えきれない可能性も。次のサポート水準候補は1240ドル近辺。反発方向へは1290ドル台が抵抗水準に。

NYプラチナ・日足チャート 2017/8/31 - 10/5NYプラチナ相場は3日ぶりの反発で0.35%の上昇。金がほぼ一方的に売られたNY市場ではこれに追随する形で910ドル付近まで下げた後、一時920ドル台まで買い戻される場面もあり、売られ過ぎからの反転の流れに向けた動きも見られたものの長くは続かず、910ドル台後半に押し戻されての小康状態に。910ドルラインでサポートされての反発への可能性を維持する状態で雇用統計待ちへ。ネガティブな結果で反発基調継続なら940ドルラインが抵抗線となり、これを超えるようなら短期トレンド反転へと向かい、960ドル台が次の上値目標に。ポジティブな結果に反落で910ドルの重要水準で下げ止まれない場合には一段安の展開で890ドル近辺が下値目標に。

ドル円・日足チャート 2017/9/1 - 10/5ドル円はわずかに0.06%のドル高円安で小反発。この日も東京市場朝の113円手前からNY市場朝の112円40銭付近まで下げて再び反発すると113円手前では再度上値を押さえられる展開となり、9月末以降は113円台前半で上ヒゲを残す状態から113円台手前で上値を押さえられる状態となり、その代わり下ヒゲを残して上値トライも諦めてはいない状態。112円台の小幅レンジを上抜けできれば114円手前まで、下抜けてしまうと反発基調腰折れで111円近辺までの調整へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/5終値とチャート

6日の国内金価格は0.44%の反落。戻り売りの勢いがわずかに強まった形となり、サポート水準を形成しようとしていた4940円ラインを守り切れず、短期下洛トレンド再加速の可能性。当面の下値目安は夏場の大幅上昇の半値戻しとなる4900円ちょうど前後まで。ただし、雇用統計の結果が想定以上に低調か、もしくは3連休明けにかけて地政学リスク再燃などがあると流れは反転、4960円の節目を超えると上値目標5020円近辺を目指す展開も。
週間ベースでは-51円(1.02%)となって3週続落。

プラチナ価格はわずかに0.06%の小反発。チャート上では10月に入って下げ止まりの様相もほぼ反発の動きは見られず、下落基調一服の状態。RSIは今回の下落局面で最低となる10.7%まで低下しており、反発への可能性も極めて高まる状態。下落基調の9日移動平均線(3578)上抜けが反発基調スタートに向けての目安に。金との価格差は2週間ぶりの水準となる1374円へと急縮小し、急反発への可能性も漂う状況にはあるのだが。
週間ベースでは-32円(0.89%)となり、7カ月ぶりの4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/6とチャート

2017年10月6日(金)時点の相場
国内金4,936 円 10/6(金) ▼22(0.44%)
国内プラチナ3,562 円 10/6(金) ▲2(0.06%)
NY金1,273.2 ドル 10/5(木) ▼3.6(0.28%)
NYプラチナ918.0 ドル 10/5(木) ▲3.2(0.35%)
ドル円112.82 円 10/5(木) ▲0.07(0.06%)

10/5(木)のその他主要マーケット指標

ハリケーン・マジック?労働参加率上昇でも失業率4.2%へ急低下 10/7(土)

米貿易赤字は11カ月ぶりの水準に縮小、輸出は2年8カ月ぶり高水準 10/6(金)

好調続く米経済指標にも、FRB議長人事に金融政策先行き不透明感 10/5(木)

ドルインデックスとの逆相関強まるNY金の下げ止まりポイント 10/4(水)

ISM製造業景況指数の13年ぶり高水準を示唆していた地区連銀指数 10/3(火)


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