金プラチナ短期相場観

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10年ぶり高水準の米新築住宅販売件数にもドル伸び悩み金下げ渋り

更新日:2017年10月26日(木)

米・新築住宅販売件数 2017年9月米商務省が発表した9月の新築住宅販売件数は年率換算で66.7万件。減少予想に反して、年初来最低となっていた8月の56.1万件からは+18.89%の大幅な伸びとなり、2007年10月(72.7)以来9年11カ月ぶりの高水準。前月比+18.89%は1992年1月(+21.15%)以来で25年8カ月ぶりの大幅増。
年初にピークをつけたかに思われた新築住宅販売件数は、減少傾向から一転、約10年ぶり高水準へと急増したことで、増加基調再開の可能性を示す結果となりました。

9月分ではハリケーン被害からの復興需要も含まれているものと思われるものの、南部以外の地域でも大幅な伸びを示し、中古住宅販売件数でも9月は増加に転じていることから、次月以降の動向が注目されることになりそうです。

この日、米連邦住宅金融局が発表した8月のFHFA住宅価格指数は前月比+0.7%と予想を上回る上昇率となり、前年比では+6%台での上昇ペースで過去最高水準を更新し続けています。米10年債利回りの反発基調も続き、住宅ローン金利上昇も懸念材料となってきそうな状況です。
また、10月のNAHB住宅市場指数は68となって9月の64からは反発、しかし11年9カ月ぶり高水準となった3月の71には届かず、住宅市場の景況感としては高水準での揉み合い状態となっており、さらなる上昇かピークアウトかの攻防が続きます。

単月で見ればかなりの好結果となった米住宅指標にも、米10年債利回りも米ドルも伸び悩み、金は下げ渋る展開となっています。

NY金・日足チャート 2017/9/21 - 10/2525日のNY金相場は0.05%の小反発。金利上昇ドル高株高の調整となった日、日経平均の最長連騰記録が16で途切れ、NYダウは最高値から一時200ドル弱の大幅下落、米10年債利回りは3月20日以来7カ月ぶり高水準で一時2.46%まで上昇して反落。金は1270ドル手前まで下げての反発となり、軟調推移のなかでも下げ渋る展開に。英BOEの利上げ観測やECBのテーパリングも意識される一方で次期FRB議長人事の思惑も交錯し、ドルの方向感も定まり難い状況となり、中国共産党大会終了とともに一部では北朝鮮の核実験も警戒され、金市場にとっても強弱材料が入り乱れる状況。短期的には軟調気味の推移が続き、1290ドルが抵抗水準となって最大1250ドル台辺りまでの下落局面が進行する可能性も継続か。

NYプラチナ・日足チャート 2017/9/21 - 10/25NYプラチナ相場は0.13%の反発。10月9日(914.5)以来、半月ぶりの安値まで下げての反発となり、ほぼトンカチ状態の下ヒゲ十字線を形成し、反発への可能性を示唆する足型に。重要な下値サポート水準となる910ドル手前での底堅さを確認するも上値の重さも変わらず、930ドル付近に見えない壁が出来つつある様子も。短期的な方向感としては上向き優勢も、金との方向感が逆行する状態となっていることも低ボラティリティの要因に。

ドル円・日足チャート 2017/9/21 - 10/25ドル円は0.15%のドル安円高となって反落。欧州時間に7月11日(114.49)以来、3カ月半ぶりのドル高円安水準114円20銭台まで上昇したところで、米10年債利回りとともに失速。米9月耐久財受注が好結果となったことを確認すると、材料出尽くしとなった形で反落へ。9月新築住宅販売件数の好結果にも一時的な反発にとどまり、米株大幅安の展開とともに114円割れへと軟調推移。今朝の東京市場ではサポート水準となりつつあった113円半ばの攻防状態に。114円台を維持することが出来ない状態が3日連続となり、徐々に失速感も。114円台再トライに成功できれば115円付近までの上値トライへの可能性も残され、下方向には112円半ばが重要なサポート水準となり、ここを割り込んだ場合には流れが大きく変わる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/25終値とチャート

26日の国内金価格は0.04%の小反発。20日以降5000円台でのほぼ横ばい推移となって1週間、トレンドレス状態となリつつある状況も、小さなラウンドトップを形成している可能性への警戒感も高まるところ。パターン的には反落を警戒する局面となりつつあり、目先は5020円台までが抵抗水準となって、4970円までがサポート水準に。ここを下抜けると大幅調整局面形成へと向う可能性が高まり、4900円割れも。

プラチナ価格は横ばい推移継続。方向感は上向き優勢の状態を維持し、本日のECB理事会をきっかけに小康状態脱却の可能性も。予定通り来年からのテーパリング決定ならユーロ買い圧力が強まりやすく、相対的なドル安により金とプラチナには上昇圧力が比較的強まりやすい状況だが。
※参考:金プラチナ国内価格10/26とチャート

2017年10月26日(木)時点の相場
国内金5,006 円 10/26(木) ▲2(0.04%)
国内プラチナ3,634 円 10/26(木) +-0(0.00%)
NY金1,279.0 ドル 10/25(水) ▲0.7(0.05%)
NYプラチナ926.7 ドル 10/25(水) ▲1.2(0.13%)
ドル円113.73 円 10/25(水) ▼0.17(0.15%)

10/25(水)のその他主要マーケット指標

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